オレのバラッド
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 名前のない者たち | 森友嵐士,jam | 森友嵐士、 五味孝氏 |
ha-j | |
2 | 離したくはない | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 森友嵐士、 五味孝氏 |
T-BOLANのセルフカバー |
3 | 歌を見つけたカナリヤ | 森友嵐士 | 森友嵐士 | ha-j | |
4 | 涙の壁 | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 近田潔人 | 2ndシングル両A面曲 |
5 | 抱きしめていたい | 森友嵐士 | 森友嵐士 | Face 2 fAKE | 1stシングル 最高13位 売上0.7万枚 |
6 | 誰よりオマエを愛してる | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 五味孝氏 | |
7 | 上を向いて歩こう | 永六輔 | 中村八大 | 坂本九のカバー | |
8 | 月ノ夜ニ | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 五味孝氏 | |
9 | 悲しみが色をかえるまで | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 五味孝氏 | |
10 | 祈り | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 近田潔人 | 2ndシングル 最高38位 売上0.2万枚 |
11 | キズナ | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 五味孝氏 | 1stシングル両A面曲 |
リリースデータ
2011年4月20日 | 初登場33位 | 売上0.3万枚 | トイズファクトリー |
森友嵐士1stアルバム。T-BOLANのオリジナルアルバムは93年12月が最後、フルアルバムとしてはおよそ17年ぶりの作品となったが、2015年の2ndリリース時には22年ぶりのフルアルバムである事を強調してもう1度復活戦略が取られたため今作は半ば無かったことにされた。T-BOLANは96年まで断続的なシングルリリースが続きリリース停止。99年末で解散を発表したものの当時は解散の理由がはっきり明かされなかった。その後森友はラジオパーソナリティとして01年に復帰するも表立った音楽活動はしていなかった。2010年復活した際に心因性発声障害に陥り歌えなくなり、それが原因でT-BOLANを解散、その後も歌えなかったことを告白した。ビーイングは離脱移籍したが、敵対関係には無いようで復活と同時にビーイング側はT-BLANベストを発売し、連動でキャンペーンが行われるなど円満なようである。森友の復活を見守り支えたというT-BOLANギタリストだった五味孝氏は5,6,8,9,11でギターやベースを演奏している。参加がクレジットされているのはそれだけだが、全体クレジットとして「Supported by 五味孝氏」となっており全面的に協力している模様。また当時からビーイングに在籍しているDIMENSIONの小野塚晃も「離したくはない」「キズナ」でピアノを担当している。ブックレットには森友のインタビューが掲載されており、今作への思いが綴られている。当初3月30日発売予定だったが、東日本大震災の影響でおよそ1ヵ月延期された。
五味孝氏とスタジオに入り、声が出せない状態から1年かけて最初にフルで歌い通せるようになった曲が「上を向いて歩こう」だと言われている。次に向き合ったというT-BOLAN代表曲の1つである「離したくはない」はピアノとストリングスのみでじっくり歌を届ける。ファンへの感謝を歌った「歌を見つけたカナリヤ」、そして今度は自分(=オレのバラッド)だけではなくリスナーに向けて背中を押すような(=みんなのバラッド)メッセージソング「名前のない者たち」など、森友嵐士の復活へ向けてのドキュメントのような内容にもなっている。かなり1曲1曲じっくり制作していったらしく、全曲がバラードということになったのも歌をとにかくじっくり聞かせたい、歌いたいということなのか、本人がそういうバラードモードであるのが理由のようだ。。どの曲も森友の熱い歌声が入ればそれだけでかなり入魂の1曲といった感じで名曲風に聞こえる。ボーカリストとしての強みだ。ただやはり全部バラードでこの熱い歌唱だとこの曲数でもけっこう濃く、良さを打ち消し合っている面もあって特に後半になってくると案外曲が残ってこない。今回は復活作ということでこれでもいいけど、次回からはアップテンポも含めたバランスのいいアルバムを期待したい。
なお「離したくはない」はT-BOLAN1stアルバム『T-BOLAN』にのみ収録されたオリジナルの歌詞で歌われている。シングルカットの際に1番Bメロの歌詞が信じることにかけてみるという前向きな内容に差し替えになり、以降全てのベスト盤にはシングルバージョンの歌詞で収録されていたのでオリジナルは1st以来今回が2度目。ここでオリジナルに戻したということはオリジナルの歌詞の方に思い入れがあったということだろうか。
サウンド面ではドラムが全面的に打ち込み。ストリングスは「離したくはない」「キズナ」でのみ使用し、他の曲でもそれっぽい盛り上げ方をしている曲もあるがそれらは全て打ち込みのようだ。T-BOLAN時代からバンドなのに打ち込み多用が目立ったが、そこのところはそのままの流れである。ライブで生音に生まれ変わるという点を重視しているのかもしれないが、単に予算的な問題かもしれない(その割にアルバムの値段が2500円と安いけど)。ただ森友の熱い歌声にはやはり生のサウンドが最も似合うと思う。バンド風のサウンドにするなら、打ち込みにしてももう少し質感を生っぽくするように頑張ってほしいなと感じた。
印象度★★★☆☆