Singles

T
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 やまねこ 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 20thシングル(カット) 最高43位 売上1.8万枚
2 シーサイド・コーポラス 中島みゆき 中島みゆき   20thシングルC/W(リメイク・カット) シングル化にあたり2番を追加
3 見返り美人 中島みゆき 中島みゆき 萩田光雄 19thシングル 最高16位 売上4.3万枚
4 どこにいても 中島みゆき 中島みゆき 萩田光雄 19thシングルC/W
5 あたいの夏休み 中島みゆき 中島みゆき 後藤次利 18thシングル 最高14位 売上5.2万枚
6 中島みゆき 中島みゆき 後藤次利 18thシングルC/W
7 つめたい別れ 中島みゆき 中島みゆき 倉田信雄 17thシングル 最高6位 売上7.1万枚
8 ショウ・タイム 中島みゆき 中島みゆき 後藤次利 17thシングルC/W(カット)
9 孤独の肖像 中島みゆき 中島みゆき 後藤次利 16thシングル 最高6位 売上7.1万枚
10 100人目の恋人 中島みゆき 中島みゆき 後藤次利 16thシングルC/W
11 ひとり 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 15thシングル 最高5位 売上16.9万枚
12 海と宝石 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 15thシングルC/W 松坂慶子へ提供 セルフカバー

 

U
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 あの娘 中島みゆき 中島みゆき 井上尭之 14thシングル 最高5位 売上26.5万枚
2 波の上 中島みゆき 中島みゆき 井上尭之 14thシングルC/W
3 横恋慕 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 13thシングル 最高2位 売上31.5万枚
4 忘れな草をもう一度 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 13thシングルC/W
5 誘惑 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 12thシングル 最高2位 売上43.6万枚
6 やさしい女 中島みゆき 中島みゆき 井上鑑 12thシングルC/W
7 悪女 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 11thシングル 最高1位 売上83.3万枚
8 笑わせるじゃないか 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 11thシングルC/W 山内恵美子へ提供 セルフカバー
9 あした天気になれ 中島みゆき 中島みゆき 星勝 10thシングル(カット) 最高25位 売上7.9万枚
10 杏村から 中島みゆき 中島みゆき 安田裕美 10thシングルC/W 研ナオコへ提供 セルフカバー
11 ひとり上手 中島みゆき 中島みゆき 萩田光雄 9thシングル 最高6位 売上44.4万枚
12 悲しみに 中島みゆき 中島みゆき 石川鷹彦 9thシングルC/W
13 かなしみ笑い 中島みゆき 中島みゆき 吉野金次・青木望 8thシングル 最高11位 売上19.4万枚
14 霧に走る 中島みゆき 中島みゆき 後藤次利 シングルC/W

 

V
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 りばいばる 中島みゆき 中島みゆき 戸塚修 7thシングル 最高11位 売上34.4万枚
2 ピエロ 中島みゆき 中島みゆき 戸塚修 7thシングルC/W 根津甚八へ提供 セルフカバー
3 おもいで河 中島みゆき 中島みゆき 若草恵 6thシングル 最高19位 売上14.0万枚
4 ほうせんか 中島みゆき 中島みゆき 若草恵 6thシングルC/W
5 わかれうた 中島みゆき 中島みゆき 福井峻・吉野金次 5thシングル 最高1位 売上76.9万枚
6 ホームにて 中島みゆき 中島みゆき 福井峻 5thシングルC/W(カット)
7 夜風の中から 中島みゆき 中島みゆき 萩田光雄 4thシングル 100位圏外
8 忘れられるものならば 中島みゆき 中島みゆき 西崎進 4thシングルC/W
9 こんばんわ 中島みゆき 中島みゆき 西崎進 3rdシングル 100位圏外
10 強い風はいつも 中島みゆき 中島みゆき 西崎進 シングルC/W
11 時代 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 2ndシングル 最高14位 売上16.4万枚
12 傷ついた翼 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 シングルC/W
13 アザミ嬢のララバイ 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 1stシングル 最高38位 売上7.9万枚
14 さよならさよなら 中島みゆき 中島みゆき 船山基紀 シングルC/W

