スカイハイ 劇場版

紹介

2003年1月〜3月にテレビ朝日系で放送された連続ドラマの映画化。漫画が原作。

殺された者や不慮の事故で死んだものがやってくる場所、「怨みの門」。そこを訪れた死者は門番であるイズコ(釈由美子)に3つの選択を迫られる。1つは現世の人間を1人呪い殺す。この場合魂は地獄に落ち終わらない苦痛が続く。2つ目は霊となって現世をさまよう。3つ目は天国に行き再生の準備をする。死者はイズコの導きによって「怨みの記憶」を引き出され葛藤し選択を決定する。

連ドラ時代は基本1話完結。最終話は3部作になっていた。最終回ではイズコが釈由美子から山田麻衣子へと交代。釈由美子イズコは再生の準備をするというところで終わった。関東で金曜夜23時15分〜という枠のため地域によっては放送が遅れたり、なかったりするので知ってる人は知ってるが知らない人は知らないドラマ枠である。この時間帯にしては視聴率もよく、映画化の後の04年1月〜3月には続編の『スカイハイ2』が放送された。

ストーリー

心臓を抜き取られて殺されるという連続猟奇殺人事件が発生。この事件の担当になった神崎(谷原章介)は結婚式を控えていた。しかし、結婚式当日に結婚相手の美奈(釈由美子)が4人目の犠牲者になってしまう。復讐を誓い、捜査を外されながらも独自に捜査を行う神崎。

一方美奈は「怨みの門」にいた。門番イズコ(椎名英姫)によって「怨みの記憶」を引き出され自分を殺した人物の正体を知る。

徐々に恐るべき犯人の目的明らかになっていく。

ポイント

  • 一応「スカイハイ」からの続編的な扱いにはなっているがドラマを知らなくても3つの選択のところとかイズコがちゃんと説明してくれるので見てなくても大丈夫。
  • 続編と取るならドラマの最後で再生の道を選んだ釈由美子イズコが現世で再生した後の話として見れる。また交代してイズコになった山田麻衣子も殺された役で出てくるので話はつながっているが相当未来…。また「スカイハイ2」にはつながってるように見せかけてつながらない
  • そういうわけで釈由美子は最初はイズコではない。再びイズコになるまでの過程を描いた映画でもある。それで「スカイハイ2」につながってるのかと思いきやつながらない。「2」のイズコは釈由美子ではあるが、門番になった経緯が違う。パラレルワールドだ。つなげたほうが良かったのに。
  • 「あずみ」と同じ監督だがチャンバラシーンが多い。イズコも何故か剣を所持しており派手な立ち回りを演じる
  • ホラーサスペンス?→ドラマ版と同じ?→オカルトホラー全開→ラブストーリーと話が展開していく。中盤では元イズコ経験者(記憶は原則的になし)が続々登場。さらに霊が普通に見えてる霊能力者もバンバン登場。ドラマ版では見られないとんでもない展開へなだれ込む。
  • どっかで見たことあるような気がするけど知らない女優が多数出てくる。例:大沢たかおの付き人の人。小池栄子?違った。
    終盤登場の何でもお見通し霊能者。鶴田真由+工藤静香÷2?違った。みたいな。
  • 岡本綾のサービスショット(?)あり。「あずみ」でもけっこういい感じの役だった彼女。監督に気に入られたか?

  • 心臓を抜かれても即死せずしばらく歩いたり、喋ったりできる殺される人たち。
  • 抜かれてもずっと鼓動を続ける心臓。

DVD特典(通常盤)

  • 予告編。
    「イズコ死す」って強調してるが映画を見た後だとその意味を微妙に勘違いしていたことに気づくだろう。確かにイズコは死んだが…。
  • コメンタリー。
    監督や釈、谷原らが本編に合わせて語る。終始ふざけ調子関係ない話を延々したり、チャカすように突っ込みを入れたりしているのであまりおもしろいものではない。裏話などを期待しているとあまり出てこないのでかなりガッカリする。男だけで盛り上がってて釈ちゃんも全然喋らないし。

最初はドラマ版と同じ展開かと思いきや黒幕の大沢たかおが出てきた辺りから大きく話が展開してとんでもないオカルトホラー方向へ向かう。さすが映画版。さらに現世にいながら「怨みの門」知ってる人や霊魂が見える人物らが続々登場。普通人の谷原章介も結婚相手を殺された怒りでちょっと正常じゃないので戸田菜穂くらいしかまともな普通人がいない。

それはそれでかなりおもしろいものにはなっている。釈由美子のクライマックスのチャンバラシーンなどけっこう迫力があってかっこいい。他にもチャンバラシーンがありどいつもこいつも斬る前にポーズつけまくりなのはこの際目をつぶろう。「スカイハイ」という世界観をここまで大胆にアレンジして映画にしたのはなかなかすごかった。

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印象度★★★★☆

一応ネタバレなので隠すか?以下

最終的には妖怪召還まで行ったのにラブストーリーへと向かう。元々工藤(大沢たかお)の目的が何を犠牲にしてでも妻の病気を治す(終盤で死んでしまったので生き返らせる)というものであり、完全なる悪人であるとは言い切れないところがある。自分がそうだったら?そう考えると神崎(谷原章介)は工藤への引き金を引けない。そういった部分も興味深い。

また上でも書いたが「イズコ死す」とは釈由美子ではなく前任のイズコが死ぬという意味であった…。ウェディング姿の釈が倒れるところにかぶせているので釈イズコが死ぬ?と見る前に混乱していたがウェディング姿の釈は美奈でありイズコではない。前任にイズコをたくされ美奈がイズコとしての覚醒をしていくのも見所であり、神崎との別れのシーンではもう美奈ではなくイズコになっている。

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