MUSICK(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | The Drumming | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 新曲 |
2 | SPIRITEK | 高橋佐代子、 Danny Browne |
宮沢和史 | 4th(セルフカバー)アルバム『SPIRITEK』収録曲 birdとデュエット SAYOKOへ提供した曲のセルフカバー |
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3 | シェゴウ・アレグリア!〜歓喜のサンバ〜 | 宮沢和史 | 宮沢和史 | GANGA ZUMBA 1stシングル 最高62位 売上0.15万枚 | |
4 | DISCOTIQUE | 宮沢和史 | 宮沢和史 | GANGA ZUMBA 2ndミニアルバム『DISCOTIQUE』収録曲 | |
5 | E TUDO TAO MENOR | Lenine | 宮沢和史 | 2ndアルバム『AFROSICK(ポルトガル語ヴァージョン)』収録曲 日本語盤でのタイトルは「矮小な惑星」 |
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6 | Primeira Saudade(プリメイラ・サウダーヂ) | 宮沢和史 | Fernando Moura | 笹子重治 | 新曲 |
7 | 世界でいちばん美しい島〜ウチナーグチver.〜 | 宮沢和史 | 宮沢和史 | BEGIN | THE BOOMのセルフカバー(歌詞を沖縄方言に変更) 新録音 |
8 | あの海へ帰りたい | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 4th(セルフカバー)アルバム『SPIRITEK』収録曲 我如古より子へ提供した曲のセルフカバー |
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9 | Perfect Love | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 3rdアルバム『MIYAZAWA』収録曲 | |
10 | 抜殻 | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 1stシングル『Seven Days, Seven Nights』C/W 1stアルバム『Sixteenth Moon』収録曲 |
沖縄口訳詞:上原直彦(7)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | WONDERFUL WORLD | 宮沢和史 | 宮沢和史 | GANGA ZUMBA 2ndミニアルバム『DISCOTIQUE』収録曲 | |
2 | ちむぐり唄者 | 平安隆 | 宮沢和史 | 3rdアルバム『MIYAZAWA』収録曲 | |
3 | シンカヌチャー | 宮沢和史、 我如古より子、 平田大一 |
宮沢和史 | 宮沢和史+DIAMANTES+シンカヌチャー 沖縄限定シングル 後にTHE BOOMでセルフカバーしたものが全国発売 |
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4 | さがり花 | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 山弦 | 石川さゆりへ提供 セルフカバー 新録音 |
5 | 幸せゆき | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 山弦 | 大城クラウディアへ提供 セルフカバー 新録音 |
6 | 形 | 宮沢和史 | 高野寛 | 高野寛 | 新曲 |
7 | 遠い町で | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 1stアルバム『Sixteenth Moon』収録曲 新録音 | |
8 | 楽園 | 宮沢和史、 大宮エリー |
宮沢和史 | 笹子重治 | GANGA ZUMBA 1stミニアルバム『HABATAKE!』収録曲 新録音 |
9 | 風になりたい〜with Ska Lovers〜 | 宮沢和史 | 宮沢和史 | DUBFORCE+ 伊藤直樹 |
THE BOOMのセルフカバー 新録音 |
10 | 足跡のない道 | 宮沢和史 | 宮沢和史、 高野寛 |
GANGA ZUMBA 2ndシングル 最高59位 売上0.22万枚 | |
BONUS TRACK(初回盤のみ) | |||||
11 | 有るがままに(朗読) | 宮沢和史 | 未発表詩 朗読 |
Strings Arranged by 土屋玲子(5,7)
Piano Arranged by 塩谷哲(7)
リリースデータ
2015年12月2日 | 初登場42位 | 売上0.26万枚 | よしもとアール・アンド・シー |
