森高ランド
No | タイトル | 作詩 | 作曲 | 編曲 | 原曲・備考 |
1 | うわさ | 森高千里 | 斉藤英夫 | 斉藤英夫 | 新曲 |
2 | ミーハー | 森高千里 | 斉藤英夫 | 斉藤英夫 | 4thシングルC/W(カット) |
3 | ストレス | 森高千里 | 斉藤英夫 | 斉藤英夫 | 6thシングル(カット) |
4 | ALONE | 森高千里 | 安田信二 | 斉藤英夫 | 5thシングル |
5 | GET SMILE | 伊秩弘将 | 島健 | 斉藤英夫 | 3rdシングル |
6 | 夢の終り | 菅野真吾 | 斉藤英夫 | 斉藤英夫 | 1stアルバム『NEW SEASON』収録曲 |
7 | オーバーヒート・ナイト | 伊秩弘将 | 斉藤英夫 | 斉藤英夫 | 2ndシングル |
8 | 17才 | 有馬三恵子 | 筒見京平 | 斉藤英夫 | 7thシングル 南沙織のカバー |
9 | LET ME GO | 伊秩弘将・ 森高千里 |
安田信二 | 斉藤英夫 | 3rdアルバム『見て』収録曲 |
10 | GOOD-BYE SEASON | 久和カノン | 山本拓巳 | 斉藤英夫 | 3rdシングルC/W |
11 | 道 | 森高千里 | 安田信二 | 斉藤英夫 | 新曲 9thシングル(カット) 最高5位 売上16.4万枚 |
12 | NEW SEASON | HIRO | 斉藤英夫 | 斉藤英夫 | 1stシングル |
リリースデータ
1989年12月10日(初回盤) 1989年12月10日(通常盤) 1992年11月10日(再発) |
初登場8位、最高3位 初登場39位 - |
売上22.4万枚 売上8.1万枚 - |
Album Produced and Directed by YUKIO SETO Sound Produced and Enginnered by 斉藤英夫 |
WEA Japan |
森高千里1stベストアルバム。『非実力派宣言』から5ヵ月でのリリースで、間にはシングルカットが1枚あったのみだったため、今作の先行シングルは無かった。ベストアルバムながら全てニューレコーディング&ニューアレンジされ、斉藤英夫編曲では無かった楽曲も全て斉藤英夫の編曲で統一された。新曲が2曲収録され、このうち「道」は年明け1月にシングルカットされた。初回盤はスリーブケース仕様、フォトブック付属。通常盤とは別集計されたが、初回盤売上だけでも『非実力派宣言』を上回り、当時の最高売上を更新した。92年には次の5thアルバム『古今東西』と共に再発された。
2013年に発売された映像作品『森高ランド・ツアー1990.3.3 at NHKホール』の5枚組完全初回生産限定BOXのみに付属するDISC-5に今作の2013年リマスター盤が収録されている。2013年リマスターの単独発売は無い。
この時点でアルバムは4枚出ていたが今作の構成は新曲2曲とブレイク作となり4thに収録された「17才」を除くと1st〜3rdアルバムからの選曲中心となっていて、ブレイクのタイミングに合わせて初期3枚の代表曲をまとめて全曲斉藤英夫によるリアレンジで統一を図ったような内容。またよく見ると単に全曲編曲、サウンドプロデュースを手掛けただけでなく、今作ではエンジニアも斉藤英夫が兼任(Additionaolと2ndという扱いでもう2人クレジットされてはいる)。さらにもう少しクレジットをよく見るとAll Instruments,Programs,Chorusも斉藤英夫で例外として「17才」「NEW SEASON」の2曲はコーラスにMANAHO SAITOとある。そして録音スタジオが"SAITO HOUSE,Oyamadai Setagaya,Tokyo and WARNER-PIONEER STUIO"となっている。ワーナーパイオニアのスタジオはたぶん森高千里のボーカルレコーディングに使用したんじゃないかと思われるが、SAITO HOUSE,Oyamadai Setagaya,Tokyoすなわち東京都世田谷区尾山台にある斉藤さん家というのは要するに斉藤英夫が自宅でボーカル録音以外をほぼ1人で宅録してきたという事に…。となるとMANAHO SAITOというのも家族か…?
89年時点で自宅でオケを作ってくるなんてけっこうアナログで大変なんじゃないかと思うが、当時の最新機材を駆使したわけではないようで、これまでのアルバムに比べてもアレンジは似たり寄ったり。代わりに1枚通してとてつもない統一感は生まれているし、テンポアップしてノリが良くなった曲も多いので、聞きやすいといえば聞きやすい。また自宅制作ゆえに当時の最先端サウンドになっていないので、流行りの音が恐ろしい勢いですぐに廃れてしまったこの当時の作品としては逆に古くなり過ぎなくて良かったようにも思う。
そんなわけで今作に対してはアレンジが似たり寄ったりすぎてチープに感じるという声と、方向性が定まらずバラバラだった初期3作がおいしいとこ取りでまとめられてサウンド面で統一されたのが魅力であり初期3作のアルバムをスルーして今作だけ聞けばいいという声と賛否が分かれているようだ。確かにDTMが普及して個人が自宅で音源制作が容易に可能になった現代であればどうなのかというところはあるし、いくら何でも同じような音が続きすぎるようには感じたが、89年時点の宅録で1曲ごとに凝ったアレンジを展開させろとか無茶ぶりだろうし(しかも制作期間数ヵ月程度で)、そもそも今作自体がたぶんブレイクしたので急遽作る事になった作品だろうし、既存曲並べて新曲足しただけのベストでもいいだろうに、1人で全部オケを作り直して全曲新録音に仕立て上げたという気概は素晴らしかったと思う。
印象度★★★☆☆
2019.11.26更新