miss you
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | I MISS YOU | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
2 | Fifty's map〜おとなの地図 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | 10/3先行配信 |
3 | 青いリンゴ | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
4 | Are you sleeping well without me? | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
5 | LOST | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
6 | アート=神の見えざる手 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
7 | 雨の日のパレード | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
8 | Party is over | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
9 | We have no time | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
10 | ケモノミチ | 桜井和寿 | 桜井和寿 | 9/16先行配信 |
11 | 黄昏と積み木 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
12 | deja-vu | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
13 | おはよう | 桜井和寿 | 桜井和寿 |
Strings Arranged by Simon Hale(10)
Brass Arranged by 山本拓夫(12)
リリースデータ
2023年10月4日(CD) 2023年11月8日(DL/ST) |
初登場1位 | 売上21.0万枚 | Produced by Mr.Children | TOY'S FACTORY |
メンバー
桜井和寿 |
田原健一 |
中川敬輔 |
鈴木英哉 |
Mr.Childen21stアルバム。ライブ盤『1/42』、C/W集『B-SIDE』が通算カウントに含まれているためオリジナルアルバムとしては19作目。前作より2年10ヵ月ぶり。2021年は新作リリースは無く、30周年を迎えた2022年はベスト盤2作を発表、新曲2曲も収録されていたので1年5ヵ月ぶりの新曲となる。全曲新曲で9月16日に「ケモノミチ」を先行配信、発売前日(フラゲ日)の10月3日に「Fifty's map〜おとなの地図」を先行配信(MVも公開)されたが、2曲ともアルバムジャケット流用で配信シングルとしては扱われていない(公式ディスコグラフィーに掲載無し)。前作は配信開始時期を明言せずに遅らせていたが、今回は「Fifty's map〜おとなの地図」配信時(10月3日)に先行配信2曲を除くアルバムとしては11月8日より配信を開始すると予告された。配信では一貫して圧縮音源のみとなっており、AppleやAmazonなどCD相当以上で配信しているところでも圧縮音源でしか聞けないようにCDとの差別化を徹底している。
完全生産限定盤はLIMITED
BOX仕様で特製ペーパートレイ仕様
通常盤は三方背スリーブケース仕様でデジパック仕様。
通常盤3300円に対して初回盤は400円差の3700円となっているがパッケージの仕様以外に違いは無い。特殊ケースとプラケースで初回盤と通常盤はよくあるが両方とも特殊パッケージでパッケージ以外に差が無い限定盤と通常盤ってかなり異色のような…。
前作に続いてSimon Haleが「ケモノミチ」のストリングスアレンジと「Are you sleeping well without me?」のピアノ演奏で部分的に参加、「LOST」ではWill Fryがパーカッション類でクレジットされており、これら3曲は前作に続くSteve Fitzmauriceによるもので現地ロンドン(Rak studio)のスタジオ表記もある。「deja-vu」「おはよう」のピアノは小谷美紗子が担当しているが、今作にはSimon&小谷クレジットがある曲以外にもピアノの音色が随所で聞こえるが演奏者はクレジットされておらず、桜井本人か打ち込みと思われる。ストリングスも「ケモノミチ」のみにクレジットがあり、「Fifty's map〜おとなの地図」で明らかに聞こえるストリングスはシンセによる打ち込みと思われる。「deja-vu」は山本拓夫がブラスアレンジとしてクレジットされており、山本拓夫はサックスとフルート、西村浩二がトランペットとフリューゲルホルンを演奏しているが、「青いリンゴ」「We have no time」にも山本拓夫はサックス演奏で参加している(単独参加)。
