いちばんきれいな水

 

小学6年生の夏美(菅野莉央)には、むずかしい病気で11年間眠ったままの姉・愛(加藤ローサ)がいる。いばら姫のように美しく眠る愛を中心に、父(田中哲司)と母(南果歩)の4人で、それでも穏やかに暮らしていた。しかし夏休みのある日、母・陽子の妹でカメラマンの真理子(カヒミ・カリィ)が、遠く南米の地で事故に巻き込まれたという連絡が入り、夏美を残しあわただしく現地へ出発する両親。姉妹が生まれてはじめて2人きりになった夜に、奇蹟は起こる。愛が突然目を覚ましたのだ。いつの間にか19歳になったことに戸惑う愛。心は8歳のまま無邪気な姉に驚きつつも触れ合うことで、大人に成長していく夏美。愛は強引に夏美を誘い出し“いちばんきれいな水”のある場所へ向かう。愛にはどうしても夏美に伝えたい大切な秘密があったのだ・・・。大切な秘密を伝えるために、11年の時を経て彼女は目を覚ました…。かけがいのない3日間を過ごした姉妹の切ないハートフルストーリー。(公式より転載)

加藤ローサ初主演映画。この映画が06年秋公開で、同年2月公開の『シムソンズ』でも1番手だったが、4人が主役という雰囲気の映画だったためか、あくまで今作が初主演になっている。90分程度と短い内容で、撮影も20日間の短期撮影、公開劇場もそんなに多くなかった模様。06年公開で1年後の07年にDVD化された。公式サイトのほかにBIGLOBEで特設サイトも公開された。

加藤ローサ主演ではあるが、実際には夏美の視点で話が進むので映っている時間は菅野莉央の方が長く、話としても夏美が姉との特別な3日間を過ごす事で成長するという展開なので実質的主役は菅野莉央だといえる。雰囲気はファンタジー色が全開だが、無理なく話に引き込まれたし、見せ場である「いちばんきれいな水」のシーンはとても綺麗。眠り姫状態の加藤ローサも綺麗だったし(ていうか眠っている姿はかなり気合入れてると思う)、全体的にも綺麗な印象の映画。奇跡の時間を過ごした事で成長して終わるというのも予定調和ではあるが、とてもすっきりしていて良い。ド派手な名作というわけではないが、しみじみといい映画だった。

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印象度★★★★☆

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