2024年10月の配信シングル(前編)

モノトーン/YOASOBI

2024年10月2日
日本語バージョン「モノトーン」を1日、英語バージョン「Monotone」を2日に2日連続配信。CDは『モノトーン』として10月2日に原作小説付の完全生産限定盤として発売。2バージョンに加えてMovie EditとInstrumentalも収録されている。配信では「モノトーン」、「Monotone」の個別配信のみとなっていてMovie EditとInstrumentalはCD限定。

オリジナル長編アニメーション映画『ふれる。』主題歌。”『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011、2013)、『心が叫びたがってるんだ。』(2015)、『空の青さを知る人よ』(2019)“心揺さぶる”青春三部作を手がけた、監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀の三人が贈る、オリジナル長編アニメーション最新作”とされる。例によって主題歌だけでは引き受けないので脚本の岡田麿里が書き下ろした小説『ふれる。の、前夜。』を原作としている。

標準的ないつものYOASOBIっていう以上の印象が抱きにくい普通にいい曲。ちょうど2019年10月1日の結成から5周年ということもあり原点回帰的な感じもあるか?映画の方もあまり話題になっていないようだが…。
★★★☆☆

close your eyes/宮本浩次

2024年10月1日
ツアー「ソロ活動五週年記念ツアー 今、俺の行きたい場所」初日の配信。昨年11月のカバー「Woman “Wの悲劇”より」以来のソロ名義だが、オリジナル新曲としては2021年10月のアルバム『縦横無尽』以来3年ぶり。昨年はエレファントカシマシに戻ってのシングルCD2作をリリースしており、新曲自体は1年ぶり。

ソロではまた小林武史プロデュースに戻っており、今はこっちの体制の方がしっくりくるのだろうか。歌・アコギ:宮本浩次、Produced by 小林武史、Keyboards:小林武史、Guitar:名越由貴夫、Bass:須藤優、Drums:玉田豊夢、Violin:沖祥子、Cello:四家卯大、Strings Arranged by 小林武史となっている。ストリングスを使っているがたった2人、四家卯大も参加しているがストリングスアレンジには四家卯大が参加しておらず小林武史単独。本格的なストリングス隊を招いての編成ではないため、単に身内の奏者を呼んだだけという事か。

特有のコバタケェ感(?)は今回も薄めで、宮本節の方が強く感じられ、相性は確かにいいのかもしれない。しかし35周年でようやくエレカシが本格新作再開したと思ったのにアルバムに至らずにまたソロになってしまう上に、無理やりソロをやる理由に周年持ってきたようなソロ5周年掲げは気になるところ。2019年にアミューズに移籍した途端にソロ活動メインになり、2024年になってアミューズから独立した途端にまたソロというのも良く分からない。でも昨年の2シングルよりも好印象な曲でもあるんだよな。
★★★☆☆

Same Blue/Official髭男dism

2024年10月2日
アニメ『アオのハコ』 オープニング。10月3日に初回放送に先駆けての配信。

タイアップ渋滞が始まっているが、まだまだ問題なく安定のヒット曲連発モードといった風格。
★★★☆☆

カラフル/SHISHAMO

2024年10月2日
日本テレビ系「ズームイン!!サタデー」テーマ曲。10月5日の使用開始に先駆けての配信。長年歌モノのテーマ曲が無く、継続してタイアップになったのは2020年頃からのようだが、2年使われたLiSAからの交代。

久々に広く聞かれるのを意識したのか「明日も」ほど分かりやすくポップではないが、ブラスを導入してみたりと普段よりは格段に外に向いた開いた1曲。このくらいのポップさが標準だったら「明日も」以降もっと売れたんだろうけどねぇ…。
★★★☆☆

風は秋色/ClariS

2024年10月2日
16日発売カバーミニアルバム『AUTUMN TRACKS-秋のうた-』からの先行配信2曲目。松田聖子の1980年3rdシングルのカバー。連続して昭和末期のアイドルカバーとなったが、秋の曲が多かったのってこの時期なのだろうか。哀愁とかそういう要素がトレンドだったとか。
★★★☆☆

