空っぽの心/SARD UNDERGROUND

2022年5月18日
初回限定盤、名探偵コナン盤、通常盤
初登場6位　売上0.96万枚

1年3ヵ月ぶりのシングル。2月のZARDトリビュート以来のリリースだが新曲は昨年9月のアルバム以来となる。

3種発売は過去3作同様だがこれまで曲違いは2パターンに留まっていたところ、今作では3種全て初出カバーでC/Wが異なる。またコナン盤にカラオケ(off vocal)収録の代わりにTV sizeを収録
。これに伴い「悲しいほど貴方が好き」だけカラオケ(off vocal)が収録されていない。

配信では4曲セットのみ。カラオケやTV sizeは配信されていない。また例によってB社がAmazon Musicのみ拒絶しており配信されていない。

1.空っぽの心

アニメ『名探偵コナン』エンディング。作詞は神野友亜、作曲は小澤正澄のオリジナル新曲。PAMELAHとして活動していた小澤正澄だがZARDでは「汗の中でCRY」の編曲、「愛が見えない」の作曲しかやってなくてほぼ起用されなかったのであまりZARDの作家のイメージは無いが、「愛が見えない」のスピード感は今作にも通じているところはある。ただコナン的には小澤正澄の作編曲だった三枝夕夏 IN db「君と約束した優しいあの場所まで」とかあの辺の三枝夕夏 IN db的なデジロック感の方がZARDよりも近いかもしれない。クレジットされていないがMVとライブに参加しているギターとドラム岩井&車谷はdbメンバーでもあるし。あとこのアップテンポがOPじゃなくてエンディングなの…！？

ZARDっぽくないというのはいつまでもZARDコピーしてても発展が無いのありだと思うし、勢いのあるアップテンポで爽やかなだけではない新しい一面も見せていていいんじゃないかとは思う。とはいえまたしても大ベテラン作家の起用であり、マジで20代の新鋭どころか30代40代の作家もいないのか…とは思ってしまう(90年代勢では比較的若手だった徳永暁人も去年で50歳である)。
★★★☆☆

2.I still remember

初回限定盤のみ
5thアルバム『OH MY LOVE』収録曲のカバー。『ZARD BEST～Request Memorial～』『ZARD Forever Best～25th Anniversary～』にも選曲された事のある全盛期人気バラードの1つ。王道のカバーでここまで来るとそういえばまだカバーしてなかったんだな的な残された曲の1つといった感じも。普通にいい曲、いい歌唱だが今作で唯一コナン無関係な曲なのでちょっと浮いている。
★★★☆☆

2.悲しいほど貴方が好き

名探偵コナン盤のみ
2006年の41stシングルで生前ラストの1つ前という末期のシングルで坂井泉水の生前最後(存命でタイアップを確認した）最後のコナンタイアップ曲。コナンタイアップ繋がりでのカバーと思われる。葉山たけしの復活で原曲ではアレンジがけっこうがっしりしていたので全盛期シングルと同じように鶴長コンビのアレンジになるとそれが軽くなるというライトな仕上がり。末期の坂井泉水のボーカルはやはり苦しそうな面もあったのは確かで今作ではうまい具合に悲しさに転化させていたようにも思うが、今回の余裕ある感じのボーカルもまた王道的でありだとは思う。
★★★☆☆

3.空っぽの心(TV size)

名探偵コナン盤のみ
実際にコナンでOAされているTVサイズのバージョン。ZARD本家にならってTVバージョンとCDのアレンジが全く違うとかそういう事もなくきっちりショートサイズでそういうのに限って音源化されるのも世の常か。
★★★☆☆

2.明日を夢見て

通常盤のみ
2003年の35thシングル。当時長くリリースが滞っている中での事実上の再始動作となったが、作風がすっかりGIZAに染まって軽くなっていた時期だけに鶴長コンビでのアレンジでも原曲よりはシャッキリしたサウンドに生まれ変わった。やはり01～04年辺りの曲なら元が軽すぎるので鶴長アレンジでも厚みが出て王道に近づく感じが出てくる。今作の中では無難の域を越えて好印象のカバー。

これも当時のコナンタイアップだがコナンで使用された徳永暁人アレンジとCDの小林哲アレンジはまるで別物だったが、今作はCD版準拠。どうせならコナン繋がりでコナン版準拠でやっても面白かったのに。

そして生き急いでコナンタイアップ曲のカバーを一気に2曲も放出してしまい、生前のコナンタイアップのカバーは全部終了してしまったと思うんだけど(没後の「グロリアスマインド」と「翼を広げて」を残している）、次にコナンが回ってきたらどうするんだろう。
★★★☆☆