2024年12月の配信シングル(前編)

からっぽ/森脇

2024年12月2日
田川伸治がXでリポストしていたので偶然気づいた。元猿岩石の森脇和成と元DEEN田川伸治のコラボ作“スポーツのペアや、プロレスのタッグのような概念、コラボレーションに特化した新規名義の音楽ユニット「ClossOver」の第1弾タイトル”と主催者が紹介しており、音楽ユニット【ClossOver】と音楽レーベル【Bestchannel】主催者主導による今回限りの1発コラボという事のようだ。作詞:ゆめこ,こひ、作編曲:田川伸治、コーラス:ヲタみん、とされている。作詞の人誰? 森脇・田川双方Xを毎日更新する人ではないようで、田川はリポストしただけ、森脇も遅れてリポストしてトップ固定にしたものの、森脇は1月発売の森脇和成名義でのシングルCD『夢の続きを』の制作やイベント開催中心に動いており、12月4日の先行配信に合わせてイベントを開催し、翌5日にはそれが各紙でニュースになり今作は一切触れられずに一瞬で流れ去っていく事態となった。

結果的に今作は本人非稼働状態で、作詞の人とレーベルの人、つまり主催側ばかりが告知している事からも森脇も田川も主催者主導のコラボ企画に呼ばれて参加したという感じであまり主体的なコラボではなく”案件”とか”依頼仕事”という感覚っぽい感じ?主催側が森脇和成の新曲が話題になるタイミングで乗っかろうとして失敗したのか、何も知らされてなくてドン被りしてしまったのかは謎だが、いずれにしてもちょっとありえない状況だ。

曲自体はもっと90年代とかDEENの曲を森脇が歌っている感じになるのかなと思っていたら現在の田川”とにかく歌いたい”伸治の作風そのままだった。ここ最近のソロで見せているすっかり以前からかけ離れた気取りまくりの歌唱法がそのまま森脇に憑依していて猿岩石時代の歌唱の面影が無い。もうなんかこのMVの時のクネパクトしてそうな“一定以上の歌唱力を手に入れた田川伸治”といった完全憑依っぷりで、これはたぶん田川が用意したデモ曲の本人歌唱がほぼこのままで森脇は田川のデモ歌唱をコピーして歌った結果この憑依現象に至ったのではないか。ちょっとイタイオジサン感が出過ぎてしまうというか、率直に素直に歌えば伝わるのになんでわざわざキモがられそうな歌い方にしちゃうのかなとは思ってしまう。何せ森脇和成名義の新曲『夢の続きを』の方では猿岩石時代を彷彿とさせるボーカルスタイルを披露しているだけに(当時よりは加齢で声にブレは感じられる)、今作ではわざと声を変えているのは明らかだ。

Karaoke ver.とinst ver.もバンドル配信されているが、Karaokeの方は森脇のメインボーカルカットでコーラスのヲタみんという歌い手の声を残したバージョン、inst ver.は全てカットしたオケのみのバージョン。わざわざ2つ用意したのはほとんどツインボーカルな勢いで歌い上げているのにあくまで森脇の曲なので森脇の声を前に出す事でだいぶかき消されてしまってなんかバックに女性コーラスがいる…程度になっていたヲタみんをフューチャーしたKaraoke ver.も作っておこうという配慮なのかもしれない…と思うくらいこんなにメインボーカル並にグイグイ歌っていたのかと驚く仕上がり。
★★★☆☆

恋をして/HY

2024年12月11日
映画『366日』主題歌。今年のドラマに続いて過去曲「366日」をモチーフにした映画まで制作されたがさすがに「366日」を主題歌として何度も擦りまくる事はせずに新曲が主題歌採用となった。映画は1月10日公開、アルバムも1月29日発売が発表されているが何故か映画よりだいぶ前に配信開始となった。

