愛していると云ってくれ
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 「元気ですか」 | 中島みゆき | 朗読 | ||
2 | 怜子 | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次 | |
3 | わかれうた | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次・福井崚 | 5thシングル 最高1位 売上76.9万枚 |
4 | 海鳴り | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次 | |
5 | 化粧 | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次 | |
6 | ミルク32 | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき | |
7 | あほう鳥 | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次 | |
8 | おまえの家 | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき | |
9 | 世情 | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次・福井崚 |
リリースデータ
1978年4月10日(LP) 1978年4月10日(CT) 1986年11月5日(初CD化) 1989年3月21日(ゴールドCD) 1990年5月21日(再発) 2001年3月28日(CD) 2008年10月1日(限定紙ジャケCD) 2018年3月7日(HQCD/リマスター) |
最高2位 最高6位 - - - - 初登場190位 初登場124位 |
売上33.6万枚 売上8.1万枚 - - - - 売上0.08万枚 売上0.046万枚 |
キャニオンレコード キャニオンレコード キャニオンレコード ポニーキャニオン ポニーキャニオン ヤマハミュージック ヤマハミュージック ヤマハミュージック |
中島みゆき4thアルバム。77年9月にリリースされた「わかれうた」が初の1位を獲得(シングルで70年代〜00年代まで4つの年代で1位を獲得という記録を持っているがこれが70年代唯一の1位)し、大ヒット。それを受けてカセットのみのコンピベスト盤のリリースもあったが、オリジナルアルバムとしては10ヶ月ぶり。シングルヒットに引っ張られ、過去3作を上回るヒットを記録した。また「世情」は2年後の80年に「3年B組金八先生」の第2シリーズにおいて最終回前のクライマックスで生徒が逮捕・強制連行されるシーンにてスローモーション&音声オフのバックにフルコーラスで挿入歌として使用され一躍有名となった。このシーンはドラマの歴代名場面特集などで名シーンとして語り継がれている。
86年にCD化されて以降は何度か再発されているが01年にヤマハから一斉再発されたものが長らく現行盤となっていた。08年には紙ジャケで限定再発もされている。2010年に1枚97,200円にてクリスタルディスクとして通販限定で発売された際はリマスターされている。さらに2012年に初期アルバム8作をBOX化して受注限定生産されている『中島みゆきBOX』(HQCD仕様)でもリマスターされている。クリスタルディスクとBOXどちらもTom Bakerがリマスタリングを担当している。2018年にはこのBOXのリマスター音源を使用した初のリマスター盤がHQCDとして3回に分けて18作品順次リリースされた。今回聞いたのは01年盤。
「わかれうた」も「世情」も生まれる遥か前の作品であり、どちらも知らない状態で今作を聞いた。金八の逮捕連行シーンに関してはドラマの名シーン特集系の番組で何度か見た事がある程度。前後のストーリーも把握してないので何がどう名シーンなのかはあまり分かっていないが、いずれにせよそういえばバックにこんな曲がかかっていたかもしれない…と微かに思い出した程度。1曲目がまさかの朗読。しかも元彼の現彼女に電話をかけて探りを入れながら延々と未練を語り続けるという壮絶な内容。情念たっぷりの語り口が否応なしにアルバムの世界へと引きずり込む。今作はとにかく失恋の楽曲が大半を締めていて、前作までにあったような遊び入ったようなシュール系の楽曲も無く、一貫してシリアス。今作においては「わかれうた」なんかはわりとあっさりめの声で歌っていて、これでも今作の中では割と明るい方。前述の朗読といい、「化粧」辺りは終始半泣き状態、終盤は半泣きどころか完全に泣いてるような状態で歌い上げる。その辺の失恋ソングでは到底歌わないような醜い感情までさらけ出して感情たっぷりに歌い上げていくさまは早くも誰にも真似不可能なオンリーワンな領域に到達している。また失恋ソングではないが、音楽の夢をあきらめたかつての友人を歌ったシンプルな弾き語り曲「おまえの家」に漂う切なさもグッとくるものがあった。そして最終曲「世情」の圧倒的な破壊力。一言で言ってしまえば一安心できる隙など無い相当暗いアルバムではあるんだけど、同時に圧倒的な存在感を放っているアルバムでもあると思う。ここまで圧倒的だとサウンドの多少の古さとかどうでもよくなる。何度も聞きたい作品かというとそういうわけではないが紛れも無く初期の名盤だと思う。
印象度★★★★☆