2025年11月5日
2025年10月13日(配信)
初登場10位 売上0.4万枚
初登場8位 最高4位 売上2.2万DL

3年ぶりのシングル。安全地帯と基本的に連動してユニバーサル(当時はキティ)とソニー(ファンハウスだった時期もあるがソニーが吸収)を行ったり来たりしていたが、2013年に再度ソニーに戻った際にSALTMODERATEという自主レーベルを設立、しかしこれも長く続かず新曲が滞った2010年代半ば以降はSPACE SHOWER MUSICからリリースしたと思ったら2020年頃にコロムビアへと移籍し、2022年に安全地帯とソロで2枚ずつシングルを出した際は全てコロムビアとなっていた。
今作ではまさかのまたソニー復帰となっているが、SALTMODERATEは無くなっているようで普通に2021年からのソニーのメインレーベルALDELIGHTからのリリースとなった。3000枚台ながらトップ10入りを果たし、ソロではダントツ最大ヒット作「田園」以来2度目のトップ10入りという快挙となった。安全地帯含めても2010年の『蒼いバラ/ワインレッドの心』以来となる(ただし2013年のKAT-TUN亀梨和也とのユニット堀田家BAND「サヨナラ☆ありがとう」ではトップ10どころか亀梨パワーで堂々1位を獲得した事はある)。
2曲目はInstrumental(カラオケ)、3,4曲目には何故か1998年発売のライブ映像作品『WE CAN BELIEVE IN OUR “JUNK LAND”』(VHS/後にDVD化)からのライブ音源を収録。
なんとなく今回の収録パターンだとライブ音源が購入者用ボーナストラックっぽくて単曲配信だけで全曲配信されないんじゃねーかなと思ってシングル買ったら普通に配信されやが
1.ファンファーレ
編曲,Programming&All Other Instruments:トオミヨウ、ギターを元MOON CHILD秋山浩徳が担当。加えてストリングスという編成。トオミヨウらしいリズム隊打ち込みはかなり軽めのビートを刻むのみで雄大なストリングスが前面に出たトオミヨウらしいアレンジ。
ポジティブで力強い応援歌という事で「田園」そして知っている人は「ルーキー」、さらには「田園」を継承したような2012年の安全地帯の「結界」(「田園」の安全地帯セルフカバーがC/Wだった)を彷彿とさせるんじゃないかと思うんだけど、特に「田園」の改めての続編のような扱いは強く意識しているっぽい。MVではドラマに合わせて馬がメインでバックに映し出されているがそれ以外の時には「田園」MV映像が映し出されている(基本仮装しまくっていたMVだったが、普通の格好で白い空間で熱唱していた部分のみ使用)。ここ10数年はもう新作制作よりもライブ中心となり、風貌もすっかりおじいちゃん形態となった60代後半になってまたこのアップテンポな路線が聞けるのは嬉しい。さすがに以前よりもやや低めでエネルギッシュさでもだいぶ落ち着いてきてはいるんだけど確かな力をくれる1曲だ。また歌詞のある部分はあまり高くならないが、得意のパッション全開のフェイク部分の特に最後の部分ではかなりのハイトーンも出ていてまだまだ衰えていない。繰り返されるサビと同じメロディーのストリングスのラインもファンファーレのように響いて印象的(その分リズム隊がお留守なのは芸風なので仕方ない)。久々にヒット曲然とした1曲だが、「ルーキー」にしても「結界」にしてもアニメタイアップだった「Lion」とか出演ドラマタイアップだった「プレゼント」「サーチライト」も何を出してもシングル単位ではトップ10入りできない事がずっと続いていた中で(トップ10入りは安全地帯復活効果で『蒼いバラ/ワインレッドの心』が9位に入っただけ)今回はドラマ効果もあってちゃんとヒットしているっぽいという事で久々に世間にもうまくハマった感じもある。
一方でなんだかあっという間に少し物足りないところで曲が終わってしまう感じもある。基本的に2コーラスだけでいわゆる”ラストサビ”が無く、2番のサビに続けてサビ後半だけもう1回という構成になっているためだが、「田園」でも2番の後に続けてサビを丸々もう1回という構成だったので今回も踏襲して2番の後にサビをフルでもう1回にほしかったところではある。
★★★★★
3.JUNK LAND-Live at 東京国際フォーラム 1997.11.22-
2曲目は「ファンファーレ(Instrumental)」で3曲目に収録。1997年当時の最新アルバム『JUNK LAND』タイトル曲。日付が同じ事から1998年VHS/2003年DVD発売の映像作品『WE CAN BELIEVE IN OUR “JUNK LAND”』と同一音源と思われる。前の曲は「田園」、今作に続けて「MR.LONELY」なので連続した部分を抜き出したものと思われるが、「田園」がこの前にあるなら「田園」も収録すればよかったのに…。「ファンファーレ」の親和性も高かったでしょ…。
演奏陣は当時脱退していた武沢豊以外のギター矢萩渉、ドラム田中裕二、ベース六土開正が揃っており、実はほぼ安全地帯。加えてパーカッションのカルロス菅野、キーボードの安藤さと子(1999年~2007年までの夫人)。レコーディングにはまだあまり参加しておらず「メロディー」が武沢豊以外の3人が参加する程度だったがライブでは早い段階で参加していた田中に続いて六土、そして矢萩と徐々に合流してきていて、1999年のソロ名義での安全地帯セルフカバー『ワインレッドの心』は武沢豊以外の3人+安藤で制作されやがて武沢豊も復帰しての2002年の安全地帯本格再開に繋がった(やっと再開した割にはやってみたら何かが噛み合わなかったのかこの時は2年しか続かず、次の始動は2010年で以降は玉置浩二の夫人も不動となり現体制となった)。
前述のようにCDと違って武沢豊以外の安全地帯メンバーが集結して演奏しているので当時の安全地帯セルフカバーに類する音源としても聞ける(後に2012年本当に安全地帯としてのソロのセルフカバーアルバム『安全地帯ⅩⅢ JUNK』で今作を取り上げている)。
★★★★☆
4.MR.LONELY-Live at 東京国際フォーラム 1997.11.22-
1997年の12thシングルでライブ当時の最新シングル。「田園」から1年ぶり自身出演ドラマ『こんな恋のはなし』主題歌として最高15位と「田園」の大ヒットから一気に失速したもののロングヒットで売上25.9万枚まで伸ばしてソロで2番目のヒット作となった。映像作品『WE CAN BELIEVE IN OUR “JUNK LAND”』では続けて収録されているようだが音は繋がっていない。
このライブバージョンでは歌い出し前にキー合わせのように少しだけ弾き語りから始まるが、歌い始めると一切の演奏をせず完全アカペラ熱唱。しかも出だし以外のウォウウォウパートやサビ終わりなど裏声を使っていた高音部分を地声で張り上げる大熱唱っぷりである。まさに全盛期なライブ音源だ(全盛期といってもこの時点で既に39歳なので出なくなる人は出なくなってきている年頃ではある)。歌だけでここまで聞かせるとは凄い。1997年当時よりも玉置浩二の歌唱力が凄いというのが浸透している現代に改めてそれを示す音源として提示したかったというのが唐突にこの音源をC/Wに持ってきた理由だろうか。
★★★★☆

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