きのこいぬ/HY

2024年10月4日
アニメ「きのこいぬ」OP。6月のベスト盤以来の新作。

まさかのアニメ名そのままなテーマ曲。そうなってくるとキッズソング的なノリなのかと思ったが、いつもの明るくポップ路線なHYだった。ラブソングと三線で選曲したベスト盤では選曲されにくかった方向性なので次の一手としてはありかも。
★★★☆☆

MASCARA/King Gnu

2024年10月4日
9月25日発売ライブBlu-ray『King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME』完全生産限定盤/通常盤共に付属していたCDに収録されていた楽曲。ライブ映像のライブ音源配信と同時にこの曲も単独配信された。常田大希が2021年8月にSixTONESへ提供したシングル「マスカラ」のセルフカバー。SixTONESはサブスクをやっていないため、サブスク上での聞き比べは出来ないが、YouTubeのMVはあるので一応公式音源での聞き比べは可能。

SixTONESというかこの辺りからのJニーズは最早デビュー曲でさえも耳に入っているか怪しくなっておりオリジナルも聞いたことが無かったが、そのままいかにもKing Gnuといった感じ。提供だからと意識したのではなくそのまま1曲差し上げた感じだったのだろうか。
★★★☆☆

イルミネーション/B’z

2024年10月7日
1年3ヵ月ぶりの新曲(カットを除く新曲配信では2年4ヶ月ぶり)。例によってAmazon Musicは拒絶されており、それ以外のDL/STサイトでの配信。DLでは圧縮のみ。

NHK連続テレビ小説『おむすび』主題歌。放送開始から1週間後(第2週初日)に配信。今年はソロ活動を行っており、B’zの活動はタイアップ依頼による単発的なレコーディングと思われる。発売後に徳永暁人がアレンジとベースで参加したと発表、YTではなく徳永アレンジ参加が判明し、シングル表題曲では2007年の「永遠の翼」以来(2008年の『BURN -フメツノフェイス-』C/W2曲は恐らくアウトテイクでここまで参加)となった。2020年の配信企画ライブの際にベースサポートで久々に参加していたものの制作では今年稲葉ソロでは徳永暁人を呼び戻しておりTAKソロではYTのままだったが、稲葉ソロの流れでの参加か。

前作「STARS」はYTのままで90年代を思わせるポップさが加味されていたが、今回もその延長でさらに90年代っぽいポップさが戻っているように思う。あの頃のB’zっぽさを感じるリスナーも多いのではないか。ただ徳永が参加していたのは実は90年代はほとんどなく、1997年の『SURVIVE』の頃が初参加だが明石昌夫の起用も続いていたのですぐに一旦離れ、再度関与するようになったのは2000年代になってから。「ultra soul」~「永遠の翼」辺りまでのシングルとなり、その頃のイメージとはまたちょっと違う。

朝ドラとなるとロックバンドも必要以上に爽やかさを意識しすぎてしまい、Mr.ChildrenもスピッツもBUMP OF CHCKENも抑えめのサウンドに徹していたので朝ドラ主題歌としてはかなり”うるさい”方ではあるけど、そもそもB’zに主題歌を依頼したという時点である程度エレキギターが鳴り響くサウンドを求めていたはずで、今作のさじ加減は絶妙だと思う。
★★★★☆

No Where Now Here/秦基博×ハナレグミ

2024年10月9日
11月のコラボアルバム『HATA EXPO -The Collaboration Album-』からの先行配信。10月5日から日本テレビ「ぶらり途中下車の旅」テーマ曲に起用されているのに合わせての配信。1クール交代だったのが何故か前任のMONKEY MAJIK「Borderline」は2クール使用されていたので今回1クールに戻るのか(12月まで)、2クール(来年3月まで)になるのか…。

