がらくた/米津玄師
2024年8月20日
アルバム『LOST CORNER』発売前日(CDフラゲ日)の先行配信。X(Twitter)で告知したものの公式サイトは先行配信を一切告知せず、23日のMV公開だけを告知した。映画『ラストマイル』主題歌。映画公開日が23日だったので、MV公開はそっちに合わせたが、わざわざアルバム発売日前日に先行で音源を出した意味は良く分からない…。配信では「がらくた – JUNK」というタイトルになっているが、これ以外にも「毎日 – Every Day」「ゆめうつつ – Daydream」「さよーならまたいつか!- Sayonara」「とまれみよ – Stop Look Both Ways」「月を見ていた – Moongazing」「地球儀 – Spinning Globe」に英語タイトルがハイフン繋ぎで表記されている。日本語タイトル曲に英語タイトルをつけているっぽいが全てではなく「死神」「M八七」「おはよう」はそのままである。
アルバム発売が無ければシングルになってそうな聞かせるナンバー。先行配信としては「RED OUT」よりはリード曲として機能するであろう万人ウケしそうな1曲だ。
★★★☆☆
skirt/aiko
2024年8月21日
アルバム『残心残暑』からの先行配信。一部を除いてアルバム枠開放形式となっている。アルバムの2曲目で編曲は島田昌典。
比較的軽快なノリのポップロック系。島田昌典は明らかにトオミヨウの影響受けまくっているんじゃないかとは前のアルバムでも感じたけどますます感化されてきている感じがある。以前はもっとどっしりしていた気がするし、そのベテラン感から若手に切り替えて一時離れる事にもなったし、呼び戻された際にはまだ貫禄担当みたいな締めを担うようなアレンジをしていた印象だったけど、トオミヨウとの二軸になった前のアルバムからは全体に少し軽やかなアレンジになっているような…。
★★★☆☆
SEASONS/稲垣吾郎
2024年8月22日
2018年12月の『SUZUNARI』以来、5年8ヶ月ぶり2曲目のソロ配信曲。新しい地図3人での新曲も2022年3月より途絶えており、久々の新曲となったが、楽曲自体は正月の「NAKAMA to OSHOGATSU〜2024年もよろしく」で披露されていたという。
作詞作曲編曲はTENDRE。かねてからファンで書き下ろしを依頼したとされる。メロウで心地いい爽やかな雰囲気の楽曲。SMAP時代のソロの中でも稲垣吾郎のボーカルやイメージにも合った聞きやすく心地いい1曲。
★★★☆☆
眩しい未来/SingTuyo
2024年8月22日
香取慎吾と草彅剛のユニットの2曲目。2018年4月の『KISS is my life.』以来、6年3ヵ月ぶり。前述のように新しい地図3人での新曲が2022年3月より途絶えており、草彅剛にとっては稲垣吾郎同様に2022年3月以来の新曲となるが、香取慎吾はソロ活動していたので昨年1月にSEVENTEENとコラボした「BETTING」以来の新曲となる。
作詞は上野樹里、作編曲は和田唱、ブラスアレンジは村田陽一。なんとまさかの上野樹里と和田唱(TRICERATOPS)の夫婦提供。上野樹里は本格的に継続的な歌手活動には至っていないが自作曲をリリースした事もあり、作詞が初というわけではない。しかし夫婦で曲提供というのは初なのでは。一方で和田唱は作詞作曲でSMAP時代にシングル表題曲「ココカラ」(編曲はCHOKKAKU)、SMAP最後のオリジナルアルバム『Mr.S』では草彅剛ソロ曲「藍色のGANG」(編曲まで完パケ提供)を提供した過去があり、近年は草彅剛のギターの師匠でもある事から提供が実現したとされる。香取は香取でソロでやってるし、ここで草彅剛ソロ(チョナン・カン以来22年ぶり)デビューというのもありだったとは思うけど、この曲を1人で歌うのはちょっと寂しいか。ただ香取も加えるならいっそ新しい地図の新曲に…とも思うけどこのタイミングでは稲垣はソロがあるし…という事でSingTuyo?
