SOUNDTRACKS(初回盤B)

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 DANCING SHOES 桜井和寿 桜井和寿  
2 Brand new planet 桜井和寿 桜井和寿  
3 turn over? 桜井和寿 桜井和寿 8th配信シングル 初CD化
4 君と重ねたモノローグ 桜井和寿 桜井和寿 38thシングル両A面曲
5 losstime 桜井和寿 桜井和寿  
6 Documentary film 桜井和寿 桜井和寿  
7 Birthday 桜井和寿 桜井和寿 38thシングル 最高1位 売上万枚
8 others 桜井和寿 桜井和寿  
9 The song of praise 桜井和寿 桜井和寿  
10 memories 桜井和寿 桜井和寿  

All Tracks Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui for EDGEof/SoKen-BishaSKB
Strings Arranged by Simon Hale(1,2,4,6,7,8,10)
Horns Arranged by Simon Hale(1,5,8)
Harp&Percussion Arranged by Simon Hale(10)

初回盤DVD(A)、Blu-ray(B)
"MINE"
LIVE & Documentary of SOUNDTRACKS
No タイトル 備考
1 OPENING オープニング映像
2 DANCING SHOES LIVE 実質ミュージックビデオ
3 Documentary of SOUNDTRACKS T 制作ドキュメント&インタビュー
4 Brand new planet LIVE 実質ミュージックビデオ
5 Documentary of SOUNDTRACKS U 制作ドキュメント&インタビュー
6 Documentary film LIVE 実質ミュージックビデオ
7 Documentary of SOUNDTRACKS V 制作ドキュメント&インタビュー
8 others LIVE 実質ミュージックビデオ
9 END ROLL エンドロール映像
Extra Documentary film(MUSIC VIDEO) ミュージックビデオ メンバー出演無し(南琴奈、南出凌嘉が主演)

リリースデータ

2020年12月2日 初登場1位 売上38.6万枚 All Tracks Produced by Mr.Children,
Steve Fitzmaurice for 365 Artists &
Ken Masui for EDGEof/SoKen-BishaSKB
TOY'S FACTORY

メンバー

Vocal&Guitar 桜井和寿
Guitar 田原健一
Bass 中川敬輔
Drums 鈴木英哉

Mr.Childen20thアルバム。ライブ盤、C/W集が通算カウントに含まれているためオリジナルアルバムとしては18作目。前作より2年2ヵ月ぶり。2019年は新作リリースが無かったが、2020年になって発売された2年半ぶりのCDシングル「Birthday/君と重ねたモノローグ」、配信シングル「turn over?」を収録。今作では全面的にロンドンRAK StudiosとロサンゼルスSunset Soundにてレコーディングが行われ、Steve Fitzmaurice、Ken Masuiとの共同プロデュース、管弦編曲は全てSimon Hale、録音ミックスもSteve Fitzmaurice、マスタリングはRandy Merillが担当し、全て初関与となる現地スタッフで制作されている。またこれまで演奏クレジットはサポートメンバーの一括クレジット表記のみだったが、今作では初めて1曲ごとのクレジットでメンバーも含めた全演奏者とエンジニアが表記されている。これにより最終曲「memories」にはメンバー3人不参加、桜井のみの参加である事も初めて明記された(これまでもバンドが一切入ってない曲自体はあった)。

初回盤はライブ&ドキュメント「"MINE" LIVE & Documentary of SOUNDTRACKS」と「Documentary film」のMVを収録したDVD or Blu-ray付属。初回盤AがDVD付、初回盤BがBlu-ray付となる(同じトイズファクトリーのBUMP OF CHICKENと同じ)。また初のアナログ盤でも初回限定生産発売され、カッティングはMiles Showellが担当。通常盤含めて特殊パッケージで全体に擦り切れたり折れ跡等でボロボロになったような装飾が施されており、実際にボロボロなわけではない(後年パッケージが経年劣化してくるとリアルな劣化と装飾の区別がつかなくなるかも)。

海外レコーディング&プロデューサーとして横文字の名前を並べられても正直なんとなく凄そうだけどどう凄いのかは分からん、そもそもこの人たちの名前聞いたこと無いし…というのが実際なところだと思うんだけど、今作は確かにサウンド面で今までにない新鮮な勢いに満ちている。セルフ以降で力強さを増したバンドサウンドは今作ではかなりこじんまりとしていて、特にギターなんかほとんどギャギャーンと強く鳴り響く事は無いんだけど、コバチル末期の頃のリアルに音量を絞られて片隅で窓際化していたギターとは違っていて、バンドの演奏は比較的確かな存在感を持って鳴っている。そしてストリングスとピアノの存在感の違いが今作では顕著だ。10曲中7曲、実に70%ストリングスというコバチル末期も真っ青なほどの多用っぷりだが、4人の演奏としっかり共存している。コバチルのようなひたすら豪勢に覆い尽くすような使われ方は全くされていなくて主張せずに優しく美しく鳴っている。ギャンギャン演奏してないのに確かなバンド演奏、使いまくっているのに飽和していないストリングス、コバチル始め00年代半ば以降10年以上続いたJ-POPストリングス使いすぎ問題の中では不思議ささえ感じるようなサウンド、これこそが海外録音最大の成果にして今作の最大の聞きどころだと思う。

