予感

リリースデータ

中島みゆき10thアルバム。前作以降、82年に発売されいずれもO社2位のヒットを記録していたシングル「誘惑」「横恋慕」は2作とも未収録。このため全曲新曲のアルバムとなった。11年後の94年に住友生命のCMタイアップがついたことで、「ファイト!」が「空と君のあいだに」との両A面としてシングルカット。このシングルが自身最大ヒット作となっている。またこのシングルの発売週には当時の現行盤だった今作の90年再発盤が1週だけ100位にランクインした。

初CD化はレコード、カセットでの発売から1ヵ月後(前作と同時にCD化)とこれまでで最も間隔が短く、以降CDメインに徐々に切り替わっていく。以降何度かの再発を経てされているが01年にヤマハから一斉再発されたものが長らく現行盤となっていた。08年には紙ジャケで限定再発もされている。2010年以降に1枚97,200円にてクリスタルディスクとして通販限定で発売された際はリマスターされている。2014年に9th〜18thまでの10作品が『中島みゆきBOX2』として受注限定生産で通販限定で販売されている。2018年にはこのBOXのリマスター音源を使用した初のリマスター盤がHQCDとして3回に分けて18作品順次リリースされた。今回入手したのは01年盤。

前作までとはアレンジャーを一新。なんと自ら4曲のアレンジを手掛け、5曲は井上堯之が新たに登板している。この両者のアレンジはシンプルなバンドアレンジに時々管弦を加えるといったスタイルになっているので、前作辺りで強かった昭和のかほり的な歌謡臭がかなり薄まっている。以前のような強い情念もなく、かといって前作ほどしっとりしてもいないので、何とも標準的というか、大きな特徴が無く、楽曲自体の印象も比較的地味という面もあるんだけど、個人的にはアルバム全体このくらいのアレンジや曲の雰囲気だと聞きやすかった。

大名曲「ファイト!」がこんなに昔に発表されていた曲だったとは驚きだが、やはりこの曲は一際名曲だと思う。この曲、ドラム始まりで序盤はドラムメインで歌が進行するという構成になっておりかなりドラムが強調された仕上がりだが、今作は全体通して他の楽器やボーカルに比べてドラムだけやたらとでかくドタドタと存在感を発揮しまくっているのが印象的。80年代らしいといえばそうなんだけど、このドラム主役のような音のバランス、独特すぎて逆にクセになった。

01年盤　　08年紙ジャケ仕様　　　2018年リマスターHQCD

印象度★★★★☆

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