アキハバラ@DEEP
近年発展してきていた萌えや秋葉原文化は『電車男』以降、急速に認知度を高めた。今作もそんな秋葉原が舞台の映画である。
社会からドロップアウトした5人の若者(成宮寛貴、忍成修吾、荒川良々、三浦春馬、山田優)が、救いを求めていた人物の死をきっかけに人生再チャレンジに挑み、『アキハバラ@DEEP』を結成。IT業界を震撼させる新型検索エンジン「クルーク」の開発に成功する。そこに秋葉原の人々には嫌われているIT会社が買収を持ちかけるが拒否。ただでさえ気に入らないものを潰したり、違法行為に手を染めているような社長の佐々木蔵之介は「クルーク」の奪還を企む。
権力によって奪還されたものを奪還し返すというお話。なのだが、かなり暴力的な描写が多く、登場人物たちは犯罪同然というか犯罪でしかない行動のオンパレード。特に佐々木蔵之介の会社はヤバイ。未成年の少女を監禁してペットにしたり、会社ぐるみで数々のターゲットを囲い込み拉致監禁して拷問や暴行を容赦なく加える。場合によっては再起不能の重傷を負わせているなど犯罪全開。そんな相手だけに、主人公サイドが武装して会社に乗り込んでド派手にアクションを繰り広げてもそんなに過激な事してないように見えてくる始末。
もっと電子街らしいデジタルを駆使した知恵の対決なのかと思ったが、やってることはアナログな暴力対決なのでかなり意外だった。さらに秋葉原という世界観の独特さにもイマイチハマれなかった。暴力の印象が強すぎて、エンディングの爽快感もほとんど感じられなかった。
印象度★★☆☆☆