ゲゲゲの鬼太郎
国民的マンガ、アニメとして有名な作品の実写化。とりあえず人が演じられる妖怪はコスプレで人が演じて、人型じゃない妖怪はCGで再現している。
ネズミ男(大泉洋)が狐一族所有の"妖怪石"盗んだ事で事件が発生。質屋に持ち込まれた妖怪石は、ちょうど失業中で指輪を質入に来ていた三浦晴彦(利重剛)を魔力で惑わせる。心神喪失状態になった晴彦は妖怪石を盗んでしまい、強盗容疑で追われる身に。逮捕直前に「この石は誰にも渡すな。誰にも言うな」と息子の健太(内田流果)に託した晴彦はそのまま病気で獄中死。姉の実花(井上真央)と共に狐一族に狙われるハメになった健太を鬼太郎(ウエンツ)ら鬼太郎ファミリーが守る事に。父との約束を頑なに守り、石なんて知らないとしらばっくれる健太のせいで、鬼太郎は狐一族に盗難犯にされてしまい、裁判にかけられてしまう。諸悪の根源であるねずみ男にもシラを切られた鬼太郎は500年の釜茹という有罪にされてしまう。ファミリーの抵抗で満月までに石を持ち帰らなければ目玉オヤジと砂かけ婆(室井滋)が代わりに釜茹でにされてしまう事が決定し、鬼太郎は石を探しに行く。
っていうかず〜っと餓鬼が持ってんだけどね!!
という話で諸悪の根源であるねずみ男と、自分から鬼太郎に交流を持ちかけておいて、その鬼太郎が大変な事になっている状況も薄々分かっているくせに頑なにシラを切り続ける餓鬼、及びそんな約束をしたまま(まあ石の魔力で言わされたんだろうけど)あの世に行ってしまった父のいずれかの行動が違っていれば丸く収まったような展開。何せ石はずっと画面に出ているそこの餓鬼のカバンの中にあるのは分かりきっているので、見てる方としては鬼太郎が追い詰められていく様は理不尽極まりなくて見てるのが辛い。結局、優しい鬼太郎は餓鬼のカバンは奪わずに、餓鬼を死んだ晴彦に会わせる為に危険を冒してまで黄泉の国にまで旅立つという超遠回りを強いられるハメになってしまう。餓鬼のせいで。そんなわけでまさか弟がずっとシラを切っていたなんて思わない姉の実花は出番は多いのに妙に印象が薄い。
この手のタイプの餓鬼は健気でかわいいというよりかはただの度を越えたワガママにしか見えないので非常に好感度が悪い。ストーリー展開的にはいっそ餓鬼ごと狐一族にさらわれてしまい、鬼太郎が助けに行くとかの方が良かった。それに救いの無いネズミ男に関してはギャグキャラを通り越して、性格的にひどい。あれが何であの程度のお咎めで済んでしまうのか。いくらなんでも鬼太郎ファミリー寛大すぎる。
ノリとしては「ハットリくん」に近いものがある。個人的には餓鬼を差し引いても猫娘の田中麗奈が良かったのでこっちの方が良かった。
思えば鬼太郎ってあんまりアニメとかを見た印象も無く何となく知っている程度。見た目はともかくキャラの性格的なイメージまでは合ってるんだか合ってないんだかよく分からなかった。ウエンツも悪くないが、他の脇役陣のコスプレがどれもハマリすぎてて面白い。特に猫娘の田中麗奈はここに来てなんで急にこんなはじけてるの?というくらいかつてないぶっ飛び具合。ラストの猫ダンスも今までに無いはじけようで必見だ。CM出演などで一躍アイドル的人気を得ながらも映画女優の道を選んだ田中麗奈。邦画が沈んでいた20代前半は邦画特有のマジメな作風ばかりなのと年に1つあるかないか程度と出演作も少なく印象が薄くなっていたが、ここに来て邦画が元気になると同時に出演作も露出もまた増えてきた。出来ればもっと若いうちにはじけちゃって、段々大人しくなっていく方が良かったが今後に期待だ。
★★★☆☆