桜井のプライベートスタジオにメンバーが集まって制作されたと特設サイトで説明されているがレコーディングスタジオの表記も筆頭がPrivate Studioと記載されていて(スタジオ名が無いのかそのまんまである)レコーディングエンジニアには本職エンジニアと共に桜井も併記されている。外部演奏の録音もあるためビクタースタジオとロンドン(Rak
studio)の記載もあるが、ミックスはPrivate Studioのみで行われこちらは本職エンジニア(Shoichiro
Ishii)のみ、マスタリングは前作に続いてRandy
Merillが担当。
先行配信の「ケモノミチ」が弾き語りとストリングスだけで驚き、フラゲ日配信の「Fifty's map〜おとなの地図」で少し安心したが、アルバムを聞いてみればかなり困惑する内容だった。プライベートスタジオに集まって…ってそういうことだったのかと。今作はほぼ桜井ソロの音作りになっており、一部楽曲では前作のSteve Fitzmauriceが参加していて現地のスタジオも併記されているんだけど、恐らく4人揃って現地に飛んだわけではなく、「生きろ」同様に追加録音のみ委託した形でベーシックは全部プライベートスタジオなのではないかと。全体にはとにかくアコースティックギターとピアノが多用されており、弾き語り+αな質感。桜井しかいない曲も散見されるが、中間部分ごっそり「Are you sleeping well without me?」〜「ケモノミチ」には4人全員が揃った曲が無い(=バンドサウンドっぽいのは冒頭3曲と最後3曲)。ベースはイマイチ分からないが、明らかにギターがいない、リズムが打ち込みの機械音(「LOST」はパーカッションのみ)という状態が続く。まさかコバチル末期よりギターが聞こえなくなるとは思わなかった。桜井弾き語りっぽいアコースティックギターはやたら聞こえるが、エレキギターなんかマジでほとんど行方不明じゃないか…。前作では使い倒していたストリングスも1曲ポッキリでかなり意識的に使用しないようにしたっぽい。
ソロアルバムっぽいけどこれは"っぽい"のではなく、物理的にそんな感じで実際ソロアルバム状態。ソーシャルディスタンスを基本とされた前作以降の時間がこうさせたのか、全体に暗い歌詞も多い。この暗い感情をメンバーが共有して演奏にぶつけてヘビーな音像のロックアルバムに仕上げる…という時代でもなくロックバンドがバンドサウンドではなくなっていく流行りもあるのか、前述の人と会うなという時代背景がそうさせたのか、ほぼ桜井ソロで完成していた楽曲になるべく手を入れずに必要最小限どころか必要なところまでバンド演奏を削りに削って仕上げたようなアルバムだ。かなり意図的にやっており、バンドの総意でこうしたもので相違ではないとは思うが、今作ほぼ何も語られていないので真意は不明だ。さすがに味気なさすぎて何とも言い難い。普段はアルバムに1,2曲はあるような最後の最後まで印象に残って来ない地味ポジの曲や『REFLECTION』におけるNakedのみでDripには収録しなかった曲群みたいなのだけみたいな。C/W集『B-SIDE』よりもトータルでは地味で、感覚的には未発表デモ曲集みたいな…。地味ポジの曲でも役割はあり、時に輝きを見せたり良さに気づく事もあるが、さすがにこんなに大挙して集結してきて連続で聞かされるのはキツイ。逆にこんなアルバムをこの時代に出せるのもミスチルゆえか。
個人的には冒頭3曲までは今回ちょっと地味だけどまずまずかなと思っていたところ、4曲目以降メンバー不参加のデモ音源状態が続くが、『Q』のようにヘンテコに振り切った曲も無く、割と普通にいいメロディーの曲は続くのにアレンジ削られすぎているのがどうにもこうにも…。やはり今までの派手なアレンジ、スタジアム級のスケールを維持し続けた反動なのか(実際に今回はホールツアーに変えている)。「ケモノミチ」もメロディーはいいんだけど抑えめでも1〜3曲目くらいの演奏が入ってればなぁ…。バンドが戻る終盤3曲は比較的暗めの作風を最後に中和する優しい感じの曲が続くものの穏やか過ぎて気がついたら終わっている。結局「アート=神の見えざる手」のインパクトだけ余計に際立ってしまう。さすがにこの作風のまま静かに枯れていって笹船のように50周年を目指す気はないと信じたいが、デモ・ソロ状態となってしまったこの状態に3度(1回登場した後に2回連続)繰り返されるこのパンチラインを捧げたい。
何とかしなきゃいけませんね 早急な対応が待たれます な(音飛び風の細工)何とかしなきゃいけませんね 早急な対応が待たれます
2023年のアルバムとしてはそんなに悪い印象ではないので(その時は好印象でも年末にはあんまり覚えてなくて勝手に年間ランキングでは下位なんて事もあるので)、勝手に年間ランキングではしれっとトップ10くらいには入れているかもしれないが、Mr.Childrenのアルバムとしては1番印象が下になってしまったのでMr.Childrenでは初めて使用する★3という事で…。
印象度★★★☆☆
2023.11.12更新