ブラスも交えて明るくポップな印象もあるがロックテイストでもあり、2人の歌い方もロックっぽい。このロックっぽさはこの2人というよりまさにSMAP木村拓哉のイメージ。先日のアルバムにはこのテイストの曲が無くなってしまっていたが、木村がキムタク節でこの曲を歌い上げていても全く違和感がないくらいのキムタクナンバー。それをこの2人が歌うのも面白いものだな…。
★★★☆☆
ヒトシズク/Aqua Timez
2024年8月24日
20周年となる2025年までの期間限定再結成を発表して最初の新曲。ボーカル太志の事実上ソロプロジェクトLittle Paradeが2022年12月の『感情特急』を最後に稼働停止状態となって本人の発信も途絶えて1年半以上経過していたがスタッフから20周年に向けて再結成しないかと持ち掛けられたと明かしており、1年半前と語っているので『感情特急』発売頃から水面下で準備を進めていたものと思われる。スタッフが持ち掛けただけあって、当時のままソニーに復帰している。ドラムTASSHIは音楽業界を引退して就職し、会社員としてメディアのインタビューを受けるようになっていたが再結成に伴い復帰して有給で参加するとしている。Little ParadeにはTASSHI以外のメンバーがゲスト参加していたため、6年ぶり再結成ながら本当に太志と6年ぶり接点なのはTASSHIのみとなる。
作詞作曲:太志、編曲:Aqua Timez/akkin。Aqua Timezというより太志らしい暖かみのある歌詞とメロディーは健在。しかしサウンドが…?あれAqua Timezってこんなflumpoolばりのストリングスポップな抑えたバンドサウンドだったっけ?ソロ(Little Parade)に比べると同じ太志の曲でもAqua Timez感は確かにあるんだけどしかしもう少しロックバンドだったような…。バンドサウンドが1歩~半歩くらいなんか後退して落ち着いてしまったように聞こえ、解散していた期間が決して短い時間では無かった事も感じられる。かろうじて40代前半の太志以外の4人はもう半世紀が見えてきている年齢だしやはり少し落ち着いてくるのか。
★★★☆☆
IKIGAI/爆風スランプ
2024年8月25日
デビュー40周年記念日の配信。1999年に活動休止して以来、2005年に限定で再結成ライブとリメイク「45歳の地図〜リストラバージョン〜」を発表したり、何度か一瞬の限定的復活はしていたものの、今回は40周年ツアーを伴うこれまでの限定復活よりも規模の大きな本格再始動となり、新曲は26年ぶり(休止前の1998年のシングル、アルバム以来)とされる。ジャケットイラストは40年前の1stシングル『週刊東京『少女A』』&1stアルバム『よい』同様にサザンオールスターズ関口和之が描き下ろした。
定番曲「Runner」以外ではリアルタイムでは猿岩石のヒッチハイクの応援曲として大ヒットした「旅人よ〜The Longest Journey」はJ-POP聞き始め最初期に聞いていた曲の1つで思い出深いがこの時点で既に人気を大きく落としていてタイアップ効果での起死回生最後の一撃ヒットだったようで確かにその後の数枚はチャートで見かけた記憶がない。同時期にパッパラー河合がポケットビスケッツで大ヒットを連発して作家として注目されかけるもポケビ以外でヒットは無く、結局「Runner」の人としてサンプラザ中野をたまに見かけるくらいになっていた。確か20数年前に『SINGLES』だけはさらっと聞いた記憶はあるんだけど、記録(感想)に残していないので1度聞いただけで返却してしまったのだろう。
そんなわけでどんな曲をやる人たちなのかほとんど把握していなかったんだけど、今作には驚いた。い!き!が!い!というメンバーの連呼に合わせてサンプラザ中野氏はまさかの全編語り調のラップ?ラップというよりはやはり独特の語り調といった方が近い気がする。デビュー40周年26年ぶり新曲という復活作で実質歌わず語り風って意表突き過ぎ。面白過ぎる。一方で演奏はちゃんと昔ながらのシンプルなバンドサウンド。メンバーどこだよ状態の打ち込みやメンバー外部の音が入りまくったりしない辺りにはちゃんと4人組ロックバンドである爆風スランプとして復活した事も感じさせられる。
★★★☆☆
in the pocket/Mr.Children
2024年8月30日
4ヶ月ぶり新曲。アニメ映画『きみの色』主題歌。前作同様に映画公開日に配信開始。相変わらず圧縮配信一択となっていて、ロスレス配信系のサイト(DL/ST)でも圧縮となっている。Amazon Musicでの”SD”表記なんて聞いているミュージシャンの中ではミスチルでしか見ないんですけどォォォ…
相変わらず公式サイトは何も発表していないが、YouTubeのスペシャルムービーでは”編曲:Mr.Children&牛尾憲輔”という表記があり、映画の音楽・音楽監督の牛尾憲輔(agraph)が共同アレンジャーとして参加している事が明かされている。「ヒカリノアトリエ」の時にアコーディオンのメンバーとして参加した小春は当時20代、『重力と呼吸』で一部オーケストレーションアレンジに参加した世武裕子は当時30代で自分たちより若手を制作に招いた事が無いわけではないが、若手の共同アレンジャーというのは割と珍しい。小林武史は年上だし、近年よく組んでいたSimonも年上だったし、しかも滅多にしなくなっていた編曲クレジットに名前が載るのは異色だ。
終始ドラムが鳴り続けるポップナンバー。ドラムに次いでキーボードサウンドが彩り基本はドラムとキーボードはずっといるが、ベースは出たり入ったり、ギターに至ってはイントロで微かに聞こえた後はサビまで一切出番がなく、サビ頭からアコースティックギターが右で鳴り始め、サビ途中からようやくエレキギターが左で鳴り始める。2番以降はさすがに長期でギターがお留守になることはないが、それでもベースとギター合わせてバンドがなかなか全員揃ってバーンと演奏しないという、引きに次ぐ引きの考えで構築されたサウンドは新鮮。ちょっとじれったくもあるが、一応4人+キーボードが揃うので『miss you』でのこれメンバーいなくね?連発とかピアノまみれとかよりはいい。何より主題歌にバラードくれくれな映画ドラマ畑と違ってアニメにそのような傾向は無く軽快なポップスというのはいい。正直こういうタイアップは後々を考えればもっと世代の合った若手に回してあげてくれとも思うけど、映画ドラマ主題歌バラード無間地獄から開放されたのは率直に嬉しい。やはり時代はアニメタイアップか…。
★★★☆☆
コメント