アンフェア the movie

06年冬に連ドラで放映され、10月にはSP版も放映されたフジ系ドラマ「アンフェア」の映画版。SP版から既に映画へつながるように謎に含みを持たせたまま終わっていたのでそのままの続編となっている。

SP版で情報をつかんだ警察内部の不正の証拠を探っていた雪平(篠原涼子)を狙った車の爆弾テロに娘が巻き込まれて入院する事に。しかし、その病院がテロリストに占拠されてしまう。娘を救いたい一心で、病院内部に潜入した雪平だったが、情報が筒抜けになっている事から警察内部に内通者がいるのではないかと疑う。

連ドラ時代からこのドラマは雰囲気重視であり、実際の展開は見た目だけカッコよくて、不自然な点やむちゃくちゃな点ばかりが目立っていた。映画でもその点は変わっておらず、雰囲気はカッコイイし、みんな怪しく見せて誰が犯人なのか?と言う展開もそれなりにワクワクはする。だが、やはり雰囲気重視なので不自然な点や強引な点が多い。特にラストにかけてのドタバタな展開は何が起きたのかよく分からず、何故あいつは悠々と無事なのかとか、あいつ撃ったの誰だよ?とかあまりにドカドカと裏切る奴が出てくるわ、それに重ねてさらに裏切る奴は出るわ、とワケが分からない状態になる。完結編なのに、最後に大いなる謎を残したまま終わりにするのも続編狙ってるのだろうか?評判も良くない映画であったが、確かに話の流れに合わせて無理にキャラクターを動かすとこうなってしまうのかなという感じはする。

だいたい、最新鋭の設備で要塞に等しいという病院なのに、どいつもこいつも地下から安易に進入可能って問題じゃないだろうか。

個人的にそれはないだろうと思ったのはテロリスト側の成宮寛貴。彼の上司である椎名桔平が到着するまでは実質的なテロ側の最高責任者として、ここんとこ優しい役が増えている中で、ドラマ「高校教師」でのホスト小僧を思い起こすような久々に悪そうでサイコな雰囲気で登場。その悪っぷりに期待したのだが、結局友情出演の看護士役の加藤ローサを開始早々に始末しただけ。てかローサがこんなに早く消されるとは何のために出てきたのか…。しかも、これも予定外の事で到着した椎名にはその点を咎められる始末

その後、今回の切り札である細菌の採取に向かうのだがここでもあろうことか、コケてビンを落とし菌を散布するという大失態を演じる。これだけでも既にマヌケ全開なのにパニックになったこの小物野郎は、さらにつまずいて防護服を破ってしまい自ら感染。必死にふさごうとする椎名の制止も聞かずにパニックになって暴れまくり、最終的に置いてかれて後は死を待つのみ。もう少し迷い込んだ雪平の娘と交流があるのかと思ったが大した印象も残せずフェードアウト。あまりに哀れだった。

とりあえず、結末がどうなるのか気になってこのシリーズ見てきたけどあまりに雰囲気重視すぎて、素人目にも不自然な点が見えすぎる。せめてもう少し組織というものに関して統一性を持たせるとか、設定ありきで話を進めるとかはしてほしい。ていうか視聴者をなめないでほしい

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★★☆☆☆

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