亡国のイージス

同時期に船が舞台の戦争モノの映画がいくつか公開された。『ローレライ』は設定は戦時中だったが内容は最強にSFな映画だった。今作は舞台は現代でとりあえずSFの要素は無い。

最新の船らしいイージス艦が某国の有名工作員率いる工作員軍団と彼らと結託した日本人の副長とその部下たちによって乗っ取られる。船には米軍から盗んだ強烈な破壊兵器が搭載されており、東京を攻撃されたくなければ要求を聞けとテロリスト達は政府を脅す。反乱を食い止めるために潜んでいた如月(勝地涼)と、退避せよという彼らの命令を破って船内に戻った先任伍長の仙石(真田広之)は彼らのたくらみを阻止すべく戦う。しかし某国工作員って名前からしても明らかに●●鮮だろうに名前出せないのかねぇ…。

という感じで主役が真田広之。日本人側の首謀者が寺尾聰で某国工作員のトップが中井貴一。さらに如月を送り込んだ上司が佐藤浩市。その他、基本的に30代以上の年配のキャストで固められている。

話としてはなかなかおもしろかった。真田広之や勝地涼の奮闘ぶりに対して佐藤浩市は政府側の施設で状況を眺めながらあーだこーだやってるだけな上に、今回の事件が起きることも想定していて準備万端で余裕ぶっていたわりに予想とは違う方向へ事態が流れ出した途端にボロが出まくりで少々情けないけど。全体的にアクション、政治的な動き、ヒューマンドラマとどれもいい感じになっているのだが最高傑作とまでは感じなかった。

まず日本側のテロリストにガッツが足りない。最後は次々に改心してしまう始末。これはこれで感動的なドラマにはなっていたのだが何人か仲間が死んで途端に揺らぐような信念なら最初から革命だなんだと言わないで欲しいものだ。その点、某国工作員とその部下たちは本物の悪党。最後まで悪役らしく悪の道を突き進む。ただその中の1人である唯一の女性テロリストはなんだったのか?ほとんど単独行動で勝地涼と戦っていたが最後は意味不明な行動を連発してセリフもないままあっさりフェードアウト。さらにそれを悟った某国工作員の悲しみのような表情。全くもって意味不明。原作を映画化する際にいろいろ削られた弊害か?あと最後、真田広之ちょっと撃たれすぎだろう。あれは死んでるって。

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★★★☆☆

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