2025年7月の配信シングル(後編)

裸足のチェッコリー/ORANGE RANGE

2025年7月16日
3ヶ月ぶりの新曲。7月2日には2007年のシングル「イケナイ太陽」の新MUSIC VIDEOを公開(音源は当時のまま)、ソニー復帰でメディア露出も活発化する中で”平成あるある”ネタで話題を呼んだところで間髪を入れずに新曲。

全盛期には有名どころからメロディーを拝借しまくった事で過去の「合言葉はパクろうぜ」発言と共にパクリ糾弾検証サイトがネット上に立ち上がるような大炎上(Twitterの前の時代なので炎上の仕方が現代と違う)となったが、20年以上経てば大人になったものである。今回割と誰もが聞いた事のある”チェッチェッコリー”は童謡か昔のCMソングかという感じであまり元ネタまでは広く知られていないがでも知っているっていう絶妙な知名度であり、元となっているのはガーナ民謡、子供の遊び歌といった抗議されない元ネタである。近年では運動会で「チェッコリ玉入れ」なる使われ方をしているらしく若い世代にも知られているし、何よりORANGE RANGE世代にとってはまさに彼らが「上海ハニー」でブレイクした2003年、サッポロ「まる福茶」のCMソングでゆるい雰囲気で女性2人がチェッチェッコリ チェッコリサ リサンサマンガン サンサマンガン♪と歌うという内容でOAされており、何の飲料だったかは全く覚えてないが若い女性2人がチェッチェッコリ歌ってたのは覚えているという人も多いだろう。

「イケナイ太陽」新MUSIC VIDEOであの頃のリスナーを大量に呼び戻した直後に、あの頃のイメージの今作のMVである。正直若さゆえの無敵感があったあの頃ほどインパクトのあるノリやメロディーは出せないのは仕方ないところだが、そこでチェッチェッコリーという最強フレーズである。2009年のソニー離脱以降こんな計算されつくしたような立ち回りはしてこなかった。ソニーに戻ってよほど強力なブレーンがついたのか。立ち回りが最強すぎる。何よりメディア出演が一気に増えた(インディーズからソニーに復帰したからだと勘違いしている人が多いけどインディーズだったのは離脱後最初のアルバム1枚だけで長年ビクター所属だったのでメジャーレーベルにいた事実は変わっていない)。
★★★☆☆

Run and Run/Awesome City Club

2025年7月16日
10作連続リリースの第4弾。atagiによるatagiボーカルナンバー。う~んなんとも地味な…オシャレなトラックというほどではなく、キャッチーでもなく、アングラ感の強いボソボソとしたatagiボーカルだとどうしてもこうなってしまうな…。
★★★☆☆

Carrying Happiness/Mrs. GREEN APPLE

2025年7月18日
1日にショートサイズで配信された楽曲もフルバージョン。7月25日配信のデジタルアルバム『サマー・クールオフat Tokyo Disney Resort』からの先行配信。フルサイズも結局1週間の先行配信だったのかよ。わざわざショートサイズをベスト盤発売前に先走った理由が結局良く分からない…。

さすがにあちこち手を出し過ぎて特に聖域ディズニー界隈では好評より不満の方が多そうだし、ライブ騒音問題も含めて悪目立ちする場面が増えてきているのはちょっと気になるところ。
★★★☆☆

エンドロール/高橋優

2025年7月21日
1月のアルバム以来の新曲。1stシングル発売日からピタリ15周年での配信。5周年で2枚組ベストを出してしまったので10周年はスルーだったが(2020年では盛り上げようにもそれどころじゃなかったのもある)、15周年ベスト『自由悟然』を12月10日リリースする事も発表(まだかなり先じゃねぇか…)

静かに始まりバンドサウンドで盛り上がっていくミディアムバラード。王道の1つである聞かせるタイプの決意表明ソングでもがきながらも前向きに進んでいこうとする姿が印象的。
★★★★☆

