ETERNALBEAT(初回盤)

リリースデータ

メンバー

ねごと4thアルバム。1年11ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。前作以降のシングル「DESTINY」、EPとしてリリースされた4曲入りEP『アシンメトリ e.p.』(チャートではシングル扱い)から2曲を収録。『アシンメトリ e.p.』でサウンドプロデューサーに招いていたBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之、REVOの益子樹がアルバム曲においても1曲ずつ参加しているが、それ以外はセルフプロデュース体制となっている。『アシンメトリ e.p.』以降は新たにシンセベースを導入しており、藤咲佑は一部楽曲ではクレジットがSynthesizerになっているほか、澤村小夜子が全くドラムを演奏せずに打ち込みで構成された楽曲も収録された。初回盤は沙田瑞紀によるリミックスを収録したリミックスCD、シングルのMVとメイキングを収録したDVDが付属し、デジパック仕様となっている。

元々ねごとは打ち込みを多用するバンドだったが今作はねごと流のダンスミュージックを掲げ打ち込み要素が増した。『アシンメトリ e.p.』においてこれまでバンドとしては禁じ手としていたシンセベースを導入し、バンドの枠を越え、音楽性の拡大に繋がったという事のようだが…。実際に完全にベースドラムが打ち込み(藤咲佑がシンセ、澤村小夜子がドラムを全く叩いていない)のは「ETERNALBEAT」と「mellow」の2曲だけ。藤咲佑がベースとシンセを兼任しているのが「アシンメトリ」(ただしこの曲のMVではベースを持たずにシンセベース(見た目はキーボード担当)を弾いている)でそれ以外は普通にベース、ドラムが演奏されている。シンセベース導入は初だった事もあり、藤咲佑が発売前にその思いやレコーディングでの様子をブログで語っていた時は半分前後はシンセベースになったのかと思っていたら意外とそうでもなかったようだ。

やはり聞こえ方としてはエレクトロ要素が増している。ただ思った以上にクールな印象でもっとダンスビートの効いたノレる感じの曲が増えたのかと思ったんだけどそんなにノレる曲も多くないし、ガツンと盛り上がるような曲もあまり無い。良く分からずともこれはこれでカッコいいと思えれば良かったんだけど正直これはクールというか地味だなと…。「アシンメトリ」は新たなねごとのスタンダードになるくらいの勢いを感じていたので期待していたんだけど「アシンメトリ」が圧倒の1強、トータルではどうにもあまり良さが見えてこなかった。リズム隊の2人の出番がもっと減っていたかもしれないが、アルバム全体を中野雅之プロデュースでもっと大胆に突き抜けてしまった方がいっそ良かったのでは…。

DISC 2のリミックス集は過去3枚のシングルC/Wに収録していたリミックスと新作リミックス2曲で構成。ギターの沙田瑞紀は元々ギタリストというよりトラックメイカー的な立ち位置の人でロックとかバンドよりこういうDJリミックス的な音楽を好んでいるのは明白だった。今作の方向性にもつながってくるところはあるけど、正直あまり良さが分からない。

DVDはMVとメイキング収録。CD特典としてMVを収録するのは今作が初。これまでは単独DVD『Zzz』、ライブDVDの初回特典として『Zzz2』とMV集を別途リリースしそこで一挙商品化していたのでここで収録になったのは意外。「DESTINY」は結末と運命の連鎖を描いたストーリー仕立てになっていてこれまでのMVの中でも最も面白い内容。「アシンメトリ」は発表当時スマートフォンを2枚同時に並べて再生すると映像がアシンメトリになるという形で発表したためか映像のサイズが特殊でスマホを2つ置いた状態になっているので画面が極度に狭くなってしまっているのが残念。ここでは蒼山幸子がボーカル専任、藤咲佑がキーボード(シンセベース)という新しい構成を見ることができる。見せ方も音楽もカッコいいだけに今作でこれ以上が感じられなかったのは残念だった。

初回盤リミックスCD&DVD付　　　通常盤　

印象度★★★☆☆

2017.2.24更新

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