ララバイSINGER
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 桜らららら | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき、瀬尾一三 | |
2 | ただ・愛のためにだけ | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 岩崎宏美へ提供 セルフカバー |
3 | 宙船(そらふね) | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三、中村哲 | TOKIOへ提供 セルフカバー |
4 | あのさよならにさよならを | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 華原朋美へ提供 セルフカバー |
5 | Clavis-鍵- | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 工藤静香へ提供 セルフカバー |
6 | 水 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | |
7 | あなたでなければ | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三、中村哲 | |
8 | 五月の陽ざし | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき、 瀬尾一三、弦一徹 |
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9 | とろ | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | |
10 | お月さまほしい | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき、瀬尾一三 | |
11 | 重き荷を負いて | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三、中村哲 | |
12 | ララバイSINGER | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき、瀬尾一三、 小林信吾 |
リリースデータ
2006年11月22日 2008年12月3日(紙ジャケ仕様) |
初登場10位 300位圏外 |
売上11.7万枚 - |
Produced by 瀬尾一三、中島みゆき | ヤマハミュージック |
中島みゆき34thアルバム。前作が「夜会」関連、前々作が自身の楽曲のセルフカバーアルバムだったので通常のオリジナルアルバムは3年ぶり。シングルリリースは無く、新曲と4曲のセルフカバーで構成されている。セルフカバー4曲のうち「ただ・愛のためにだけ」は05年、これ以外の3曲は同年7〜9月に提供したばかりの楽曲だった。特に「宙船(そらふね)」は大ヒットし、TOKIOにとってはデビュー作に続く2番ヒット曲となり、その後の路線にも大きく影響を与える重要作となった。提供者である中島みゆきにも注目が集まり、前作で逃したトップ10入りを達成(ライブ盤、企画ベストも含めると3作連続でトップ10落ちしていた)。02年の『Singles 2000』以来、オリジナルアルバムでは00年の『短篇集』以来となる売上10万枚を突破し、現在のところ最後の10万越えのヒット作となっている。
デビュー曲が「アザミ嬢のララバイ」、その「ララバイ」を再びタイトルに持ってきた今作。単に持ってきただけでなくラストの表題曲「ララバイSINGER」はサビの「ララバイ」の部分は同じメロディーにするなど「アザミ嬢のララバイ」をオマージュしていて1stから聞いてくるとこれが実に感慨深い。また冒頭の「桜らららら」は久々に中島みゆき本人のアコースティックギター演奏による(サポートの吉川忠英も弾いている)1stアルバムを思わせる素朴なフォーク路線。なんでも1stアルバム候補曲だったが1番しかなかったのでお蔵入りしていた曲らしく、初期っぽいのではなく本当に初期の曲だったということらしい。続く「ただ・愛のためにだけ」もフォーク路線となっていて今回はフォーク回帰なのかと思いきや一転して「宙船(そらふね)」ではロックに振り切って荒々しい歌唱を聞かせる。これ以降は比較的いつもの中島みゆきらしい作風になりしっとりした曲が続く。前半の意外性に比べると中盤以降はそこまで驚きが無いなぁ…と思っていると「とろ」では異様におちゃらけた歌い方をしていて何事かと驚かされる。色々な歌い方をしてきたがまだこんな引き出しがあったとは…。
久々に自身がアレンジャーとして参加したり、Vilolinプレイヤーの弦一徹、Saxプレイヤーの中村哲、キーボードプレイヤーの小林信吾がアレンジに適宜参加しているのもいつもと違うところだが、それぞれの演奏パートでいつもよりプレイヤーの意見を尊重したということだろうか。00年代2番ヒット、21世紀では最大のヒット作でもある今作だが、内容的にも安定以上の充実を感じられる21世紀の中島みゆきの代表作の1つといっていいと思う。「宙船」のセルフカバー目当てで聞いてもこの曲だけですさまじいので聞いて損はないが、冒頭2曲のフォーク路線の"懐かしさ"やララバイ繋がりは1stから順番に聞いてくるとより感慨深く味わえる。
印象度★★★★☆
2016.6.27更新