命題/RADWIMPS

2025年7月23日
日本テレビ「news zero」テーマソング。3ヵ月ぶり新曲。10月8日のアルバムへの先行配信。

すっかりソロ色の強い打ち込み主体の電子ナンバーばかりになっていたが、久々に初期を思わせるロックバンドナンバー。朝ドラ主題歌でもトラックメイカースタイルだったし、メンバーも2人になってしまったのでもうバンドサウンドをやる気は無く完全にプロジェクト形態に移行したと思っていたが「news zero」テーマソングでかつてのロックバンド路線に戻すとは思わなかった。しかしギタリストが離脱した後だが…あまり変わってないな…。
★★★☆☆

ジェラシーナイフ/矢作萌夏

2025年7月23日
2ヶ月ぶり新曲。直後に春から始まったばかりの冠ラジオの突如最終回(17回で打ち切り)体調不良を理由とした音楽活動休止を発表してしまった。体調不良はラジオ内で語ったのみで公式に出した発表文ではラジオ終了と休止としか書かれておらず、デビューわずか3年目、全く売れないのであっさり契約切れなんじゃないかと思えてしまうような残念な展開に…。

今回もいい曲だが、以前も一部の曲で感じたあいみょんみが増していて、今回はもう完全にあいみょんの新曲と勘違いする勢い。
★★★☆☆

Cigarettes & Alcohol (Live from Manchester, 11 July ’25)/Oasis

2025年7月24日
7月11日マンチェスター凱旋公演初日公演のライブ音源。1stアルバム『Definitely Maybe』収録曲で4thシングル。

前回とは別会場だがリアムの歌声は安定しており、たまたまではなく完全に調子を戻していてブレは無いようだ。
★★★☆☆

ゼロイチ/鈴木愛理

2025年7月29日
作詞:Chica (2PRIME)、作編曲:Chica & YUKI FUNAKOSHI (2PRIME)。イマドキ風な方向性だが、なんとも掴みにくい。クールさが前面に出ているがサビはそこそこキャッチーで色々バランスを取ったような中途半端なような…。
★★★☆☆

シビレル/ゆず

2025年7月30日
2ヶ月ぶり新曲。サントリー「ジムビーム」タイアップソング。作詞作曲は北川悠仁、編曲はゆず,PRIMAGIC。

新顔のアレンジャーと組んだようだが、近年の打ち込み全開のデジタルな作風から勢いのあるバンドサウンドのポップナンバーへと変貌。近年の共作者の影響強すぎなデジタルサウンドについていけなくなっていたので久々に帰ってきてくれたというか普通に良いと思える。
★★★☆☆

刹夏/山本彩

2025年7月30日
近年は思いっきりエレクトロに走ったりもしていたが今回はこういうのでいいんだよ的な王道のロックバンドスタイルでのサマーソング。普通にいい曲。ジャケットも含めて古き良きあの夏。今はこんな風情ないもんな。
★★★☆☆

BEACON/DREAMS COME TRUE

2025年7月30日
テレビ朝日系ドラマ「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係〜」主題歌。

なんだかここのところ全く売れる気がしないというか本気出してないのかわざと外したような曲ばかり出しては中村氏が売れないと嘆くというどうしたもんんかというような状態が続いているが…。ドラマ主題歌でもなんだか掴みどころがなく、覚えにくいメロディーの地味な曲。シリアスで雰囲気は出ているんだけどいわゆるサビどこ案件でこれぞというメロディーが来ないまま流れ去っていく。これはわざと外しているのではなく、キャッチーなヒット曲が書けなくなってしまったのではないか…。
★★★☆☆

幕が上がる/back number

2025年7月31日
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』主題歌。コバックナンバー小林武史プロデュース。

タイアップ先の方は2021年の連ドラ版がGReeeeN、2023年のSPと映画第1弾が平井大だったので節操が無特に連続性はない。珍しくピアノやストリングスではなくシンプルにギター主体で静かに1番が進行してからバンドインしてくるが、2番もシンプルなギター主体のバンドサウンドで進行、Bメロ辺りからようやくコバックストリングスがじわじわ鳴り始めるという小林武史にしてはストリングスの派手さが抑えめ。最後のサビ以降だとだいぶストリングスが覆いつくしてくるものの、ギターが割と頑張っており、いつものコバックとはほのかに違う仕上がりに。
★★★☆☆

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