劇場版 HUNTER×HUNTER-The LAST MISSION-

13年12月公開。アニメ「HUNTER×HUNTER」の劇場版第2弾。当時TV放送されていたキメラアント編突入前、グリードアイランド編が終了し、カイトと出会ってしばらくカイトの仕事を手伝い、キメラアントの調査に入る直前の時期という時系列で物語が進行する。ネテロ役の永井一郎は14年1月に亡くなったため、これが最後のネテロ役となり、年明け以降でネテロが再登場した際は声優交代となった。

天空闘技場のバトルオリンピアで大会が開かれ、ズシが出場するので観戦に呼び出されたゴンとキルアは師匠のウイングに招待された。何故かウイングの師匠のビスケも一緒にいて、さらにウイングはズシのメディカルトレーナーとしてレオリオを召喚。ネオンが観戦に来ていたの語で護衛としてクラピカもその場にいて、特に意味も無くヒソカも来ていた。

しかし「影」と呼ばれる手段が会場を占拠。観戦に来ていたネテロは不意をつかれて「怨」の能力で動きを封じられてしまう。「影」とはかつてハンター協会の闇の仕事を請け負っていたがやりすぎてネテロによりリーダーのジェド含めて壊滅させられ、生き残りは細々暮らしていたがネテロの知らないところで粛清されていたとかで逃げ延びた3人が強い恨みを持ってしてジェドを復活させ、ジェドと怨の契約をして力に目覚めてやってきたとかなんとか。怨の力を使う強敵との戦いが始まった!

 

煽り文句が「全ハンターよ、真実《闇》と闘え―」とかだったのに、無理やり集合させた主人公格4人しかほとんど出てこないし、この作品は主人公が絶対最強という設定ではなく、この時点では中堅以下の実力なので、その程度の連中に撃破されちゃうのに全ハンターとか風呂敷広げちゃっても肩すかし…。ウイングはともかくビスケは本気で戦わせたら敵を瞬殺してしまうせいか、動ける状況でもゴンとキルア任せにしちゃってるくらい楽観視。ヒソカに至っては最早何故出演しているのか、その存在理由すら放棄してただ出したという勢い。その上アニメ版に比べるとかなり絵が雑というか単調な気が…。こんな顔だっけ?と思う部分が多かった。

それでもゴン達が能力すら目覚めてない状況で無理やりバトルを展開させた前作よりはマシで、能力を習得しているので戦闘シーンは何とか盛り上がるようにはなった。ただキルアはまだ神速までは会得してないのでまだイマイチだし、レオリオはようやく前作時のゴンやキルアレベルに達した程度。この4人の仲間意識を強めに出すストーリー展開は無理が生じるし、さらにキルアとゴンの友情を必要以上に押し出すやり方は叩かれやすい部分だろうなと思う。

主人公より強い奴が明確にたくさんいる設定の物語なので、とにかく狭い状況での事件に限定しないとこの作品はストーリーが成立しない。全ハンターとかそういう規模で出てくる敵は最も無理が生じる設定なわけで…。そもそもレオリオもクラピカも物語から長期離脱している過去のキャラクターなので、ハンター試験の時のパーティー4人にこだわるとレオリオは実質戦闘で使えないし、クラピカも旅団以外には能力に制限があるので描写が難しい(前作で散々叩かれたので制作サイドがトラウマになったのか、今作では鎖の能力は治癒にしか使わず、後は緋の目パワーアップでの打撃格闘のみという安全策で描写している)。制約だらけでガチガチだ。結局「HUNTER×HUNTER」という作品は非常にオリジナルのストーリーが作りにくい題材なんだと思う。

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★★★☆☆

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