今のところ映画公式サイトでのクレジットは“inspired by 366日 主題歌:恋をして”となっていて「366日」が挿入歌という表記は無いが劇中で使用されれば120%間違いなく主題歌を喰うと思われる。また泉ソロバラードかと思ったら、歌い出しは新里でBメロやサビは泉メインボーカルになるという一応ツインボーカル。「366日」も去年わざわざデュエットバージョンで作り直したように、この「366日」再ブームに乗っかってのメディア出演で“女性ソロと置物男性バックバンド”という印象になるのを極力避けるかのようにデュエット押ししているのはバンド側の意志なのだろうか。ピアノバラードになると序盤の平メロとか普通にピアノ弾き語りでバックバンドどころかマジで置物状態になったりもするし…。今回もタイアップ側の発注なんか間違いなく“「366日」に並ぶような泉さんメインボーカルのバラード”みたいな感じになっているんだろうし、泉単独ボーカルでもタイアップ先からは文句は言われなかったと思うけどあえてデュエットにしている感じがする。
★★★☆☆

Machi…./.ENDRECHERI.

2024年12月11日
堂本剛→ENDLICHERI☆ENDLICHERI→剛 紫→堂本剛→ENDRECHERIと来て昨年より.ENDRECHERI.名義になっていたが、独立は今年。変えたばかりなので名義はそのままでレコード会社がJ社内の独自レーベルから大手ソニーに移籍となっていた模様。2002年の堂本剛ソロデビュー作「街」のセルフカバー。2013年のカバーアルバム『カバ』通常盤のみ収録曲としてセルフカバーしていたので2度目のセルフカバーとなるが、今回は名義とタイトル表記が変更されている。厳密には現名義になって間もない2023年5月にYouTubeにて「街 2023」としてピアノバージョンのレコーディング映像が一部公開されていたがそれをもう少し作りこんだようなピアノ主体のリアレンジ。

なお初期のサブスク解禁が謎に歯抜け状態となっており、最古の曲は何故かENDLICHERI☆ENDLICHERIでの最初のシングル「ソメイヨシノ」だけ単曲配信、以降飛んで2009年の”剛 紫”以降が基本的に配信対象になっているが『カバ』はスルーされている。コロコロ名義変えているので検索しにくく何があって何が無いのか1発で確認できねぇ…。よって初出の「街」も『カバ』の「街」も旧2バージョンは両方未配信で聞き比べはできず、CDを探してくるしかない

2度目のセルフカバーというのはあるにしても「堂本剛」でも「街」でも無いこの記号のような表記にしたので恐らく検索しても引っかかりにくくなっており、そもそもローマ字ではパッと見でも「街」のセルフカバーだと分からない。広くあの時聞いていた一般リスナー(ドラマ『夢のカリフォルニア』視聴者も含めて)に聞かせるよりも知っていてずっと聞いてくれているファン向けに聞かせたい意向なのか。

明らかに難聴に関係なく経年で声を張らない歌い方に変わりつつあったが、特に難聴を患ってからは高音を張った歌い方をすると響いてしまいしんどいという理由もあって声を張らずに発音すら不明瞭にしたようなクセ強めなボーカルスタイルになっていてこれはKinKi Kidsの過去曲を歌唱する際も顕著だったが、今作に関しては思い入れが強くてしっかり言葉を伝えたいのかYouTubeでKinKiの過去曲を連続歌唱していた時よりはハッキリ発音している印象。この少し昔を感じる歌い方、やはりこれが好きだった声なのでその点は嬉しかった。まあ久々に原曲引っ張り出して聞いたら圧倒的に名曲だったけど…。
★★★☆☆

50%/Official髭男dism

2024年12月13日
2ヶ月ぶりの新曲。映画『はたらく細胞』主題歌。映画公開日当日に配信された。リラックス推奨系(超・雑訳)のメッセージソング。相変わらず複雑なサウンドだが、今作ではラップまで始めてしまい最早誰だか分からない事に。刺激的ではあるが、サウンドが複雑すぎて耳を奪われるのと言葉数が多くて歌詞が響きにくいところはあるかも。
★★★☆☆

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