2025年1月の配信シングル(中編)

1月最終週怒涛の配信連発により久々の1月後半は分割。

鞭/B’z

2025年1月16日
ABEMAオリジナルドラマ『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』主題歌。2023年冬クールに関テレローカル枠で放送されたドラマ『インフォーマ』の新シリーズ…というか主演の桐谷健太、佐野玲於はそのままだが、制作がごっそり変わったので「2」とか続編という扱いにしていないっぽく、今度はAbemaに場を移して2024年11~12月に配信されていた。既に全話配信済み去年の未発売曲という事になるが1月9日からNetflixでの配信も始まりそこに合わせての発売となったようだ。

本人達のSNSでの発言からベースが徳永暁人、ドラムが玉田豊夢と明かされている。徳永ベースは2作連続となる(前作のドラムは山木秀夫)。海外リズム隊や近年の新メンバーではなく、意外な国内ミュージシャンの起用が続いているな…。紅白では2018年頃を最後に離れた(レコーディングは「兵、走る」が最後)シェーン・ガラース氏がドラムに復帰していてファンを驚かせていたがレコーディングでの再起用は無いのかな。

聴感的にはザ・近年のB’z。徳永復帰は前作からだが、『Highway X』のタイアップ曲群とインパクト的にも大体横並びになってくるような感じ。2番サビの後と最後のサビの後に突如出てくる”ムチウチナムチノママムチニムチュウナンノムチ”とカタカナでムチムチ言いまくるパートに稲葉イズムとインパクトも集約されている。B’zだ。OVER 60’sになってもB’zだ
★★★☆☆

つまらない大人にはなりたくない(New Recording)/佐野元春 & THE COYOTE BAND

2025年1月17日
「Youngbloods (New Recording 2024)」から7ヶ月ぶりの“佐野元春クラシックスの再定義” 配信シングル第二弾「これはセルフカバーじゃない。再定義バージョンだ。オリジナルを超える気持ちでチャレンジした。新旧ファンが楽しんでくれたら嬉しい」とコメントしており、過去のセルフカバー企画とは異なる扱い。そんな過去曲の再定義を集めた3月12日発売のアルバム『HAYABUSA JET Ι』先行配信。

1980年の2ndシングル「ガラスのジェネレーション」の改題リメイク。「ガラスのジェネレーション」はド頭のフレーズで何度も出てくるフレーズだったが、今回は終盤になって出てくるフレーズ「つまらない大人にはなりたくない」がタイトルに採用されている。2006年に『THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004』で「ガラスのジェネレーション 2006」としてThe Hobo King Bandで再録音した事はあったがこの時はボーカルとピアノはオリジナルを使用していたので全面再録音は今回が初となる。

2006の時は一部はそのままだったので演奏が現代的になったなくらいだったが今回は全面再録音の”再定義”なのでアレンジはガラッと別物に。ますます声がカスカスになっていて老境に差し掛かった歌声でのこの曲、衰えは確かに感じてしまうところもあるが厚みのある演奏は大人のカッコよさがあり、この年齢になってやる”再定義”、これはこれでありかもしれない。
★★★★☆

シネマ/aiko

2025年1月17日
日本テレビ系土ドラ10『アンサンブル』主題歌。初回放送前日に配信された。編曲は川嶋可能。2014年後半になって島田昌典から一時離れた際にOSTER projectと共に二大アレンジャーとして活躍し、2018年のアルバム『湿った夏の始まり』のアルバム曲で島田昌典が復帰、さらにトオミヨウを起用すると一気に押し出されて出番が激減してC/Wで起用が続くもトオミヨウと島田昌典が新たに二大アレンジャーとなり『今の二人をお互いが見てる』にはOSTER projectと共に参加ゼロ、その後OSTER projectは復帰せず、川嶋可能は昨年のシングル『相思相愛』C/W「まさか夢」、アルバム『残心残暑』収録の「願い事日記」を担当してかろうじて参加継続していた。今回もトオミヨウか島田昌典だろうと思っていたらまさかの表題起用。元々OSTER projectと共にメイン起用されていた時期もいざシングルA面となるとOSTER projectとなっており、A面担当は2016年の36thシングル「恋をしたのは」1度きりだったので、ここに来てまさかの2度目である。

…といってもまあいつものaikoミディアム。独特の癖のあるaikoっぽいメロディー展開のaikoとしか言いようがないいつものaiko曲。島田昌典ほどどっしりしていないし、トオミヨウほど薄味でもないが、明確にいつもとアレンジが違うというほどでもなく、正直ここのところ島田昌典とトオミヨウが相互に影響を及ぼしあっているかのように島田昌典がどっしりしていなかったり、トオミヨウが薄味じゃかったりするのでその流れでどちからがこんなアレンジにしてもそんな不思議でもないし…。
★★★☆☆

Plazma/米津玄師

2025年1月20日
17日公開の劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuXジークアクス -Beginning-』主題歌。”劇場先行版”となっているのは”TVシリーズの放送に先駆け、一部話数を劇場上映用に再構築した”という内容になっているためのようだ。アニメタイアップで先に「BOW AND ARROW」が発表されてOAされているがそれより1週間先にこっちが配信された。

やたら忙しない電子トラックにそこそこキャッチーなメロディーが乗っかる早口気味なアップナンバー。タイアップも知らないので良く分からないところではあるが、大ヒットしそうな感じではない、ハマればハマりそうなクセになりそうな曲ではあり、評価されるところでは評価されなくりそうな玄人リスナー向けといった印象。
★★★☆☆

