2024年9月の配信シングル(後編)

あの人/家入レオ

2024年9月18日
10月2日のアルバム『My name』からの先行配信。11曲中の10曲目で9月19日開始のABEMA「さよならプロポーズ via ギリシャ」テーマソングに起用された事からこれに合わせて配信した模様。作詞作曲は珍しく単独自作。落ち着いた雰囲気のミディアムバラード。リード曲といった感じではなく、正直C/Wかアルバムのバラードといった感じでシングルっぽくはない。
★★★☆☆

BRIGHTEN UP/GLAY

2024年9月18日
10月9日のアルバム『Back To The Pops』からの先行配信。配信サイトによっては単曲枠ではなく、既出のシングルと共に『Back To The Pops』の枠開放の形で配信されている模様。随分前から次のアルバムは王道のロックアルバムになるとインタビューで語っていたもののここ数年のシングルはバンドから逸脱し始めた打ち込みを多用した曲が増えてきていたので不安だったが…今作は予告に沿ったようなストレートな昔ながらのロックナンバー。前作以降の既出の曲の中ではアルバム収録予定の「海峡の街にて」と並んで安心できる1曲だ。やはりリモート制作全開な打ち込みナンバーよりもこういうのでいい。
★★★☆☆

すべて去りがたき日々/小田和正

2024年9月18日
2ヶ月ぶりの新曲。早いペースでの新曲となった。明治安田生命保険CMソング。同タイアップは2021年「風を待って」以来約3年8ヶ月ぶりとなる。1999年から使われたオフコースのセルフカバー「言葉にできない」はこのCMで若い世代中心にオフコースバージョンより小田ソロセルフカバーバージョンが有名になったところがあるし、続く2004年から10年くらい使われていたオリジナル新曲の「たしかなこと」も売上は劣るがドラマタイアップでヒットした「キラキラ」「こころ」と並ぶ21世紀以降で知名度の高い上位クラスの1曲だと思う…が、この2曲の印象が強すぎて以降の同タイアップはあまり馴染まないうちにいつの間にか次の曲になっている…。

今作もいつもの小田ミディアム。年齢的にも未だ変わらぬこの声が健在で、期待通りの小田節な曲が聞ければもうそれだけで奇跡、満足といった領域に達しているので普通にいい曲以上の印象はない。
★★★☆☆

VINCENT/sumika

2024年9月18日
WOWOW欧州サッカー2024-25シーズンイメージソング。作詞作曲:片岡健太、編曲:宮田‘レフティ’リョウ & sumika。

ウォーウォー熱狂的な雰囲気全開で始まる熱いロックナンバー。一聴してこれはアニメや映画ではない、サッカーとかラグビー関連のタイアップだろうなと思うようなまさにイメージ通りな1曲。ある意味究極的にタイアップ職人的な楽曲だ。
★★★☆☆

三線Punk/ORANGE RANGE

2024年9月21日
Instrumentalとのバンドル配信。どうやら昨年秋以降の3曲を全て見逃してスルーしていたようで、そういや1年以上新曲出てないなぁと思って公式サイト見に行って見逃し続けていたのを知った。いや3回も連続で見逃すか?配信新曲をざっとチェックしているmoraの新譜リストで上位表示されずに相当埋もれた位置に掲載されていたのだろうか?と思って検索してみたら昨年7月に取り上げた「解放カーニバル」を最後にmoraでの新曲配信を拒絶したらしく、moraだけ新曲の配信が停止していた。昨年8~10月にかけてソニー時代からの過去のライブ音源を乱発していたがこの時期にmoraでの新曲配信を拒絶したっぽく、今年になってからの2022~2023年のライブ音源は現レーベルのままmoraでも配信しているが、新曲は4曲連続mora拒絶状態となっている。ソニーからのライブ音源配信やYouTubeでのMV公開などは公式も宣伝していたので権利を持つソニーが勝手にやったわけではなかったようだが、新曲の配信だけ同時期から拒絶し始めたのは謎だ。

公式に”三線×パンク、伝統×革新、デジタル×アナログなど、この曲を象徴する多様な音楽スタイルを反映した実験的要素や、独自性と柔軟性を調和しつつ異なるジャンルを融合させる型破りなアプローチで生み出された、バンドが示す現代的で斬新なミクスチャー・サウンド。””3MCがリズミカルに掛け合うラップ&フロウに、沖縄の伝統楽器でもある三線特有の耳に残る旋律、そこにエネルギッシュで際立つパンク・ロックが放つエッセンスを巧妙に組み合わせた、ハードかつアグレッシブなナンバー”と形容されている。

まあ形容通りではあるんだけど…なんだか色々混ぜすぎてワケが分からない事になり、イマイチおいしくならなかったような。ここのところはどうしても奇怪な印象だけで過ぎ去ってしまう曲が増えたなぁ…。
★★★☆☆

