2025年5月15日
初登場29位 売上0.07万枚
2年半ぶりのシングル。2020年の25周年記念ライブ時はZAINに復帰してのベスト盤、2022年の前作もZAINからのリリースだったが、2024年に2020年に新規で立ち上げた公式サイトが消滅し、新公式サイトへ移行。ビーイング離脱になったようで運営が浅岡雄也ソロの自社U-Factory、自社レーベルFly Blueへと移行した。前作がZAIN側の厚意もあってか1100円に価格が抑えられていたが、今作は2200円となった。界王拳2倍ダァァ!!ただしFlyBlueでは2023年の浅岡ソロアルバムをCD1枚で5500円に大幅値上げ、シングルも1500円→2000円→2500円と値上げしまくっていたので一応今年1月の浅岡ソロ最新作より今作の方が安い。また自主通販限定だと送料レターパックプラス料金が加算されていたため実質+600円確定(初期は500円だったが郵便局がレターパック値上げを繰り返した)なところ、今作は全国流通となったため送料分は買い方次第で無しに出来るという利点はある。
2024年たぶん独立と同時に2012年のBEING LEGENDツアーにも歴代メンバーで唯一不参加だったギター小田孝が復帰。当初はライブのゲスト出演で一部楽曲を演奏するのみだったが、やがて正式にメンバー復帰となった。これにより『DAN DAN 心魅かれてく』時と同じ3人体制となる。
今作は30周年記念日のリリースとなり、FlyBlueレーベルでは史上初の全国流通盤となった(FlyBlue以降の浅岡ソロは自社通販しかしていなかった)。アレンジャーや演奏陣はそのままスライドしているが、エンジニアやマスタリングは浅岡ソロ体制に変わっている。前作のコーラス陣のような現役B ZONE勢(ビーイング)の参加は無く、基本的にB社離脱組が参加(徳永暁人も前作リリース後に独立している)。
25周年ベストでは解散時4名、前作では参加している浅岡・小橋の2人をFIELD OF VIEWとして表記、小田孝と新津健二はSpecial ThanksトップクレジットでFIELD OF VIEWとして表記していたが、今作ではサポート含めた演奏メンバーを分け隔てなく表記する形式となり、メンバーとしてのクレジットは無い(写真は当然3人)。これに伴いSpecial Thanksは現役当時のボックスコーポレーション事務所代表と長戸大幸の2人のみとなり、新津健二は表記されていない。
ギターは小田以外に葉山たけし、綿貫正顕、森本隆寛、ベースは徳永暁人が参加(ギターは曲番表記は無いが1列目と2列目に別れているので、「キミガスキダ」は小田&葉山、「渇いた叫び」は綿貫&森本の可能性もある)。
浅岡ソロと同じシングルフォーマットとなっていて(薄型CD-Rケースも同様)、3,4曲目にはボーカル無し(カラオケ)がMinus Oneという独特のバージョン名で収録、5曲目には「キミガスキダ」の逆に声だけのVocal Onlyを収録。Vocal Onlyは間奏部分は無音となる。
う~ん…しかし1000枚売れないかぁ…。ライブ会場はとりあえず埋まっていたと聞くが来場者の半分も今作買わない=聞いてない(配信無いので)って事か。ライブチケットが1万余裕で越えててCD2200円は物価高騰しすぎだしなぁ…。
1.キミガスキダ
作詞:浅岡雄也、作曲:浅岡雄也&小田孝、編曲:葉山たけし&FIELD OF VIEW
今回も書き下ろしではなく”メロディー自体はだいぶ前に作ったもの”とされ、“98年とか99年くらい?”と曖昧な事を言っているが続けて“アルバムを出したかったんですけど、出ないままデモだけ残って”と語っており、出せなかったのは解散前の事なんじゃないかと。2000年まではまだ毎年アルバム出せてた時期だし、98~99年の没曲と『CAPSULE MONSTER』以降アルバムを出せずに強制お蔵入りになった曲ではだいぶ意味合いが変わってくるような…。作風的には98~99年頃までのバンドサウンドの時期の王道爽やか路線だけど。
