GANTZ PERFECT ANSWER
2011年4月公開。『GANTZ』の続編で、原作が完結していないためほぼオリジナルストーリーによる決着がつけられている。キャストはほぼ続投で、ガンツのルールに100点取ったら誰か生き返らせるというものがあるため、前作で死んだ人物たちも再登場する。
玄野(二宮和也)は生き残った仲間たちと共にガンツで星人たちを倒し続けポイントを獲得していた。ガンツで100点を貯めると「解放」か「死んだ人間を生き返らせる」を選択可能。これを使って死んだ加藤(松山ケンイチ)を生き返らせ、それ以外の死んだ人間も生き返らせようという目的の元、玄野とその仲間たちは団結していた。あと一歩で100点というところで何故か現実世界には加藤が出現。しかしどうにもクールすぎて挙動が怪しい。またその少し前に小さなガンツボールが贈られてきたトップモデルの鮎川(伊藤歩)は操られるようにガンツボールに提示された3人を次々と殺害。その3人がガンツに召喚されていた。
次のガンツが出した黒服星人を倒す指令では今まで戦闘中は無人だったにも関わらず、地下鉄には大量の一般市民がいて戦闘の巻き添えとなり多大な死者が出てしまう。その戦いの最中で妙に戦い慣れている新たに召喚された3人は自分たちがかつて100点を獲得して解放された者だった事を思い出す。また加藤の姿をした何者かに次のターゲットに玄野の恋人の多恵(吉高由里子)を指示されていた鮎川も殺され、鮎川も召喚される。黒服星人との戦闘でポイントが溜まった玄野は加藤を生き返らせ、先に出ていた加藤が星人の擬態だと把握。さらにガンツの寿命が近い事が判明し、焦っているらしいガンツが次のターゲットに選んだのは偽加藤が狙っている多恵を先に殺せという指令だった。玄野は仲間との対立を余儀なくされ…。
物語は加速するが、多恵も結局は「卒業者」っていうことだったのだろうか?ガンツが多恵をターゲットにしたのは、ガンツボールを奪った偽加藤がガンツボールが指示している多恵を殺せば、条件クリアでガンツ部屋に召喚されるからってことなんだけど、ガンツボールが多恵殺害を指示した理由は不明だ。というか卒業者の再召喚以外に目的が無いっぽいので多恵もそうだったってことになるんだけど、そんな描写も無いどころか、そもそも鮎川しかガンツボールのターゲットが多恵だった事を知らないので、玄野がその可能性を考えるにすら至らない。その鮎川も操られて殺していたっぽいがあまり操られていた様子もなく、殺された3人も鮎川に殺されたことは記憶しているのにあまり怒っていないなど謎が多い。ガンツの謎も何故星人と戦っているのかなどの理由は不明のまま。パーフェクトアンサーというのは全員がハッピーエンドになるために自己犠牲を持って解決策を選んだ最後の玄野の決断の事であり、謎は謎のままである。
今回はシュールな星人も出ず、星人側がやたらと「先に仕掛けたのはお前たちの方だ」「仲間を殺された」「これは復讐だ」と発言を繰り返す。確かに星人たちが地球を侵略しようと具体的行動を取っている様子はなく、ガンツが勝手に宇宙人迫害を目論んでいるようにすら見えるがこのテーマは特に掘り下げられないまま終わるし、マジでガンツ何だったの…。
戦闘シーンは迫力があり、特に地下鉄シーンのアクションは面白い。一方で終盤の偽加藤VS加藤&玄野は迫力の割に煮え切らない。相変わらず加藤が使えないし。
そして謎の人物として登場したガンツの謎を追う山田孝之だったが、ストーリーに何の必要もないまま出番終了。原作にもいないオリジナルだったらしいが何で出したのか分からん。
★★★☆☆