初恋

宮崎あおい主演。3億円事件の犯人は女子高生だったという話。中原みすずの同名小説が原作。主人公が著者と同じ名前で、自伝的な書き方で書かれているという。中原みすずは今作以外に本を書いておらず、著者と会話した宮崎あおいは、中原みすずが本当に犯人だった=この話は実話である、と感じたとコメントしているが真相は不明。

高校生のみすず(宮崎あおい)は、母親に捨てられて親戚の家で疎まれながら空虚な日々を過ごしていた。ある日、母と一緒に失踪した兄、亮(宮崎将)が現れてマッチを渡して去る。そのマッチに書かれた店、ジャズ喫茶Bを訪れたみすずはそこで亮をリーダーとする仲間達と出会い加わる。仲間達と関わる事で笑顔を見せるようになっていくみすずだったが、権力に反抗する仲間達はやがて抗争などの果てに傷つきバラバラになっていく。

仲間の中でひときわ違う雰囲気の岸(小出恵介)はみすずに3億円強奪の計画を話す。了承したみすずは3億円事件の実行犯として3億円を強奪するのだった。

みたいな展開。序盤はとにかく暗くてまったり。60年代の学生運動が盛んだった時代ということで、そういう中での仲間とウダウダという夜の展開は暗すぎて見ているのがけっこう辛かった。宮崎あおいが全然笑わないのも暗さに拍車をかけているが、徐々に仲間達と触れ合うことで笑顔が出てくる。さらに3億円事件実行の辺りからようやく話がおもしろくなってくる。

要するに他の仲間が退場してみすずと岸の2人だけの話になってくるとようやく雰囲気が良くなってきて、実行後の後半の展開もやはり暗いことは暗いのだが、前半のような退屈さは感じずにそれなりに引き込まれるものがあった。

まあ全体的に暗いし、まず持ってこの学生運動盛んな時代の若者の心情が理解できない部分も多いので、何だかよく分からないところも多い。情緒にひたれるかどうかが分かれ道だろうか。個人的には前半の段階ではハズレだと思ったが、後半は何とか持ち直した印象。それでもそんなにおもしろい話だったとは思えなかった。

ついでに宮崎将は宮崎あおいの実の兄で、これまでにCM共演もいくつかしているらしいが、映画でも『EUREKA』という作品で兄妹役で共演していて今作が2作目の兄妹役での共演となるようだ。意外と共演の機会が多いようだが(しかも実際に兄妹役)、あまり知られていないような気がする。

あとあまり意味がなかったように思えるが前半では小嶺麗奈の上半身ヌードが登場する。別に脱がなくても良かったような気がするが、前半は亮のもてっぷりを示すためか他の女優のヌードシーンが何回か出てくる。

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印象度★★☆☆☆

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