NIN×NIN 忍者ハットリ君 THE MOVIE
香取慎吾が主演の藤子漫画やアニメとしてヒットしたハットリ君の実写化。MOMAはハットリ君世代ではないので漫画やアニメは存在くらいしか知らない。今(05年)の子供達の親から少し下の世代がリアルタイム世代なのだろうか?夏休みに親子でどうぞ!的な狙いが当たってこの年の邦画ランキングベスト10に入るヒットになったらしい。
実写化にあたってはハットリ君のトレードマークであるほっぺたのうずまき模様まで再現。監督はなくそうとしたが香取の熱弁でうずまき模様を残したなんてエピソードも雑誌かなんかで伝えられている。
冒頭はハットリ君と師匠兼父親(伊藤四朗)による卒業試験と称された妙にかっこよい戦闘シーンから始まる。もしかしてかっこいいんじゃないの?と思った瞬間、覆面を取ったハットリ君のほっぺたには渦巻き模様があり、「ニ〜ン!」と幼く叫ぶハットリ君。その瞬間に全ては崩れ去る。その後序盤は「ニンニン」を連呼していて少々寒くなってきた。他の忍者はみんな普通なのにハットリ君だけ「〜ござる」とか1人だけ忍者語を連呼するのもいただけない。やがて東京に降り立ったハットリ君は小学生のケンイチ(知念侑季)を主として「主以外に姿を見せてはいけない」という掟を遵守しつつ彼との交流を深めていく。そんな中で盲目の絵描きである田中麗奈が出てきたり、ライバルだったけど今は小学校教師のガレッジセール、ゴリが登場。髪を下ろしたゴリはなんだか不自然な髪型であのリーゼントみたいな髪型に照準があった切り方をしているんだなとかどうでもいいことが分かった。
またガレッジセールの相方や乙葉、草なぎ、大杉蓮なども「元忍者が今は忍術を生かして普通に暮らしている」という実例として一瞬登場。やがて彼らを襲う大ボスが現れて…。ということで最終決戦へなだれ込む。
全体通して子供向けの話でそのせいなのか感想掲示板などではヒットのわりに圧倒的に感想数が少ない。これだったら『仮面ライダー555』の映画のほうがよっぽど大人向けな気がする。基本的なテーマはケンイチが勇気を持って成長していくという少年成長物語というベタなものだし、最終決戦もラスボスは悪役の王道を行っていて途中まで派手にアクションしてるのにケンイチ少年の勇気と行動にラスボスが心を動かされたのか途中終了。何とも中途半端に戦闘放棄してしまうということでアクションも期待できない。
この映画を見た最大の目的である田中麗奈も盲目という設定のわりにはキョロキョロしまくったりして明らかに見えてるみたいだし、触っても無いのにラスボスの似顔絵を仕上げるなどの超能力を発揮。盲目という設定の意味が分からない始末。あの田中麗奈がこんなに下手なはずないのだが下手に見えてしまった。その一方でゴリはクールなキャラを演じ通して。主役がほっぺたに渦巻き模様な上に青忍者衣装のコスプレでまるで緊迫感がないのでかなりかっこよく見えた。
子供向け映画としてはよく出来てると思うし、実際自分が小学校のときに見ていれば分かりやすいし単純におもしろいと感じただろう。だが、20歳になった今になって見るとさすがにさっぱりだった。『仮面ライダー555』のほうがシリアスで複雑でおもしろいっすよ。
印象度★★☆☆☆