ツバサ(Re-recorded)/アンダーグラフ

2024年9月22日
2004年9月22日のデビューシングルをピタリ20周年当日にセルフカバーした音源。アレンジはそのままで再録されているが、2012年にギタリストが脱退しているため当時は4人組で現在は3人組となっている。発売当初は初登場181位(2週連続181位という珍記録を達成)で有線やラジオで好調で7週連続200位以内に居残り、そこから100位以内に浮上していくも年内は100位前後のまま推移して年末最後の週に80位台から60位台に急浮上、年明けにさらに40位台→30位台→20位台→10位台と刻みながら上がっていき2005年2月についにトップ10入り、最高6位を記録して200位以内49週ランクイン、30万枚のダントツ最大ヒットを記録した。前述のように急上昇ではなく、刻みながら浮上していったのと、ランクダウン時に50位台も記録したため、一桁順位、10位台~60位台、80位台、90位台、110位台~190位台を全て刻み、獲得できなかったのは70位台と100位台だけである(200位台は200位ピタリしかなくて未獲得)。なお話題になり始めた当初はMVに2004年の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で大ブレイクした長澤まさみが出演していたのがトピックとして扱われ、長澤まさみ効果とも言われていた。

当時知ったのは年明けに浮上してきてからでとにかく耳にする機会が多かったので2005年2月になってレンタルしてきて聞いていい曲だなと思ってカラオケで歌えるくらいには覚えたヒット曲(あくまでそれくらいは聞きこんだという事で実際に歌った事は無かった気がする)だった…が、続くシングル以降はなんだかあまりピンと来なくて割と1度聞いたら聞き続ける事に定評のある当サイトでも1発屋となってしまった。その後ベスト盤は取り上げているが、正直あまり覚えていない。

という事で思い出のヒット曲ではあるのでやはり今聞いてもいい曲。アレンジそのままのはいいのか悪いのか…。アレンジそのままでも経年変化での声と歌い方がチョイチョイ変わっているので結局そこに違和感は出てしまうし、いっそ今なりの解釈での新アレンジでのセルフカバーの方が個人的には原曲は原曲、今のセルフカバーはセルフカバーで分けて聞けるからいいとは思う。
★★★★☆

木枯しに抱かれて/ClariS

2024年9月25日
後から加入したカレンの突如の脱退に伴い最終作(ベスト盤の1つ前)となるカバーミニアルバム四季完結の4作目『AUTUMN TRACKS-秋のうた-』からの先行配信。小泉今日子(1986年)のカバー。THE ALFEE高見沢俊彦による作詞作曲。

小泉今日子もそうだけどこの辺りの80’sアイドルは世代から外れ、ヒット曲を認識し始めた90年代後半以降には既に『CDTV』で新曲が上位ランクインする事が無くなるかそもそも歌手撤退になっていたりしていて名前しか知らない、曲は1曲も知らないというのが多い。小泉今日子の同期は堀ちえみ、松本伊代、三田寛子、早見優、石川秀美、中森明菜、シブがき隊辺りらしいが、どれも馴染みが無い(中森明菜は90年代~00年代序盤の『CDTV』でも見かけた記憶はある)。小泉今日子の場合は80’sの急速淘汰が始まっていた1991年になって「あなたに会えてよかった」の起死回生最大ヒットがあるので歴代売上ランキングとかミリオン特集的なものであればマストな1曲があるのと『CDTV』を見始めた初期の頃に「オトコのコ オンナのコ」がOPとして流れていたのは記憶している。

という事で全盛期に当たるはずのこの曲でも聞き覚えナシ…。ClariS流カバーにより、適度なレトロ感を残しながらも自然に聞ける仕上がり。
★★★☆☆

ラブアンドマスターピース/KANA-BOON

2024年9月25日
10ヶ月ぶりの新曲で2人になっての再始動作。2019年のベース飯田の失踪騒動からの脱退、ベスト盤、新作アルバム制作を経て飯田脱退後のベースサポート遠藤昌巳が正式メンバー入りしたのが2022年。そこからは順調な活動を展開して2023年11月からは47都道府県ツアーを開始していたが…12月に週刊誌報道を受けて小泉の素行不良が発覚すると同時に何もスクープされていなかったギター古賀もプライベートで問題があるとしてオリジナルメンバー2人が即脱退となってしまった。作詞作曲を一手に手掛けるボーカル谷口のみがオリジナルメンバーとなり、加入したばかりのベース遠藤と2人だけになってしまったため、体制を整えるために急遽ライブ活動休止となり、今年4月になって5月からのライブ活動再開を発表し、2人+抜けたメンバー分のサポートを入れての体制でこの夏の多くのフェスに出たり、ワンマンライブも行っていた模様。

KANA-BOONらしいポップなロックナンバーでストレートな再始動。ずっとオリジナルメンバーの演奏を聞いてきたらギターが違うとかドラムが違うとか分かる人は分かるのかもしれないし実際DEENや藍坊主、GOING UNDER GROUNDのメンバー脱退後の該当パートの扱いの変化は確かに感じられるものがあったが…これはもうさっぱり違いが分からないなぁ…。
★★★☆☆

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