ゴジラの逆襲

1955年制作。前作『ゴジラ』の続編。前作のラストで山根博士(志村喬)がゴジラは他にいるんじゃないかと疑問を提起していたが、その言葉の通り、もう1匹いたという設定で話がスタートする。今回は大阪が舞台だが、後半は北海道よりも北の海へと舞台が移動する。今回はとある海洋漁業の社員たちが主役となっている。東京でのゴジラ出現の経験を説明する役回りで前作から山根博士が1シーンのみ出演した。それ以外はゴジラも別個体なのでゴジラも含めて前作の登場人物は出てこない。

 

海洋漁業のパイロット(上空から魚の群れを探知する仕事)の月岡(小泉博)は、不時着した同僚の小林(千秋実)の救助のために岩戸島へ向かうが、そこで確かに死んだはずのゴジラともう1匹のトゲトゲ怪獣が格闘の末に海へ転落する様子を目の当たりにする。トゲトゲ怪獣はアンキロサウルスの生き残りだと判明し、アンギラスと名づけられる。前作でゴジラは確かに骨と化したのでゴジラがもう1匹いたということで、かつてのゴジラ東京襲撃の事をよく知る山根博士が呼び出されるが(前作の出来事を解説するこのシーンのみ出演で後は出てこない)、オキシジェン・デストロイヤーも存在しない今、ゴジラに対抗する明確な手段はないという。ただ、東京出現時の経験から、ゴジラは光を憎悪する傾向があるので、それを逆手にとって誘導し、都市圏から遠ざけるのが最良の策だと決定する。

ゴジラはその後、大阪へ出現。光を使った誘導で大阪の危機は去りかけていたが、ちょうどその頃に護送中だった囚人が脱走。暴れまわった挙句に、置いてあったタンクローリーで逃走するも追い詰められて焦って石油タンクに突っ込むというほとんどギャグのような大惨事に発展。大爆発炎上してしまい、ゴジラはそれに反応して大阪に上陸。同時にゴジラを追ってアンギラスも上陸。大阪を舞台に激しい死闘を繰り広げる。大阪城にて、ゴジラはアンギラスをかみ殺して勝利し、満足して去っていった。

大阪が壊滅状態となり、大阪に本拠があった海洋漁業は、北海道支社を中心にして建て直しを図る事になり、小林が派遣される。舞台は大阪から北海道へと移り、久々に北海道にやってきた月丘は、防衛隊にいる戦争時代の戦友たちと再会して盛り上がるが、そこにゴジラが出現したという情報が入る。防衛隊の面々に混ざってゴジラ捜索に協力する小林と月丘はやがて北の海の雪で覆われた神子島でゴジラを発見する。ゴジラをここに足止めして日本への再上陸を避けたい一行だが、ゴジラに攻撃は効かない。妙にテンションの上がった小林が、半ば自爆に近い形で特攻した挙句に雪山に激突して散ってしまう。そこからヒントを得た一行は雪山を撃つ事で雪崩を起こして、ゴジラを埋めて氷漬けにするという作戦を立てる。延々と雪山を破壊し続けた結果、ついにゴジラを埋めることに成功する月岡たちであった。

 

いかにも前作がウケたからPART2だなぁ…といった感じで正直前作ほどの衝撃は無い。相変わらずこの時代にしては凄いが、普通に見てると何で海洋漁業のパイロットがそのまま作戦に参加してるんだ?とか(まあ戦争経験で戦闘もなれたものではあるんだろうけど)、雪山撃ちまくってるわりには全然崩れてなくね?とか(要するに最後の作戦シーンが単調な繰り返しばかりなのに妙に長い)、そもそも前作に比べてこの作戦で決着になるの?という気もしてくる。小林も確かに死亡フラグっぽいものは経っていたが、いきなりテンション上がって自爆気味に死んじゃうのでビックリした。仕方なくというよりほとんど自殺じゃないか。

そのせいばかりではないだろうが、小学校時代にビデオで見て覚えていたのはアンギラスと戦う大阪城のシーンまでで、後は「その後、ゴジラが雪山に埋まって終わった」くらいしかなかった。その一言でしか覚えてなかった部分がこんなに長かったとは…。延々と雪山崩し攻撃シーンが続くのは正直かったるい。

印象的だったのは、月丘が旧友たちと再会するシーンでその旧友がみんな戦争時代に共に戦った仲間だという辺りが、戦後10年しか経っていない時代を感じさせられた。

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★★★☆☆

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