ペパーランド
No | タイトル | 作詩 | 作曲 | 備考 | 演奏楽器 |
1 | ペパーランド(PEPPERLAND) | 森高千里 | 河野伸 | Drums,Piano,Bass,Rhythm Guitar,Acoustic Guitar & Chorus | |
2 | どっちもどっち | 森高千里 | 高橋諭一 | Drums,Piano & Rhythm Guitar | |
3 | 頭が痛い | 森高千里 | 高橋諭一 | Drums,Piano & Chorus | |
4 | サンライズ | 森高千里 | 高橋諭一 | Drums,Piano,Rhythm Guitar & Guitar Solo | |
5 | ロックンロール県庁所在地 | 森高千里 | 森高千里 | 18thシングル『私の夏』C/W(カット) | All Instruments & Chorus |
6 | 雨の朝 | 森高千里 | 前嶋康明 | Twin Drums | |
7 | 常夏のパラダイス | 森高千里 | 松元俊明 | Drums,Rhythm Guitar & Chorus | |
8 | Uターン(我が家) | 森高千里 | 高橋諭一 | Drums & Piano | |
9 | ごきげんな朝 | 森高千里 | 斉藤英夫 | Drums,Piano & Bass | |
10 | ROCK ALARM CLOCK | 森高千里 | 直枝政太郎 | Drums & Fuzz Guitar | |
11 | 青い海 | 森高千里 | 松尾弘良 | Drums,Bass,Rhythm Guitar & Chorus |
Arrangement:斉藤英夫(9)
リリースデータ
1992年11月18日 1997年5月25日(再発) |
初登場5位 | 売上19.7万枚 | Produced by YUKIO SETO | WEA Japan |
森高千里7thアルバム。前作から9ヶ月ぶり。前作から「私がオバさんになっても」のシングルカット以外にシングルリリースが無いままに発売されたため、全曲新曲となっている。翌年のシングル『私の夏』C/Wとして「ロックンロール県庁所在地」がSingle Versionとしてシングルカットされた。2003年にはミニモニ。が「ロックンロール県庁所在地〜おぼえちゃいなシリーズ〜」としてカバーシングルを発売。この時点で埼玉県の県庁所在地が浦和市からさいたま市へと変わっていたため、該当部分の歌詞"埼玉は浦和"が"埼玉さいたま"に変更されてカバーされた。シングルなしという事もあって前後のアルバムよりも売上は大きく低迷した。
今作では"森高プレイズ森高ソングス!!"と銘打たれドラムを筆頭に本人の楽器演奏が全曲で展開。本人が演奏していることを強調するため、演奏クレジットでは森高本人のパート表記を他の演奏ミュージシャンよりも太字強調して表記している。一方で斉藤英夫の参加が激減するなど制作体制が大幅に変更されたほか今作には編曲表記がされていない(斉藤英夫が参加した「ごきげんな朝」のみ斉藤英夫の演奏クレジットにArrangement表記がある)。またビジュアルイメージも一新し、これまでのド派手な衣装を廃止、ジャケ写やブックレットの写真は普段着のような普通の服装となった。
後期ミュージシャン森高千里の始まりとなったが…ある程度楽器演奏ができる事はこれまでにも判明していて実際ドラムやギターを演奏した曲もあったが、ここにきて全曲ドラムやピアノを演奏して、ギターやベースまで弾き始めるとは前代未聞。後に続く者もいないんじゃないかというレベル。というかギターやピアノ演奏のイメージで売ってても実際はレコーディングで弾かせてもらえない女性シンガーソングライターだって山ほどいるわけで、この積極的に様々な演奏に挑んでいくストロングなスタイルは唯一無二。
打ち込み中心だったサウンドが今作で大幅に変わった事を印象付ける中心となっているドラムは実に素朴な響きでドテドテと響いていてそんなに超絶な技術が炸裂するわけではないどころか、ほとんど余計な事をせずに淡々と基本的なリズムをキープしているような感じ。しかし実際にやってみるとこういったシンプルなプレイで安定したリズムをキープし続けるのは案外難しいと評する向きもあり、実際森高千里のドラムは同業者やドラマー界隈での評価はけっこう高かったりも。個人的には本人も大ファンだというビートルズ感が楽曲全体に漂っていてドラムプレイもリンゴ・スター的な感じがするなとは思った。
一方で今作は個性を通り越したインパクト勝負、飛び道具みたいな狙いまくった楽曲は無い。もちろん個性的な歌詞は健在ではあるんだけど、ここまでに比べるとごく普通のポップスが並んでいるような印象なので1曲1曲では他のアルバムよりも残る曲は少ない。歌うだけでなくドラムを筆頭とした楽器演奏を自ら行っているという点で歌以外に聞きどころが多いのでトータルでのインパクトはある意味でこれまで以上だとも思う。また最後の「青い海」は妻を亡くし、娘が嫁いで海辺の本屋で1人暮らしをする65歳男性がここにいたいと思いながらも娘に頼まれて娘夫婦の元へ行く…という物語調となっているが妙に淡々と展開していて今までとは歌詞の作風が少し違うので何だか印象に残った。
印象度★★★☆☆
2020.1.20更新