Only One,Only You/GLAY

2022年9月21日
Blu-ray付
初登場4位 売上2.4万枚

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シングルCDとしては1年1ヶ月ぶり、60枚目のシングル。C/W「GALAXY」は5月25日、「クロムノワール」は6月1日に配信シングルとして発売されていた。

Blu-ray付、DVD付には「Only One,Only You」Music Video、「祝!GLAYシングル60枚目発売記念「60枚振り返りコメンタリー」」、GLAY LIVE TOUR 2022~We♡Happy Swing~Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.から3曲のライブ映像を収録。加えて「祝!GLAY 60th シングル発売記念「シングル振り返りブックレット」 100P」封入。映像作品サイズ(トールケースサイズ)のスリーブケース&デジパック仕様。Blu-ray付とDVD付の価格設定は同じ。

「シングル振り返りブックレット」歴代シングル表題曲のジャケットと歌詞(作詞作曲編曲表記もあり)が1ページ1曲ずつ並んでいるという内容。複数A面曲も忘れられておらず「GONE WITH THE WIND」がしっかり掲載されていたり、1st VIDEO SINGLE枠別カウント扱いながら時系列でちゃんと「サバイバル」が16thと17thの間に載っていたり、1st DVD SINGLE扱いで「いつか」も載っていたり、GLAY×EXILE、GLAY feat.KYOSUKE HIMUROも載っている。しかし配信シングルは未掲載。

後半はどこまでA面扱いが不透明なタイトル作が増えるが、『Ashes.EP』は新曲3曲+カバー1曲の4曲だったが1曲目の「ASHES-1969-」しか載っていない。『[DEATHTOPIA]』はライブ音源除く「デストピア」「超音速デスティニー」を掲載、『WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~』は表題曲以外はリメイク2曲とカバーライブ音源とダイジェストという内容で「あなたといきてゆく」のみ掲載、『G4・V-Democracy 2019-』は3曲までで「YOUR SONG feat. MISIA」は未掲載、『G4・2020』も3曲までで「Into the Wild~密~」は未掲載で共にリメイクバージョンが未掲載となっている。

…っていうか「シングル振り返りブックレット」なんて告知してるからもっとデータ本っぽい内容かと思ったら実際のパッケージの袋では「60枚振り返り歌詞集」にしれっと改題していた。そして冊子自体には「60TH SINGLE SPECIAL BOOK」というタイトルが!いやなんで「シングル振り返りブックレット」「60枚振り返り歌詞集」「60TH SINGLE SPECIAL BOOK」って3ヵ所でタイトル変わっていくんだよ…。

掲載されている曲以外のC/Wのデータは全く載ってないし、ただの歴代シングルA面歌詞集だった。もう手放してしまい歌詞をしばらく眺めていないなんて人がファンでも多いのを見越して改めて歌詞を文字で見てみようというGLAYからの提案、それがシングル振り返りブックレット」に込められた意味なのだろうか。

1.Only One,Only You

作詞作曲はTAKUROで編曲はGLAY&亀田誠治。ドラムは打ち込みでサポート表記は豊田泰孝のプログラミングのみ(豊田泰孝は小名川高弘と並ぶ『誠屋』のメンバー)。TAKUROが今の世の中に対する想いと祈りを込めた、平和に対する強い願いが込められた曲とされる。シリアスな反戦歌風のナンバーはこれまでにもあったし、今回もウクライナでの戦争を憂いて書かれたもの…と一般的に認識できる内容にはなっている。ただTAKUROはこの戦争が起こる前の昨年のアルバム『FREEDOM ONLY』の「祝祭」でも戦争終結を思わせるような内容の歌詞を書いており、今回の方が切実度は強いものの、どうもそれだけではない想いを込めているようにも感じられる。”今の世の中”としているように”今の世の中”は昨年に引き続き2020年から続いている現状なわけで。”きっと訓練とは違うだろう”とか出てくるし、2番以降とかもそのまま戦争について書いているように読めるんだけど1番Bメロからサビ前の“それでも僕らは息を殺し潜んでる やりたくはないがそれが正しいと教えられた 愛を盾に”って兵士の心境に見せかけてライブが悪者にされたため表立って異を唱える事が出来ずに息を殺し潜んだ挙句にやりたくもない事を大切な人を守るためだとかいう盾でこれが全部正しいと教えられたミュージシャンの立場とリスナーも含めた”僕ら”の事であって、ほぼそのまましれっと忍び込ませているようにも思えた。

全体には異色な雰囲気漂う楽曲だが、切実さが強いのは特に1番サビ終了後の2番のような箇所でメロディーが変わってギリギリ限界の高音に達する部分に叫びのような思いが込められているようで強く心に突き刺さる。
★★★☆☆

2.GALAXY(GLAY×80KIDZ)