黄色=アルバム初収録
黄緑色=シングルバージョンアルバム初収録(オリジナルアルバムでは完全なアレンジ違いか別ミックスで収録されている曲)
水色=アルバム初収録orシングルバージョンアルバム初収録だが現存する後のベスト盤(『大吟醸』『元気ですか』『ここにいるよ』)にも収録された曲

※1st〜16thシングルA面は85年発売『中島みゆき THE BEST』に収録されていたが既に廃盤のため、初収録扱いとする。
18th、19thシングルは89年の『中島みゆき PRESENTS BEST SELECTION 16』にも収録されたがこれも廃盤。

リリースデータ

1987年8月21日(CD)
1987年8月21日(CT)
1994年4月21日(再発)
2004年6月23日(再発)
2024年1月17日(リマスター/Blu-spec CD2)
最高5位
最高21位
再発時に最高36位
最高69位
初登場6位
売上6.0万枚
売上1.5万枚
87年盤と合算扱い
売上0.17万枚
売上1.3万枚
ポニーキャニオン
ポニーキャニオン
ポニーキャニオン
ヤマハミュージック
ヤマハミュージック

中島みゆき1stシングルコレクション。CDでのべスト盤/コンピ盤の類としては1985年12月(CDは1986年1月)の『中島みゆき THE BEST』に続く2作目の作品で、『中島みゆき THE BEST』には1st〜16thシングルA面がリリース順に収録されていたが、今作は実質的にその拡大版。この時点でのシングル20作のA面B面を完全網羅している。収録順はリリースと逆順(20th〜1st)。今作はシリーズ化され、94年に『Singles U』、02年に『Singles 2000』、13年に『十二単〜Singles 4〜』がリリースされている。ローマ数字になったり年号になったり数字になったりとナンバリング表記は全く統一されていないが、リリースと逆順に重複なしでA面B面を網羅するというフォーマットは共通している。1994年に『Singles U』と同時発売で再発。2001年に旧作がヤマハで再発された際にはラインナップに入っていなかったが、2004年に『Singles U』と共にヤマハから再発され、現行カタログ入りを果たした。1994年、2004年盤は共にリマスターは全く行われていないようだが、2004年盤ではそれまでの一体型3枚組ケースから通常ケース3枚をスリーブケースに収納、ブックレットは分厚い冊子が別途付属する仕様に変更になった。2004年盤は発売以来300位圏外のままだったが、2019年7月に300位ギリギリとなる298位(この週は3枚同じ枚数で298位が3作あった)に初ランクインを果たした。これはTBSの夏の音楽特番「音楽の日」で「時代」を合唱する企画が行われたため。その後2020年4月に再度上昇し、5月にはトップ100入りを果たした。

2024年には初のリマスター盤としてBlu-spec CD2で再発。パッケージは2004年盤のデザインをそのまま踏襲している。2015年以降のマスタリング、リマスターを担当していたStephen Marcussenによるリマスター。YouTubeで視聴トレーラーが公開されたが、続けて『Singles U』の視聴も公開され「リマスタ」と書かれていた事から続けて発売されるのかと誤解を招く事態となった。よく読めば分かるように『Singles U』は1994年当時にTom Bakerによるリマスターで発売されたという事を何故か改めて強調しているだけである。『SinglesU』の1994年リマスターを今更強調している事からも当時の今作はリマスターを特に施さずにそのままリリースされていて28年越しのリマスターというのを強調する意図があると思われる。

この時期はアルバム未収録のシングルがかなり多く、収録していてもアレンジを変える(ミックスを変えるだけの場合も)ということを頻繁に行っていた。色分けしてまとめてみるとほとんどカラーになってしまうほどアルバム初収録曲、シングルバージョン初収録曲がズラリ。ほとんどがレコード時代のシングルであるため、現存する作品では実質的に今作でしか聞けない楽曲、今作でしか聞けないアレンジ、ミックスの楽曲が大量に収録されている事になる。

驚いたのはアレンジャーに船山基紀が随分参加していたこと。船山基紀のアレンジ曲はことごとくオリジナルアルバムには未収録か、アレンジャー変更されていたので、オリジナルアルバム14作の中では「やまねこ」だけしか担当していなかった。まさかシングルではこんなに担当していたとは…。