いずせによソロでは新曲を発表して、FIELD OF VIEWでは2020年以降一貫して当時の未発表デモに手を入れて完成させる形の”未発表新曲”しか発表しない事には”現在進行形”のソロと”解散した過去のバンド”との線引きがあると思われる。
2020年の未発表新曲群はサウンド面でピンと来なくて、前作『きっと』はもっと明確になんか音が安っぽくない?違くない?というのがかなり気になっていた。「きっと」はドラムが打ち込みみたいな軽い音だし、本当に葉山たけしなのかと思うようなブラス風シンセ音が悪目立ちしていて正直全く馴染めなかった。今作ではその点が改善され、FIELD OF VIEWっぽいと感じられるギターとドラムがちゃんとあるバンドサウンドになった。演奏陣は小田孝が加わった以外にそんなに変わっていないが、録音ミックスエンジニアがB社の人から浅岡ソロで近年継続起用している人に変わっている。ローマ字表記で同じOkadaなので同じ人かと勘違いしそうになるが、2020年の未発表新曲群と前作はB社で制作されているので録音ミックスはTatsuya Okada=岡田達也(=the☆tambourinesメンバーだったエンジニア)、今作はソロで『ミライノツクリカタ』(2013年)辺りから常にアルバムの半数以上を担当していたTsutomu Okada=岡田勉が担当している。BEING LEGENDツアーの後にマスタリングに島田勝弘を1度起用したのと同じタイミングで”Okada”という字面だけ見てしばらくはLEGENDツアーで久々に接点が生まれてthe☆tambourinesの人を起用したのかとしばらく勘違いしていた当時縁のないB社というかGIZA以降の人である岡田達也氏よりもソロに10年以上関わっている岡田勉氏の方がエンジニアとしても相性がいいのだろうか。同じ葉山編曲のサウンドで前作と今作、こんなにサウンドが変わるのか。あとは前作でのしっくり来なかったサウンド面では長戸大幸の意向も大きかったのかもしれない。
歌詞はソロ以降のカタカナ表記を多用する方向性でソロ以降の感性で当時のメロディーに歌詞を乗せるというこれまでの未発表新曲群と同じやり方。突き抜けていいというわけではないが安定の良曲であるのに加えてようやく来たかと思えるようなバンド感があるのでその分だけ未発表新曲以降ではようやくこれだと思える1曲になった、という感じ。
ただやはり未発表曲ではなく、どうせやるなら今のメンバーが生み出したメロディーを聞きたいところではある。
★★★★☆
2.渇いた叫び
作詞作曲:小松未歩、編曲:綿貫正顕&小澤正澄
1998年8thシングルのセルフカバー。「CRASH」の作曲者である綿貫正顕が共同名義でオリジナルのアレンジャー小澤正澄と並んでクレジットされている。ただOther Instrumentsが綿貫&浅岡になっているので、小澤正澄は参加していないっぽい。当時のアレンジを基にしているため律儀に名前を残しただけの可能性が高い。一応B ZONE側のサイトでは小澤正澄の共作仕事として今作を掲載している。
アレンジはイメージを変えずに(細部はいじっているのかもしれないが)、パッと聞き忠実な再録音といった印象。歌い方はさすがに若い頃とは違うのが分かるくらいには変化はあるけど、キーは変わらず、そこまで勢いが落ちた感じもない。近年の発言からさすがに最高音がきつくなってきたとか、ガラガラ気味に絞り出したり、ひっくり返ってしまうような場面も2020年時点のライブ映像で確認できるので、当時ほど楽に出せるわけではないのも確かなんだけど、経験と技術でカバーしているという感じなのかな。貫禄の仕上がり。
★★★★☆
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