ゆったりした雰囲気が心地いいミディアムナンバー。前回のsumika同様にあまり秦基博っぽくなく、相手の影響がかなり強く出ているように思う。寡作になって何年も経ち、深化というよりも単純にパッとしない印象になってきていた正直苦しい状況の中でこのコラボ展開は最適だったのかもしれない。思ったより面白いアルバムになりそうだ。
★★★☆☆

おはようの唄/伊藤万理華

2024年10月9日
10月11日公開主演映画『チャチャ』主題歌。撮影が終わる頃に監督が主題歌をチャチャに歌ってほしいと言い、チャチャ演じる主演の伊藤万理華が快諾した事から主題歌に決まったとされる。乃木坂46時代の個人PV(シングル初回盤DVD収録)で数曲のオリジナルソロ曲を発表し、独特の雰囲気から当時の乃木坂ファンの間では伊藤万理華個別のファンでなくても広く知られるくらいには一定の支持を獲得していたものの、正規のソロ曲は無く、2017年に卒業。今作が初の正規音源発売されたソロ曲となる。

けっこうアート系の個性派俳優路線を突き進んでいたが、まさかのアイドルっぽい曲。どこか破天荒な勢いもあるアップナンバー。ゼロの状態じゃ絶対歌ってくれなさそうな曲だが、こういう役なので役としてOKという事だったのだろうか。
★★★☆☆

秋のグラディエント/ClariS

2024年10月9日
6日発売のミニアルバム『AUTUMN TRACKS-秋のうた-』からの先行配信3曲目。カバーではなくオリジナル新曲。これで5曲中3曲が先に出てしまい、残るは2曲となってしまったが…。

作詞:長沢知亜紀,永野小織、作曲:ha-j,PA-NON、編曲:長沢知亜紀,永野小織。『ClariS〜SINGLE BEST 2nd〜』にカレン在籍時最後の新曲が収録されるため、今作はラスト1つ前の新曲となる。秋に出す秋の新曲として実に秋らしく、大人のClariSとしてもピッタリハマった感のある1曲。個々でも歌は上手だが、やはりデュオとしての良さがあるので、ソロで活動続けると魅力半減どころじゃ済まないような気もする。
★★★☆☆

かくれんぼ/生田絵梨花

2024年10月9日
NHK「みんなのうた」10-11月度。公式X(Twitter)こそ前日に告知してアイコンもジャケ写に差し替えたが、公式サイトはスルー、ソニー側のサイトでもディスコグラフィーにこっそり追加するもニュースは4月のEP発売前の告知を最後に止まったままで各ニュースサイトで小さく配信が報じられるのみというやる気の無さでひっそり配信された。曲はとっくにあったのにEP出すタイミングも明らかに遅すぎたし、こんなんで大丈夫なんだろうか。ミュージカルシンガー枠で音楽特番でミュージカル曲歌いに出てくる系シンガーとしては当面大丈夫そうではあるけど…。

作詞は生田絵梨花,矢吹香那、作曲は矢吹香那、編曲は前口ワタル。「みんなのうた」だしもっとゆったりまったりした曲かと思ってたら意外とテンポ感のあるポップスだった。予想外に好印象だけど、売り方のやる気の無さは一体なんなんだろう。
★★★☆☆

ドラマティックおいでよ/いきものがかり

2024年10月14日
ドラマ『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』主題歌。結成25周年記念日11月3日の「会いたい」はCD発売も決定しているが、こちらは配信限定。2019年に活動再開してからシングルCD1枚だけでほぼ配信に移行状態だったのが、この1年でシングルCD3枚(今年2枚)リリースするなどシングルCD復活傾向にあったが、アニメタイアップが連続したためでドラマタイアップ程度では配信で十分という事なのか。

ドラマタイアップでもバラードに走らずに明るいアップテンポ。初期を思わせるこれぞいきものがかりな王道ポップス。ここまでバラードを回避しまくるようになるとは3人時代には想像もできなかったけど、もう壮大バラードは世間に飽きられたという認識が水野良樹の中に芽生えたのだろうか。
★★★★☆

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