『G4・2020』でリミックス「Into the Wild(80KIDZ Remix)」を担当していた80KIDZと新曲でのコラボ。作詞作曲はTAKUROで編曲はGLAY&亀田誠治&80KIDZ。80KIDZがプログラミングを担当しているというサポート表記になっているが…これでも亀田誠治が常にくっついてくるか…。マジで『MUSIC LIFE』以降完全癒着状態で離れなくなってるじゃないか。前作でトオミヨウ招いた時も何故かくっついててGLAY&トオミヨウ&亀田誠治だったし、近年は他にもGLAY&YOW-LOW&亀田誠治、GLAY&亀田誠治&村山☆潤、GLAY&亀田誠治&DJ Mass&大迫杏子、GLAY&亀田誠治&DJ Mass&瀧田敏広…と誰と組んでも常に亀田誠治がくっついている。GLAY&亀田誠治の基本体制に新風を吹き込む形で参加しているとかならいいけど今作みたいなGLAY×80KIDZになってて80KIDZの影響が大半のような曲でも亀田誠治が同伴してないと制作が進められないくらいズブズブになってんの…?メンバーインタビューだとTAKUROと亀田誠治で作りこんでからメンバーが音を加えていく制作手法もあるみたいだし、思った以上にズッブズブのようだ。他のプロデューサーと違う亀田誠治のハッピーな人柄で現場が楽しいとは良く言われている事だがいくらいた方が現場の空気がいいからってちょっとくっつきすぎじゃないかとは思ってしまう。

そんなわけで楽曲自体は80KIDZの要素が強い異色のデジデジアップナンバー。本流とは外れる感じでまあたまにはこういうコラボがあってもいいけどメインにはしないでね…というのが正直なところ。
★★★☆☆

3.クロムノワール

テレビ東京系『WBS ワールドビジネスサテライト』テーマ曲。作詞作曲はTAKUROで編曲はGLAY&亀田誠治だが、ドラムはこれまた打ち込み。ややお疲れ気味な雰囲気の暗めのナンバー。『FREEDOM ONLY』中盤でもこの方向性の近い地味曲が続いていたのでまあこういうモードに浸る部分も今のTAKUROは多いのかなぁ…とは思う。シングルとしては打ち込みで統一された形となったが、いつものGLAY感はあまりないのでちょっと変わったシングルになった。
★★★☆☆

4.WE♡HAPPY SWING

7月31日の幕張メッセでのライブ音源。7月31日に幕張メッセでファイナルを迎えたファンクラブ発足25周年アリーナツアー『GLAY LIVE TOUR 2022~We♡Happy Swing~Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』のため書き下ろした楽曲。1stアルバム『SPEED POP』収録曲「HAPPY SWING」がファンクラブ名称となったため、今作でのHAPPY SWINGはFCを指していて楽曲「HAPPY SWING」の続編的なニュアンスは無いものと思われる。メンバーインタビューによればスタジオ録音版も既にレコーディング済みとのこと。亀田誠治はライブには参加していないため、参加していない音源にまでくっついてくることはさすがにしておらず編曲は久々のGLAY単独名義。そしてライブなのでサポートドラムのTOSHI NAGAI氏もドラムとして今作で唯一表記されている。

あえて観客と掛け合いできる部分も作っているが当然声を出せないのでライブ音源ながらライブ感に乏しい部分もあり、公開録音1発録音(拍手OK)みたいな感じ。今作の3曲が打ち込み異色アレンジなので勢いのある生のバンド演奏にやはりこれがGLAYだなという感覚になる。とはいえ曲は比較的内輪ノリでFC向けではある。
★★★☆☆

Blu-ray

「Only One,Only You」Music Video

メンバー3人はあまり変わっていない中でTERU氏は老けTERUになったり、太っTERUになったりと容姿が安定しない印象があるが今作でのTERU氏は全盛期からそのまま年齢を重ねた感じのカッコいい雰囲気になっTERU。こうなった時のGLAYは本当に今でもカッコいいな。

祝!GLAYシングル60枚目発売記念「60枚振り返りコメンタリー」

シングル60枚+「サバイバル」「いつか」「SCREAM」「Answer」を語るという110分に及ぶトーク。アー写をバックに小さく表示されるMV、曲名や発売日とジャケ写、そしてトーク内容がほぼ全文メンバー写真の下にテロップ表示されるという半分ラジオみたいな映像になっているのでメンバーの動いている姿は出てこない。和気あいあい盛り上がりながらなので脱線したり、曲に関係ない話も多いが、貴重な思い出話も多く長いには長いが面白い。この時代にパッケージで出して手に取らせるだけの手間をちゃんとかけた企画だなというか。まあメンバーよりもほぼ全トーク文字起こししてテロップにまとめた編集担当者がマジお疲れ様という作りではあるけど。

さすがに1作にそんなに時間をかけられないため、複数A面がスルーされたり、特に後半にかけて『G4』シリーズなどは全く触れずにすっ飛ばされる曲も増えてくるし、『G4』が連投されるのでその『G4』には何が収録されていたのかメンバーがパッと思い出せなかったりもするので少々振り返りが雑になってくるのは仕方ないか。トークはほぼTAKUROとHISASHIが多く喋っていてその合間にTERU、そして時々しか喋らないけどけっこうビシッと重要な話を出してきたりと発言に無駄がないJIROといったバランス感覚。そのJIROが終盤にかけてほぼ喋らなくなってしまうのが少々残念だったりはするが…。

それでもこれが今作最大の価値だった。

『GLAY LIVE TOUR 2022~We♡Happy Swing~Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』ライブ映像

都忘れ
GALAXY
クロムノワール

7月に大阪城ホール、宮城ゼビオアリーナ仙台、千葉・幕張メッセで2日ずつ行った最新ライブから3曲を収録。CDでは7月31日音源と明記されていたが今作も同じ日だろうか。「都忘れ」は『BELOVED』収録曲、今作収録の2曲は配信で発表済みだった。「GALAXY」「クロムノワール」はCDでは打ち込みなのが生バンド演奏という違いが楽しめる。

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