モスラ対ゴジラ
1964年にほぼ2年ぶりに公開された4作目。1961年に公開された映画「モスラ」の続編でもあり、『モスラ』で成虫になったモスラと今作に登場する寿命間近という設定の成虫モスラは同一個体とされている。小美人を演じたザ・ピーナッツはそのまま続投している。一方で小泉博は『モスラ』にも主要キャストとして出演していたが、今作で演じているのは別人である。また1作目以来10年ぶりに宝田明が主演をしているがこれも全くの別人設定。『モスラ』設定を引き継いでいるのは親モスラと小美人のみとなる。
台風が去った後に、巨大な卵が漂着する。ハッピー興行社の熊山(田島義文)と仲間の虎畑(佐原健二)は卵の権利を買い取って、卵で商売しようと企む。小美人(ザ・ピーナッツ)が卵を返すように要求するが逆に捕まえようとする2人。小美人を助けた新聞社の酒井(宝田明)、中西(星由里子)らは、小美人に協力し、熊山らに返すように再度説得するが聞き耳を持たない。あきらめた小美人はモスラと共にインファント島に帰る。
直後に、何故か干拓の中から土まみれのゴジラが登場。四日市の工業地帯や名古屋城などを破壊。酒井らはインファント島に出向き、モスラにゴジラを倒してくれるように頼み込む。始めは拒否するも、熱い説得で心開いたモスラは願いを聞き入れる。しかし、モスラの寿命は既に尽きかけており、今は死をまつのみの状態だった。
卵を破壊しようと迫るゴジラの前に駆けつけた成虫モスラは羽ばたくことによる強風攻撃などでゴジラを翻弄。最後の武器である毒鱗粉攻撃ではついにゴジラをのたうちまわせるところまで追い詰めるも、熱線の攻撃を喰らうと力尽きてしまう。最後は卵の元に戻り、卵をかばうように絶命。
その後、
前作でさほど効かなかったのにこりない電撃攻撃を決行する自衛隊。しかし前作より電力がパワーアップしたのかいいところまでゴジラを苦しめるも、調子に乗って電圧を上げすぎてお決まりの自爆。岩島に向かうゴジラだったがそこで卵から双子の幼虫モスラが誕生。果敢にゴジラに挑み、苦戦しながらも2体の連携プレイでゴジラを繭でぐるぐる巻きにして海中へ沈めることに成功し、島へと帰っていくのだった。
ゴジラが初めて明確に対戦相手に敗北したということで、実力的にも前作の巨大ゴリラのようなアンバランスさは無く、対決モノとしても見ごたえがある。親の寿命が尽きて、子供が代わりに倒すという二世代設定はモスラならではで、ゴジラシリーズではこのようなパターンはモスラでしか描かれていない。96年の映画『モスラ』でも親が力尽きて子供に託すという設定が再度使われているし、魅力的な設定だと思う。モスラが出てくるともうゴジラは悪役に徹するしかないというか、モスラって徹底的に人類の味方っていうイメージもある。それを決定付けたのが最初の共演である今作だったのかな。
★★★★☆