ストリングスの使い方には恐らくボーカル桜井もかなり思うところがあったと思われ、使うのはかなり好きそうなんだけどコバチル末期からかなり試行錯誤している感はあった。ライブサポートに入れて以降、ピアノストリングスを盛りすぎて最早バンドメンバーを殺し始めていた小林武史を離脱した直後、「足音〜Be Strong」「Starting Over」「未完」では小林武史と組んでストリングスアレンジを行っていた四家卯大を引き続き起用し、桜井が四家卯大と共同アレンジする形でストリングスを導入、その一方で「忘れ得ぬ人」はアレンジごと森俊之に任せたりしていた。そしてシングル「himawari」では『BOLERO』以来となる弦一徹を起用。レコーディング時にいつもと違うストリングスの入れ方をするために念入りに弦一徹に注文を入れている桜井の様子が特典DVDに収められていた。その後の『重力と呼吸』では世武裕子を起用。そして今作ではSimon Hole小林武史離脱後セルフになったという事ばかり言及されるが、離脱後からストリングスのアレンジャーをほぼ毎回変えていてこれまでとは違う入れ方をしようと試行錯誤していた形跡が伺える。特にプロリスナーの方々がストリングスアレンジャーの変遷にほとんど言及しないのはCD買わずにサブスクで聞くようになっているからそもそも知らないのではないか今作のインタビューでもゴージャスになる今までの感じとは違うというような発言をしていてSimon Holeのアレンジを絶賛している事からも、バンド感を損なわなず楽曲を彩るストリングスアレンジというのを探し求めていて今作で1つ目指していたところにたどり着いたような感じはある。それで嬉々としてSimonのピアノとストリングス入れまくって70%ストリングスになってしまったのかもしれない…さすがに使い過ぎたんじゃないかというのは正直ある

そんな新鮮サウンドが炸裂する今作だが…肝心の楽曲(特にメロディー)のインパクトがどうも弱く、好感触ではあってもなかなか残ってこない。「Brand new planet」「Documentary film」の2曲は今作の中でもリード級の存在感を放った曲で、とてもいいんだけどこれもそこまで強く刺さってこない。こればかりはいかんともしがたく、アルバム内でリード級の曲としては正直過去最弱に近い印象にはなってしまう。1曲1曲になるとちょっと弱いかなぁ…と。サウンド面での洋楽テイスト、J-POPとしてのポップ感の薄さもあるため、ポップス職人たる小林武史が戻れば…という声も一部根強いが正直今作を小林武史でアレンジしても、メロディーが変わるわけではない(初期はともかく末期の小林武史がメロディーの書き直しまで要求していたことは無いだろう)。よって小林武史が戻って多少ポップなアレンジをしたところでサウンド面でのマンネリの方が大きくなり割と最悪な事態になっていたと思われ、今作にポップ色の薄さによる馴染みにくさを感じたとしてもそれは小林武史がいればどうにかなったものではないと思う。正直いつも以上に聞いたりちょっと寝かしてもう1回聞いてみたりと何とか良さを見出そうと頑張ってみたものの印象の向上はあまり無く、2020年のアルバムとしては★4と★4の間くらいの印象ではあるけどミスチルのアルバムとしては下記な感じで落ち着いた。

初回盤Blu-ray "MINE" LIVE & Documentary of SOUNDTRACKS
メンバーインタビューとレコーディング時のメイキング映像を軸にしたドキュメント映像で合間に4曲の演奏シーンが収録されていてLIVEとなっているものの、スタジオライブよりもさらにミュージックビデオ寄りの映像。廃墟屋内風のセットは全て同じで4曲それぞれ照明効果や装飾を変更しての4人の演奏シーンのみで構成したMVといった感じ。音源もこれライブじゃなくてCD音源だと思うけどどうなんだろうか(そもそも4人以外の音も思いっきり入ったままだし)。普通にスタジオライブ形式で撮るとかならまだしもこれをLIVEと銘打つのは少し違和感があった。これは個人的にはLIVEではなくMVと呼ぶ範疇かなぁ…。

ドキュメントとインタビューでは海外現地プロデューサー陣の雰囲気の良さ、メンバーのロンドンレコーディングやアルバムの手応えが存分に語られていて興味深い内容。特に以前のドキュメントでは寡黙&無口といった感じだった中川さんが満面の笑みで語っていたり、小林武史時代末期の窓際化から一気に存在感を増していた田原さんがこの海外レコーディングを提案なさり、さらに饒舌にアルバムについて熱弁されているのは注目点だ。『Sprit the Difference』から10年、あの作品での田原&中川の衝撃的なまでの影の薄さを思うと、『REFLECTION』以降今の4人は改めて充実しているなと思う。

別再生、extra扱いの「Documentary film(MUSIC VIDEO)」はドキュメントの方に入っている「Documentary film」とは異なり、メンバーが出演しない14,15歳の男女2人(南琴奈、南出凌嘉)が主演した物語風の内容。完全記憶能力を持つ少女と1日で記憶がリセットされる少年(掟上今日子みたいな)との交流が描かれているが少年が最後の方まで顔だけ宇宙服みたいなヘルメットをしているのだけシュールで謎だった(コロナ対策が行き過ぎちゃって一部の人間が常時ヘルメット状態になったイヤ〜嫌な近未来設定ではないだろうけど冗談に思えないご時世である)。なおコロナ的な時代背景としてはレコーディングは新コロ以前だったのでドキュメント映像では誰もマスクしてないし、頻繁に海外文化的にハグしたり握手したりしているが、LIVE部分の撮影ドキュメントが出てくる部分はその後撮影されたものなのが丸変わりなほどに一転してスタッフ全員マスク姿&メンバーも撮影開始まではマスク…という異様な光景になっていて新コロ以後で変容してしまった世界線を感じる。20年3月まで現地で作っていたというが少しでも月末に差し掛かっていたら帰国さえも至難だったわけで本当にギリギリで制作できたアルバムだったんだな…。

B08K93GN29初回盤DVD付A  B08K92TKNP初回盤Blu-ray付B  B08K933NB3通常盤  B08K964V9Xアナログ盤 

印象度★★★☆☆

2021.2.6更新

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