というわけでオリジナルアルバムを辿っていても初めて聞く曲、アレンジが違う曲ばかり。一般的にはおいしいところ取りとされるシングル曲がコンプリートで並び、そのまま現代までたどっていける続編もシリーズでリリースされているので、中島みゆきをざっと網羅するならこの『Singles』シリーズを順番に聞いておけば万事OK!と思いきや…それは間違いであるかつて自分も中島みゆきを聞いておくなら『Singles』シリーズ辿っておけばひとまずいいだろうと考え、知っている曲が多くリアルタイム感のあった『Singles 2000』を聞いた後に、「時代」と「浅い眠り」目当てで今作と『Singles U』を一気に聞こうと目論んだことがあった。結果、あっさり挫折した。いかんせん知らない曲が多すぎる上に、時代性も強すぎて全く馴染めない。『Singles U』は2枚組で、今作は3枚組だ。これを「時代」だけ、もしくは「わかれうた」や「悪女」など数曲のヒット曲目当てで聞くにはあまりにしんどい。

新しい方から古い方へ向かっていくので、DISC-1はいわゆる「御乱心の時代」突入期のものでロック色が強い曲が多く、かっこよさを感じる反面、アレンジ面で80年代らしい妙な響きにかなり時代を感じる部分が多い。今ではありえない感じのサウンドは逆に新鮮でおもしろかったりもしないこともないが、ロック調のカッコよさに関してもオリジナルアルバムの方が攻めてるし…。DISC-2,1はけっこう安定してヒットシングルが出ていた時期でヒットパレードになっているはずなんだけど、正直後年までヒット曲として往年の名曲扱いされているかと言うとほとんど残されていない。「悪女」や「わかれうた」にしても当時の映像があまり無いので懐古番組で流されにくい上、90年代〜00年代にかけてのヒットシングルのインパクトが上回ったため、代表曲として一般認知度が下の世代にまでそこそこあるのは90年代にリメイクされた方の「時代」くらいで、この時期の曲って当時のリスナー以外にはあまり知られていない感じになっていってしまったところがあるように思う。後追いで聞くとザ・昭和な歌謡っぽいしっとりした曲が延々続く。初期に近づくともう少しフォーク色も出てくるが、全体に時代性が強い。

オリジナルアルバムを聞いてから思ったのは、こんな昭和歌謡っぽいのばっかりだったっけ?ということ。確かに不定期に出ていた提供曲を集めたセルフカバーアルバムになると妙に昭和のかほりが漂うなぁとは思ったけど、今作のようにずっとそんな調子ではなかったはず。前述のように船山基紀など一部アレンジャーの担当曲はそのままオリジナルアルバム未収録かアルバム収録時にはアレンジャーを変えてしまっていたので、シングルでは当時のヒットシーンに合わせる意識が強くて、外向け仕様、オリジナルアルバムでは独自の音楽性を追求していく方針だったのかも。結果的に耐用年数が高く、作品性が高いのはオリジナルアルバムの方でファンの支持もアルバム単位となったのでシングルはヒットの割にあんまり残らなかったのかもしれない。実際個人的にはオリジナルアルバムの方が明らかに良かった。またラスト付近でようやく登場する「時代」、そしてデビュー作の「アザミ嬢のララバイ」は今作の中ではそんな中でも時代を超越した何かがある名曲だと思った。

というわけで、シングルコレクションという一見おいしそうな作品ながらなんだかあまりおいしくない今作。少なくとも最初に聞くアルバムではなく、この時期のオリジナルアルバムを聞いた後に聞いても全く遅くはない。ベストアルバムとして入口にするなら『大吟醸』、90年代以降のヒットシーンがリアルタイムなら『Singles 2000』、その次にオリジナルアルバムで、今作と『Singles U』は最後に回すの推奨

今作の音小さすぎる…という長年の難点は2024年リマスターで解消され、くっきり綺麗な迫力のあるサウンドで楽しめるようになった。まあ曲によりけりで時代性が強調されてしまう部分もあればそれもまた1つの味となっている部分もある感じではあるかな…。

B0CMQ7NDWW2024年リマスター盤  B000219PEE04年盤  B00005FQ1N94年盤

印象度★★★☆☆

2015.12.13更新、2024.2.11リマスター盤追加更新

   

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