20世紀少年-第1章-終わりの始まり

08年公開。浦沢直樹原作の漫画「20世紀少年」の実写版。50年近くに及ぶ壮大なストーリー展開のため、実写化は不可能とも言われていたが三部作の超大作として破格の総製作費60億円、総勢300名以上の豪華キャストで制作され大ヒットを記録した。この1作目では主に1997年と2000年12月31日までが描かれる。また3作に渡って1970年頃の少年時代の回想シーンも挟まれており、そこに「ともだち」の正体のヒントが隠されている…のだが、揃いも揃ってメンバーみんなが昔のこと過ぎて肝心な部分を忘れているので謎が解けるのに相当な時間がかかる。

1997年。ミュージシャンの夢をあきらめたケンヂ(唐沢寿明)は姉キリコ(黒木瞳)が置いて行った赤ん坊のカンナを育てながら、コンビニを経営して母親とカンナを養っていた。小学校の同窓会に出席したケンヂはそこで最近大きくなっている「ともだち」と言われる人物が教祖をしている宗教集団の話を聞く。その教団が使っているマークはケンヂ達が少年時代に原っぱに秘密基地を作って遊んでいた時に作ったものと全く同じだという。さらに同級生のドンキー(生瀬勝久)が死の直前にケンヂに送っていた手紙に同じマークが描かれていた。さっぱり思い出せないケンヂだったが仲間たちと当時埋めたタイムカプセルを引っ張り出したところそこにはケンヂが書いた「よげんのしょ」や教団のマークが出てくる。やがてお得意先の失踪事件、世界各地で起こる謎の失血死による細菌テロが予言通りであることが発覚。さらに予言どおりに羽田空港爆破という大事件が起こる。同級生の誰かが「ともだち」であり、「よげんのしょ」を実現しているのか?「ともだち」がカンナを狙っている事が発覚して何とか助け出したものの、コンビニが全焼してケンヂはテロの容疑者にまで仕立て上げられてしまい地下に潜る。

2000年大晦日。「よげんのしょ」によれば新宿に巨大ロボットが出現するという。この大規模テロを阻止するため、地下に潜伏していたケンヂはかつての仲間に収集をかける。集まったオッチョ(豊川悦司)、ユキジ(常盤貴子)、ヨシツネ(香川照之)、マルオ(石塚英彦)、フクベエ(佐々木蔵之介)、モンちゃん(宇梶剛士)と共にテロを阻止するために立ち上がる。

比較的日常的な部分から徐々に教団の影が迫り、非現実へ進んでいくようなイメージ。1作目は時期的な区切りもいいし、エピソードもそこまで詰め込まれておらず、漫画の絵を見ると登場人物はどれもそっくりなキャスティングをしており原作に忠実らしい。とにかく話に引き込まれる。ラストのCGはド迫力だし、非常に気になる幕引きで、一気に2015年へと話が進んでいくので次回作も気になる終り方である。ストーリーや映像スケールがでかいが、あちこちにチョイ役で有名人が出演しているのも見どころ。

DVD初回盤はLPサイズの巨大ジャケットだが、映像特典が何もなく、「僕らの旗」のレプリカが封入されている程度。初回盤はLPサイズで3作とも統一されたが、1作目は正直格安のスタンダードエディションでも問題ないと思う。現在ではBlu-ray化されたり、BOX化されたりしているので尚更初回盤に意味は無い。

B002XTKB8CBlu-ray3作セット   B001KEM12ABlu-ray

★★★★★

戻る