大吟醸
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 空と君のあいだに (シングル・バージョン) |
中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 31stシングル 最高1位 売上146.6万枚 |
2 | 悪女 | 中島みゆき | 中島みゆき | 船山基紀 | 11thシングル 最高1位 売上83.3万枚 |
3 | あした | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 24thシングル 最高18位 売上15.4万枚 |
4 | 最後の女神 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 30thシングル両A面曲 |
5 | 浅い眠り | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 28thシングル 最高2位 売上105.7万枚 |
6 | ルージュ | 中島みゆき | 中島みゆき | 戸塚修 | 6thアルバム『おかえりなさい』収録曲 ちあきなおみへ提供 セルフカバー |
7 | 誕生 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 27thシングル 最高13位 売上6.9万枚 |
8 | 時代 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 30thシングル(カット) 最高22位 売上10.1万枚 2ndシングルのリメイク、21stアルバム『時代-Time goes around-』収録Ver.のシングルカット(冒頭削除) |
9 | わかれうた | 中島みゆき | 中島みゆき | 福井峻・吉野金次 | 5thシングル 最高1位 売上76.9万枚 |
10 | ひとり上手 | 中島みゆき | 中島みゆき | 萩田光雄 | 9thシングル 最高6位 売上44.4万枚 |
11 | 慟哭 | 中島みゆき | 後藤次利 | 瀬尾一三 | 21stアルバム『時代-Time goes around-』収録曲 工藤静香へ歌詞提供 セルフカバー |
12 | 狼になりたい | 中島みゆき | 中島みゆき | 石川鷹彦 | 5thアルバム『親愛なる者へ』収録曲 |
13 | 旅人のうた | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 32ndシングル 最高1位 売上103.6万枚 |
14 | ファイト! | 中島みゆき | 中島みゆき | 井上堯之 | 10thアルバム『予感』収録曲、31stシングル両A面曲(カット) |
リリースデータ
1996年3月21日 2002年2月20日(再発) |
初登場1位 初登場100位圏外、最高78位 |
売上61.2万枚 売上5.2万枚 |
Produced by 中島みゆき、瀬尾一三 | ポニーキャニオン ヤマハミュージック |
中島みゆき4thベストアルバム。『Singles』シリーズを除く現存ベストアルバムでは1作目。75年のデビューから95年までの20年間から代表曲を選出した純然たるベストアルバム。2016年の『前途』発売時に20年ぶりのベストアルバムとされ、何故か作品名が挙げられていなかったが今作の事を指している。『Singles』2作以外にはこれ以前は85年に『中島みゆき THE BEST』(A面曲のみ1st〜16thまで並べたもので拡大版である『Singles』リリースで役目を終えた)、89年の『中島みゆき PRESENTS BEST SELECTION 16』と92年の続編『中島みゆき BEST SELECTION U』があったが、これら3作を廃盤にして決定盤として今作がリリースされた。このため今作以降の公式ディスコグラフィーにこれら3作は非掲載となった。ミリオンシングル3作を含みながらも売上は伸び悩んだものの、アルバムでの最後の1位獲得作品にして90年代のオリジナルアルバムの最高売上の2倍程度、82年の『寒水魚』、02年の『Singles 2000』に続くアルバムでの3番ヒットを記録している(当初は2番ヒットだったが『Singles 2000』のロングヒットにより再発盤と合算しても抜かれた)。02年にヤマハから再発されこれが現行盤となる。再発盤発売当時は100位圏外だったが、03年にアルバムの集計範囲が300位までに拡大されると初ランクインを果たし、以降はロングヒットを続けている。96年盤は初回盤がBOXケース仕様だったが、02年盤は通常のプラケース仕様。またブックレット掲載のディスコグラフィーは02年時点のものに更新されている。リマスターはこの時期既にマスタリングを担当していたTom Bakerではなく、Bobby Hataが担当している。
再発盤の帯や背文字部分では「ベストアルバム 大吟醸」と表記されているが、『Singles』シリーズ、『大銀幕』、『元気ですか』は企画ベスト扱いであり、純然たるベストアルバムは今作と2016年の『前途』の2作しかないというのが公式の見解のようだ。全くそのような宣伝がされていないが20周年オールタイムベストでもあり、20年間からの選りすぐりの選曲がされているが、基本的にヒット曲、代表曲を中心としたビギナー向けの入口のような間口の広いものを目指したものと思われる。
対象範囲内なのに「糸」が無ぇよ!というのは00年代半ば以降の感覚であり、96年当時は知る人しか知らない曲だった(98年にシングルカットされ、2年後の『大銀幕』に隠れ名曲として収録)。この時点で比較的新しい時期の曲が多めだが、70年代の1位獲得大ヒット曲「わかれうた」、80年代の1位獲得大ヒット曲「悪女」、90年代のミリオンヒット3曲が1作に収録されているのは今作だけであり、『Singles』シリーズを聞くよりも遥かに手っ取り早く代表作を聞くことができるのは最大の魅力だ。『Singles 2000』を聞いた後でも一部被るけどそれ以前の代表曲を押さえるには『Singles』シリーズ2作合計5枚ものCDを聞くよりも聞きやすくて良い。
20年間が1枚に入っているので初期のフォーク調からやや時代を感じる80'sサウンド、近年ほど独自性の強い凛々しく重厚なサウンドと方向性は大きく変わってきていてそれがバラバラに入っているが不思議とそんなにバラバラな感じはしない。その全てが「中島みゆき」なのである。
もちろんこれ以外にも名曲は多いし、アルバム単位で聞くとまた1作ごとに中島みゆき本来の味わいというものがある(シングルのアレンジが違ったりそもそも収録しなかったりもするので)。ただいかんせん数が膨大なのでとにかく入口は必要であり、お手軽に代表曲を聞きたいという要望にストレートに答えつつも、厳選して他も聞いてみたいという余白を残すのは絶妙。オリジナルアルバム23作も出しているのに20年間のベストが1枚14曲って潔すぎる。そんな厳選された14曲が並んで最強にならないはずが無い。
印象度★★★★★
2016.12.25更新