宮沢和史2ndベストアルバム。2014年にTHE BOOMを解散してソロ活動に移行して最初の作品。ベストアルバムとしては03年の『MIYAZAWA-SICK』に続く2作目。『MIYAZAWA-SICK』以降ソロでのオリジナルアルバム発売は無く、04年に提供曲のセルフカバーアルバム『SPIRITEK』をリリース後、THE BOOMが05年以降休止となってからはソロでのツアーバンドメンバーを中心とした新バンド、GANGA ZUMBAを結成し、GANGA ZUMBAで06〜09年にかけて活動。09年にはTHE BOOMとしての活動を再開し、2014年の解散まで継続的に活動した。並行して合間に07年にソロ名義でライブアルバム『寄り道』やTRICERATOPSとコラボしての『MIYATORA』の発売はあり、曲提供やライブという形でのソロ活動は行われていたものの、完全なソロ名義での新作リリースは無かった。今作にはソロ名義だけでなく、GANGA ZUMBAの楽曲も選曲されている(GANGA ZUMBAとしてのベストアルバムは活動が止まった09年に締めくくりに近い形でリリース済み)。また9曲が今作用に録音されており、内訳は新曲3曲、提供曲の新録音セルフカバー2曲、ソロ名義のセルフカバー1曲、GANGA ZUMBAのセルフカバー1曲、THE BOOMのセルフカバー2曲。新録音、新曲以外では沖縄限定発売だった「シンカヌチャー」がアルバム初収録となった(THE BOOMでセルフカバーしたバージョンは既にTHE BOOMのアルバムに収録済み)。初回盤には未発表詩の朗読が追加収録されている。発売当初はこれまでの音楽活動の集大成と位置付けているのみだったが、発売後にこの後のソロツアーを持って表舞台における歌唱活動の無期限休止を発表した。
THE BOOM解散から1年。ソロで活動するのか、解散宣言が出ていないままフェードアウトしているGANGA ZUMBAを復活させるのか(今作後のツアーはソロ名義だがGANGA ZUMBAメンバーで行い、ツアーと同時期に1回だけGANGA ZUMBA名義でのライブも行った)、今後の動向が明らかになっていなかったが発表されたのがまさかのソロベストアルバム。集大成といっても前回03年のベスト盤以降、ソロ名義での新作オリジナルアルバムは無く、曲提供やGANGA ZUMBAとしての活動、世界各国でライブを中心に色々な活動をしてきたとはいっても、ソロ作品は増えていなかった。このためベスト盤といってもソロ名義でのオリジナル曲はほぼ『MIYAZAWA-SICK』と被った選曲にしかならず、提供曲セルフカバー、GANGA ZUMBA、THE BOOMを引っ張ってくる形になっており、あまりソロのベストアルバムという感じがしない。単なるソロ活動のベストアルバムというより自身の音楽人生そのものの集大成に近い位置づけのようだ。
THE BOOMとして最後の新作となった2013年のオリジナルアルバム『世界で一番美しい島』に書き下ろしの新曲は3曲しか収録されず、カバーやセルフカバー、ついには前作収録曲をもう1回収録するという状態で、解散した2014年に発表された作品はセルフカバーのみだった。今作もまた新録音は多いが完全な新曲は3曲。2011年まではGANGA ZUMBAやTHE BOOMにおいて継続的に新曲を出し続けていたので、2012年辺りからめっきり新曲が出てこなくなった事になる。この状態だともうやりたいことはやりつくして歌いたい事も歌いつくしてしまったのかなという気はどうしてもしてしまう。歌う事さえも休止してしまうとまでは思わなかったけど…。
そんな中で生まれたTHE BOOMとしては実質最後の新曲となった「世界でいちばん美しい島」は発表当時からこの曲を書くためにデビュー以来たくさんの曲を書いてきたのかもしれないとまで言い切るほどの曲であり本当に現時点での最終到達点だったんだろうな…。THE BOOMとして発表したこの曲は沖縄をテーマにしたアルバムの表題曲ということで沖縄の曲かと思いきやこの日本そのものや聞く者の生まれた場所そのものを指す意味合いでとらえることが可能だったが、今作では沖縄方言に変更し、より沖縄の曲という色合いを強めている。
そういったわけで文字通り集大成として聞くべき作品。様々な音楽性を吸収して表現してきたけど、THE BOOMの末期同様に最終的に落ち着いたところはシンプルな歌であり、沖縄色やブラジル色は随所に聞かれるものの、最も攻めてソロ活動を行っていた時期の前ベストの頃と比べるとシンプルで深みが増している。聞いてみようと思うきっかけになるような代表曲も無いし、ソロ作品から入るという事はたぶんないと思うので、THE BOOMをベスト盤だけでも聞いてから聞くのがまあベター。そして選曲にしても新録音にしても後期THE BOOMの落ち着いた佇まいの延長という雰囲気が強いので、やはりそこに魅力や癒しを感じられるなら聞いて損は無いし、後期のTHE BOOMがつまらなくなったと思うなら今作を聞いても変わらないと思う。
個人的にはこういうまとめ方をするよりは、今の宮沢和史としての新作アルバムを出し、100%の今を提示した後で集大成として総括してほしかったなという気はする。全ての活動を追っていたわけではないだけに、どうしてもソロでほとんど活動している印象が無いままに集大成です、これで休止しますと言われても、ピンとこないところはあった。
印象度★★★★☆
2016.3.19更新