世界が違って見える日

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三 47thシングル 最高8位 売上2.1万枚
2 島より 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三 工藤静香へ提供 セルフカバー
3 十年 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三 クミコへ提供 セルフカバー
4 乱世 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三 中村哲  
5 体温 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三  
6 童話 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三  
7 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三  
8 心月 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三  
9 天女の話 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三  
10 夢の京 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三  

 

リリースデータ

2023年3月1日 初登場3位 売上6.4万枚 Produced by 瀬尾一三 中島みゆき ヤマハ

中島みゆき44thアルバム。ベスト盤、ライブ盤を経て前作から3年2ヶ月ぶりのオリジナルアルバム。近年は新曲無しでライブ盤のみという事もあったもののシングルかアルバムか何かしらの発売はしていたが、2021年はついにデビュー以来初めて新作が1枚もリリースされない年となり、2022年には途中中止となったラストツアーのライブ盤を発売…と締めに入っている感が漂ったために引退説も囁かれる中で2022年後半に週刊誌の直撃インタビューで新作の制作を進めている事を公表、2022年12月に47thシングルを発売し、今作の発売も告知された。2021年に提供した「島より」、2007年に提供した「十年」のセルフカバーも2曲収録。珍しく巻末に本人コメント及び「心月」の読み方についてと「夢の京」についての2曲の注釈という形の説明が掲載されている。インストアルバム『歌がなくても聞こえてくる「中島みゆきの音楽集」〜こころに寄り添う24の旋律〜』、瀬尾一三のコンピ盤『時代を創った名曲たち4〜瀬尾一三作品集 SUPER digest〜』と同時発売。

90年代後半頃よりキーボード、ピアノ、プログラミング、アレンジで参加していた小林信吾は前作リリース後、2020年のツアーにも闘病しながら参加していたがツアーが途中中止になり、まもなく2020年10月に亡くなったため、レコーディングは前作『CONTRALTO』、参加音源はライブ盤『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』が事実上の遺作(生前最後の演奏音源)となった。今作ではピアノを倉田信雄(1994年『LOVE OR NOTHING』以来の参加)、キーボード&プログラミングは新たに十川ともじが担当しており、小林信吾の担当していた部分は2人が分担して引き継いでいる。瀬尾一三はかつて75歳までをメドに考えているとコメントしており今作は2022年9月に75歳を迎えての制作となったが、新コロ騒動による不完全燃焼なままでのツアー中止や小林信吾の死を受けてか75歳引退は撤回を宣言

「体温」のRight sideのアコースティックギターは引退した吉田拓郎が参加している。吉田拓郎の演奏は右側のみで左のアコースティックギターは古川望によるもの。コーラスにも参加しているが、他にも瀬尾一三含めて4人がコーラス参加していて合計5人のうちの1人という扱い。

ついに70代へ突入したが、老いのモードとしてはドラマに引っ張られた感もあった前作の方が強かったように思う。さすがに以前ほどの力強さはないがそれでも今作は落ち着いた曲だけではなく比較的力強いロックナンバーもあるし、リスナーの心に灯を照らしてくれるような衰えない頼もしさもまだまだ存分に感じられる。過去を越えていくほどではないとはいえ、前作よりは好感触で十分に満足を得られる1作だった。

基本的にこれまでも中島みゆきと瀬尾一三の連名でのプロデュース、2人の連携を中心に制作が続いている印象ではあったものの、ライブではバンマスであり制作においても第3の存在(Co-Produce)だった小林信吾も重要人物の1人であった。彼を失った事はかなり大きかったように思う。アレンジで連名で参加している事も多く、瀬尾一三が75歳を線引きにしようとしていたのは小林信吾にかなりの部分を任せようと考えていたのも大きかったようだ。小林信吾は瀬尾一三より11歳年下で中島みゆきよりも6歳年下なので年齢的にも経験値的にも中島みゆきの仕事において後を任せるのに確かに適任だったし、瀬尾一三の片腕的存在として中島みゆきの活動も間近で見てきた人だったので替えのきかない存在だった事は容易に伺える。

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印象度★★★★☆

2023.4.16更新

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