大銀幕
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 糸 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 35thシングル両A面曲(カット) 20thアルバム『EAST ASIA』収録曲 ドラマ「聖者の行進」主題歌 |
2 | 命の別名<ALBUM VERSION> | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 25thアルバム『わたしの子供になりなさい』収録Ver. 35thシングル 最高12位 売上15.9万枚 ドラマ「聖者の行進」主題歌 |
3 | たかが愛 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 33rdシングル(カット) 最高32位 売上5.6万枚 24thアルバム『パラダイス・カフェ』収録曲 ドラマ「はみだし刑事情熱系」主題歌 |
4 | 愛情物語 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 34thシングル 最高28位 売上3.6万枚 ドラマ「はみだし刑事情熱系」主題歌 |
5 | 世情 | 中島みゆき | 中島みゆき | 吉野金次・福井崚 | 4thアルバム『愛していると云ってくれ』収録曲 ドラマ「3年B組金八先生」挿入歌 |
6 | with | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 25thシングル(カット) 最高29位 売上1.9万枚 18thアルバム『夜を往け』収録曲 映画「息子」主題歌 |
7 | 私たちは春の中で | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 36thシングル『瞬きもせず』C/W(カット) 25thアルバム『わたしの子供になりなさい』収録曲 映画「大いなる完」主題歌 |
8 | 眠らないで | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 22ndアルバム『LOVE OR NOTHING』収録曲 映画「海ほおずき」主題歌 |
9 | 二隻の舟 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 23rdアルバム『10 WINGS』収録Ver. 20thアルバム『EAST ASIA』収録曲 映画「霧の子午線」主題歌 |
10 | 瞬きもせず<MOVIE THEME VERSION> | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 36thシングル『瞬きもせず』C/W収録Ver. 映画「学校V」主題歌 |
ストリングス編曲:David Campbell(8,10)
リリースデータ
1998年11月6日 2019年1月30日(再発) |
初登場6位 初登場20位 |
売上14.2万枚 売上0.7万枚 |
Produced by 中島みゆき、瀬尾一三 | ポニーキャニオン ヤマハ |
中島みゆき5thベストアルバム。Singlesシリーズを除いて公式サイトに現在掲載されているベストアルバムとしては『大吟醸』に続く2作目。ドラマや映画タイアップを集めたコンピレーションベストアルバムとされているため2016年の『前途』発売時には『大吟醸』以来20年ぶりのベストアルバムとされた。しかし96年の『大吟醸』との被りは無く、当時は実質的な続編ベストアルバムとして認識されていた。「命の別名」はアルバムバージョン、「二隻の舟」は『10 WINGS』でのリメイクバージョンで収録。最新シングルだった「瞬きもせず」のみアルバム初収録となるが、今作にはシングルC/Wに収録されていた別アレンジのMOVIE THEME VERSIONでの収録。中島みゆきのシングルはマキシシングルになっても基本カラオケを除いて2曲収録を守っていたがこのシングルのみ3曲目にこのMOVIE THEME VERSIONが収録されていた。『Singles 2000』では容量の都合もあり、MOVIE THEME VERSIONが収録されなかったため、MOVIE THEME VERSIONが収録されているアルバムは今作のみとなった。
01年にオリジナルアルバム、04年に『大吟醸』や『Singles』シリーズ2作がヤマハから再発売された際に今作だけはラインナップから外されてしまったが、公式サイト非掲載にはならずに、ポニーキャニオンでの発売のまま公式サイト掲載、現存扱いに長年なっていた。2019年についにヤマハで再発売となったが、その際には初回盤が用意され、「愛だけを残せ」(09年)、「荒野より」(11年)、「恩知らず」(12年)の3曲のMVを収録したDVDが新たに付属する。これら3曲は今作の本来のコンセプトであるドラマや映画タイアップに合致した楽曲とされている。通常盤はそのままの再発。01年、04年の他のヤマハ再発アルバムと同様に特にリマスターは施されていない。
前半がドラマ、後半が映画タイアップという構成。ドラマや映画タイアップといっても1番有名なところは『大吟醸』に収録してしまったのと、特に映画に関しては当時の邦画は「踊る大捜査線」以降のようにTVがこぞって大々的に取り上げて大ヒットするような事は無く、極めて小規模なファン向け市場みたいな時代だった。それゆえに今作の売り文句であるドラマや映画タイアップというのは当時でもかなり弱かったし、ほどなくタイアップとしては忘れ去られてしまいほとんど意味をなしていない。基本的にはコンセプト抜きにして『大吟醸』を聞いてもっと聞いてみたい人が次に進むのに最適な1作といった感じ。10曲と曲数が少ないがその分だけ1曲1曲が残りやすくて聞きやすい。オリジナルアルバムを辿るにはしんどく、『大吟醸』や『Singles 2000』『十二単〜Singles 4〜』の後に何を聞こうかという時には『Singles』や『Singles U』に行くよりも、多少被るものの今作を聞けばいいと思う。
選曲は90年以降+「世情」だけ78年と極端に古い。タイアップという都合上、古すぎると作品自体を覚えていないのと、やはりタイアップ全盛期になったのは90年代以降という事もあり、この時点でのキャリアを考えるとかなり狭い期間に絞った選曲になっている。
00年代以降になると今作の中で「糸」だけが突出して有名な曲になったが、今作のライナーには「この曲だけで"単なるベスト"でない事が分かるだろう」と書かれている。今となっては中島みゆきの"単なるベスト"に「糸」が入ってないとか何考えてんだ?状態だが、当時知名度という点ではそのくらいだったわけでここが発売当時と「糸」が有名になっていってからとの感覚の違いだろうか。ただ「糸」に関しては『Singles 2000』で聞ける上に数々のヒット曲もついてくるし、「糸」「世情」に加えて「時代」まで収録された『元気ですか』とうコンピ盤が後に出ているので、「糸」や「世情」目当てでもあまり手に取る事は無くなっている作品かも。
ただ完全に今作のみのアルバム収録なのが「瞬きもせず<MOVIE THEME VERSION>」。オリジナルとはアレンジが異なり、オリジナルは冒頭から派手なコーラスが入って終始シングルA面らしくド派手に盛り上がるが、このMOVIE THEME VERSIONは全体に落ち着いた仕上がり。ていうか落ち着いたといってもストリングス入ってるし十分に雄大で、シングルバージョンは無駄に派手だったんじゃないのか?という気になってくる。これはこっちの方がいいと思う。『Singles 2000』に入っている「瞬きもせずに」のアレンジの派手さに時代を感じてイマイチだった人はこのためだけに今作を聞いても損は無い。
このアルバム、当時リリースされていた記憶が全く無いのは何故なんだろうと思ったら同日発売がユーミンの『Neue Musik』。『Neue Musik』は当時CD屋に買いに行ったので記憶にあるけど、数週前はサザンの『さくら』がドーンと置いてあったところにそれ以上の規模で『Neue Musik』がドドドーンと売り出されていたのでたぶん今作はその片隅の方に置いてあったんだと思うんだけど、全く目に入らなかったんだろうな…。
印象度★★★★☆
2016.3.26更新