名探偵コナン 紺碧の棺
人気アニメ「名探偵コナン」劇場版11作目。3作目以降8年連続劇場で見てきて、ここ2作は見に行く友人が1人また1人と減っていきついに1人で見に行く通称1人コナンという状況が続いていた。またその街の映画館自体も観客が2,3人というさびれた状況にあった。今年は大学時代のように平日に暇が無かったのでついに断念。DVDレンタルとなった。そしてその映画館も数ヵ月後についに閉館となってしまい、地元から町の映画館が姿を消し、シネコンだけになってしまった。
今回は海賊が残した宝探しという冒険モノになっていてこれまでとは雰囲気が違っていた。殺人事件事態もおまけ程度で、怪しげな動きをするトレジャーハンターの動向をさぐりつつも、いつもだったら本筋に入るにつれておまけでしかなくなる少年探偵団が行う宝探しゲーム展開が意外といつまでも続いて最終的に真相に大きく関わってきたりと無駄が無い。前作のお祭り騒ぎから一転してレギュラー出演者だけで構成したのでゲストキャラに見せ場を持っていかれることもなく、レギュラーが生かせるという寸法だ。
今回はここのところ出番の少なかった蘭と園子が大活躍という触れ込みどおりにこの2人にもスポットが当たっている。前作では事件の詳細さえ一切知らされずに実質的な人質になっているという程度だったし、それより前にしてもコナン君を心配してたり「新一…」とか言ってるくらいしか記憶が無いくらいだが、今回は久々に空手家としての蘭の強さが描かれていてカッコイイ。アクションシーンでは原作1巻で見せた伝説の
炎殺煉獄焦超絶スピードでの高速殴打を見せたりする。ただこれまでに比べて妙に喰らう側がタフで決定打になってないのが残念。蘭の繰り出す連続技を喰らっても「こいつ強いぜ」だけでぴんぴんしていた奴がかつていただろうか?蘭は現役プロレスラーでさえ一撃必殺で沈める実力者なのに。壮絶な強さを誇り犯人をノックアウトする蘭の姿はここんところ減ってしまっているので、もう少し蘭の決め手の部分は生かして欲しかった。肝心の真犯人の方だけど最後まで事件がストーリーの本筋に乗っていたにも関わらず妙に印象が薄い。その原因は、犯人よりも悪そうなのが先に悪役ぶりを存分に発揮していたのと、発覚後の犯人の態度は豹変することもなくあっさりあきらめてしまい、直後に迫った危機によりそれどころでもなくなって背景と化したからであろう。ついでに悪党に手を貸して恐らく金のためにボートを悪党に明け渡した登場人物はお咎めなしなのだろうか?一切触れられなかったので少し気になった。
★★★☆☆