ヘブンズ・ドア

09年2月公開。97年のドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のリメイク。監督は「鉄コン筋クリート」を手がけたマイケル・アリアス。

28歳フリーターの勝人(長瀬智也)はバイトをクビにになった直後に健康診断で引っかかり検診を受ける。その結果、脳に腫瘍が見つかりいきなり余命3日〜せいぜい1週間と宣告されて緊急入院が決定する。その病院で長い間入院していて余命1ヶ月と宣告された春海(福田麻由子)と意気投合した勝人は、海を見たことが無いという春海と共に海を目指すことにする。病院の目の前に停めてあった車を盗んで海へ向かう2人だったが、その車の中には拳銃があった。金が無かったのでガソリンスタンドと郵便局で強盗をかました勝人だったが、後にトランクを調べたところ大金も発見された。車の持ち主である謎の組織と警察に追われる身となった2人だが数々の寄り道や奇跡を経て海を目指していく。

ロードムービーという感じで、台詞なしでスローな表情だけで見せていくシーンも多い。もうちょっとテンションの高いコメディなのかと思っていたがそんなこともなくわりと淡々としている。展開自体はファンタジーの域にすら達していて、勝人は何度か死にそうになりながらもことごとく復活するし、組織も警察も最後は何ら引っ張られることもなくフェードアウトしていってしまうし、最終的に何が言いたいのかよく分からなかったりもする。だけど何だか残る映画なのは長瀬と福田という主演2人の演技がいいからだと思う。

長瀬は青年っぽい雰囲気からヒゲを残したりするようになってこの頃まではいい感じのオッサン化だったんだけど、この後さらに無精ひげ全開で無骨な方向に行き過ぎてしまうのが残念。この映画くらいがかっこいいと思う。

「女王の教室」で共演した志田未来が見た目あんまり変わらないまま成長しているのに比べて福田麻由子はどんどん大人びていく。1年前の映画「犬と私の10の約束」では田中麗奈の少女時代を演じた福田だが、この映画の時点ではさらに田中麗奈に似てきていて将来が楽しみである。

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★★★☆☆

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