ダーリン/Mrs. GREEN APPLE

2025年1月20日
NHK総合『Mrs. GREEN APPLE 18祭』テーマソング。2024年11月17日に開催され、12月25日に放送され、NHKプラスでの見逃し配信の期限が1月20日11時20分に迫る中で配信開始。いつもの1曲配信ではなく複数バージョンとのバンドル配信。2曲目以降に~18祭Ver.~(Live)、Off Vocal、~18祭Ver. Off Vocal~(Live)、 Instrumentalが収録された全5トラック

いかにもな18祭壮大バラード。18祭Ver.には合唱が入っていてより派手に盛り上がるが、オリジナルバージョンでも十分派手。Off Vocal、~18祭Ver. Off Vocal~(Live)、 Instrumentalの違いはOff Vocal、~18祭Ver. Off Vocal~(Live)は大森のメインボーカル―パートを抜いただけなので大森のコーラス、18祭合唱パートは残されており、Instrumentalは完全に演奏のみ。

2016年からやっているこの企画、対象は当然18歳なわけだけど、起用されるアーティストは1回目のONE OK ROCK、WANIMAは恐らく当時20代終盤で今の大森とほぼ同じ年の頃。RADWIMPS、[ALEXANDROS]、BUMP OF CHICKENは明らかに年上の30代40代で、あいみょんで当時26、去年のYOASOBIのikuraは23歳の最年少で1番年が近かった事になる。ボーカリストの年齢的には1回目2回目への原点回帰的な“18歳+10”といったところで、年上のミュージシャンが18歳の世代にメッセージ的な歌詞を書き下ろすという点では近すぎず遠すぎず、まだ若者と呼ばれる括りという意味でも1番適しているタイミングが+10歳前後じゃないかとは思う。

18祭にもっと長い歴史があって、18歳当時にリアルタイム直撃していれば思い出として残っていて感じ方も違うんだろうけど、正直このタイアップに関しては対象外過ぎて、壮大だな以外にあまり思うところが無い。Mrs. GREEN APPLEはこういう壮大な曲も得意としているのでピッタリな選出ではあったんだろうけど、ここで「ダーリン」という言葉を持ってきたのが意外ではあったかも。
★★★☆☆

恋に落ちた瞬間/相川七瀬

2025年1月22日
昨年11月のミニアルバム以来の新曲。3ヶ月連続配信の1曲目3曲全てバラードとされている。作詞は本人、「好きだよ」「限りある響き」「永遠の糸」等過去のバラードを手掛けた高田有紀子による作編曲。

思った以上にド・しっとりバラード。ていうかピアノとストリングス(シンセ?)しかないし、しっとり過ぎてて誰だか分からん…。ここのところ王道のロック路線をやった後はしっとりバラードや別路線に行くというほぼ交互な方向性で、今年は30周年なので先にバラードターンをやってからガツンとロックに30周年を迎えるという流れだろうか。
★★★☆☆

プンスカピン!/堺正章 & Rockon Social Club

2025年1月22日
作詞作曲編曲は寺岡呼人。初のDJ HAZIME REMIX、DJ HAZIME DUB REMIXの2種のリミックスとのバンドル配信の全3トラック(リミックスだと作詞に西野蒟蒻が追記されているんだけど…)。続けて3月14日にミニアルバム『プンスカピン!』発売が発表された。しかし何故か4曲+今回配信されているリミックス2曲+カラオケで水増しした全7曲にGSトートバッグ、プンスカピン!ステッカー2種付属のLoppi・HMV限定販売3850円1択ポッキリってドウシタコレ…。ここまで紙ジャケCDのみ(フルは3300円、ミニは2200円)と通常価格で硬派なリリース体制だったのに…。サブスク送りor出ないなら待ち1択でスルー決定だ

Rockon Social Club制作の曲に堺正章がゲスト参加した形だがfeat.扱いではなく、先に名前を出して、写真でも1番前に配置するという大御所へのヨイショが凄い。以前はこの人のおとぼけ芸も面白かったんだけどTUBEのライブにゲストで出た時におとぼけ芸をしつこいくらい繰り返して無駄な時間を多大に浪費した挙句にようやくの演奏の入りを間違えてやり直しさせるというあんまりな振る舞いですっかり苦手な大御所様になってしまった。まさかこんなところに回り込んできてまた盛大にヨイショされているとは…。本来ドラムの青山秀樹以外のメンバーも大御所扱いになっていてもおかしくないキャリアの面々だし、50代半ばの堺正章って既に大御所だったよな。

ふざけまくりの歌詞は「ポイントちょーだい」にも通じるところがあるが、今回は堺正章がいるせいか、曲調もけっこうふざけているような…。カッコいい部分も存分に見せているので問題はないけど、しかしこれ男闘呼組時代からの熱烈なファンは堺正章との謎コラボやこのおふざけっぷりを許容できるのだろうか。メンバーが率先して書き下ろしているなら仕方ないが、寺岡呼人が全部書いているとなるといくらメンバーが絶大な信頼を置いているとはいえコイツ何やらせてんだよとか思われたりしないのかなとか余計な事が心配になってくる。なんかここまで来るとふざけすぎっていうか、まあ面白いんだけど良く分からない。リミックスもいかにもなリミックスで意図不明だし。
★★★☆☆

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