わたしの子供になりなさい
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | わたしの子供になりなさい | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | |
2 | 下町の上、山の手の下 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | |
3 | 命の別名 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 35thシングル 最高12位 売上15.9万枚 別アレンジ |
4 | 清流 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | |
5 | 私たちは春の中で | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 36thシングル『瞬きもせず』C/W(カット) |
6 | 愛情物語 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 34thシングル 最高28位 売上3.6万枚 |
7 | You don't know | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 石嶺聡子に提供 セルフカバー |
8 | 木曜の夜 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | |
9 | 紅灯の海 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 竹中直人に提供 セルフカバー |
10 | 4.2.3. | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 |
Strings Arrangement:David Campbell(1,7)、瀬尾一三(6,9)
リリースデータ
1998年3月18日 1998年3月18日(APO-CD) 2001年6月20日(現行盤CD) 2008年11月5日(限定紙ジャケCD) |
初登場11位 初登場26位 - - |
売上8.3万枚 売上2.0万枚 - - |
Produced by 瀬尾一三、中島みゆき | ポニーキャニオン ポニーキャニオン ヤマハミュージック ヤマハミュージック |
中島みゆき25thアルバム。97年はデビュー以来初めてベスト盤含めてアルバムリリースが無く、1年半ぶりのアルバム発売となった。先行のシングル2作を収録。35th両A面の「糸」は元々92年の楽曲でシングルカットだったため今作には収録していない。「命の別名」はリアレンジされている。「私たちは春の中で」は次のシングルC/Wにカットされた。オリジナルアルバムで前作まで22作連続トップ10入りを果たしていたが今作ではついにトップ10落ちとなり、売上も前作の半分程度にまで落ち込んだ。通常プレイヤーで再生可能ながら高品質な素材を使用して高音質化を図ったAPO-CDと同時発売。また88年の『グッバイガール』以来となるアナログ盤でも限定発売された。01年にヤマハから一斉再発されたものが現行盤。08年には紙ジャケで限定再発もされている。今回入手したのはオリジナル盤。
ドラマ『聖者の行進』は障害者が不当な扱いをされる工場を舞台にしたかなりの問題作として話題になり、恐らく現代ではクレームにより放送不可能に陥ると思われる。このドラマを見ていたので主題歌だった「糸」と「命の別名」が初めてリアルタイムで聞いた中島みゆきの曲となり個人的には思い出深い。ただ今にして思えば同じ野島伸司脚本ということもあって『家なき子』を踏襲したタイアップ展開であり、匹敵するような大ヒットを見込んでいたと思われるが多少ロングヒットした程度に留まってしまった。ドラマ放映時に中学1年生だったけど、シングルCDのジャケットが演歌の人かよ…っていうくらい古臭く感じてしまい、曲自体は耳に残ったけど中島みゆきのCDっていうのは親世代の大人向けだと思ってスルーしてしまった。これ以降「地上の星」のロングヒットと紅白出演、さらに久々にドラマタイアップで触れることになる「銀の龍の背に乗って」までリアルタイムの記憶は途絶え、「命の別名」もちゃんとCDで聞いたのは『Singles 2000』がリリースされてからだった。
その「命の別名」だが今作ではLAの現地ミュージシャンによる演奏でリメイク。シングルでも十分に力強い歌唱が聞けるが今作ではさらに気合の入ったがなりっぷり。物凄いド迫力で圧倒される。「空と君のあいだに」「旅人のうた」といい、アルバムバージョンでのパワーアップがハンパ無く、『Singles 2000』を聞いただけでは分からなかったことで、これだけでもオリジナルアルバムを聞いてみた価値があるというもの。
アルバム全体としてはまずタイトルが凄いが、タイトル曲自体は母性溢れる仕上がり。なかなか私の子供になれという視点での楽曲を歌えるキャリアと貫禄を備えたミュージシャンって見当たらない。同世代でもユーミンが同じテーマで歌ってもなんか違うだろうし、有無を言わせない説得力を持たせることができるのはやはり中島みゆきしかいないか。たださすがにこれをツアータイトルにするのは躊躇われたのか、ここ数年続いていたツアー名=アルバムタイトルというお約束が廃止され、今作を引っ提げてのツアーはシンプルに1998を題しただけだったらしいけど。
96年12月に発生した在ペルー日本大使公邸占拠事件を取り上げたラストの「4.2.3.」は自身最長の12分オーバーという超大作だけど、以前のように長尺の楽曲が大量にあるわけではないのでアルバムとしては聞きやすい。「愛情物語」で鳴っているキーボードのように98年時点でも時代錯誤な音が入ってくる辺りにいよいよ"大御所化"の気配を感じなくもないけど優しい曲から激しい曲まで歌い分けがこれまで以上に幅広くなり、多彩な魅力を発揮しているアルバムといった印象。
印象度★★★★☆
2016.3.12更新