2024年11月の配信シングル(後編)

Azalea/米津玄師

2024年11月18日
Netflixシリーズ『さよならのつづき』主題歌。わりとさっぱりしたアレンジのシリアスなナンバー。曲自体は米津節というか、王道安定な感じの米津っぽい曲といった印象。普通にいい曲。
★★★☆☆

なんてたってアイドル/AKB48

2024年11月19日

岩立沙穂、大盛真歩、小栗有以、倉野尾成美、佐藤綺星、下尾みう、鈴木くるみ、千葉恵里、橋本恵理子、水島美結、向井地美音、武藤小麟、村山彩希、山内瑞葵、秋山由奈、八木愛月

12月25日のカバーアルバム『なんてったってAKB48』先行配信。小泉今日子(1985)のカバー。今回のカバーアルバムは秋元康の作詞した過去のアイドル曲カバーではないが、秋元康の作詞した曲がリード曲となった。作曲は筒美京平。一応これが通常のシングルに準ずる選抜メンバー曲という事になる模様。30歳になった岩立沙穂が今になって選抜入りしてるのがトピックか。ここまで続けた根性を買って「なんてたってアイドル」を歌うにふさわしいと判断されたのだろうか。なお他にも鈴木くるみ、武藤小麟はシングル選抜経験が無かったメンバーとなるが、「恋 詰んじゃった」からは5人外しているので曲に合わせて振り分けただけでシングル選抜とは少し違うのかも?

“アイドルの曲”というと昨年からYOASOBIに塗りかえられた感もあるが、作詞家が今一度思い出してくれアイドルが何かを歌ったザ・アイドルソングはこの曲なんだ!と世間に訴えかけようとしているのかな?と思うようなタイミングでドロップされた。真新しい部分は無く、なんか音楽特番の企画でカバーしたようなカラオケ感の強さがなんとも…。久々のアルバムが過去の遺産でいいのだろうか。そういえばモーニング娘。も人気が落ちて世間にいつシングルが出たかも認知されなくなった時期(AKB48がキングに移籍して「大声ダイヤモンド」リリースした1ヶ月後)に阿久悠縛りの『COVER YOU』出して大コケ(27位)したのを思い出した。
★★★☆☆

一度死んだぼくら/熊木杏里

2024年11月20日
27日発売のアルバム表題曲の先行配信2曲目。ほぼ繰り返しでシンプルさを強調した表題曲の前作に対して、今作はアルバムのサウンドを示したもう1曲といったところか。今回のアルバム、ピアノクレジットが1曲ある以外はアレンジャーによるAll Instruments表記のみでギターのクレジットすらなく、これまでアコースティックギターの伴奏にしていたようなところも全部シンセサウンドで埋めているのでアコースティックな味わいが皆無という点で新しいんだけど、生演奏感が皆無でもあるので判断が難しいところ。曲自体も言葉がいかに刺さるか以外はフツーだしな…。
★★★☆☆

snow loop/rumania montevideo

2024年11月20日
1999年にコナン主題歌(ED)の「Still for your love」がいきなりトップ10ヒットしてアルバムもトップ10ヒットしたGIZA所属だった5人組バンドだったが3枚目のアルバムを最後に当時のGIZAお得意の凍結フェードアウト。2019年にメインライターだった三好誠がボーカルで姉の三好真美と2人で再始動すると発表し、2019年12月にGIZA御用達だったhills パン工場でライブを開催。不参加のメンバー3人も会場に訪れて5人が現地で再会していた事も明かされていたが、2020年3月に予定されていた2本目のライブは世界変異で中止となり、さらに既に音楽業界を全員引退して別仕事が本業なようで三好誠の地方転勤を理由にライブは難しくなると発表。2021年には今度は元少年ナイフのLitsukoと三好誠がユニットmophing peopleを始動させライブに三好真美がゲスト出演するなどあったようだがここ数年はこれといった音沙汰が無くなっていた。

水面下では色々やっていたらしく、今年になってアルバムを制作していると発表。GIZAとの契約は終了していて自主制作のようでCDは一般発売はされないようだが先行配信として発表された今作は一般配信された。来年のライブも既に発表されている。

スペシャルゲストDr:山中綾華
Key:古井弘人
Dr:マエノソノマサキ(8otto)
Ba:Litsuko(ex少年ナイフ)
Cho:岡崎雪
Gt:マッシュ(オリジナルメンバー)
Gt:RentaP

というサポートメンバーが発表されており、山中綾華は脱退したMrs.GREEN APPLEのドラマーである。いつの間にか残りのメンバー3人のうちギター間島和伸も復帰していたらしい。ていうかこれまで窓口として告知してたの三好誠だったのになんでニュースになった際にはいきなり間島氏のコメントだけ出てくるんだ…

結局「Still for your love」がダントツで良かったという印象は変わらず、一応全アルバム聞いたけど超にわかなままではあるが、そんなイメージで聞いてもrumania montevideoっぽい曲だなという印象。声があまり変わってないのが大きいんじゃないかと思う。しかし打ち込みドラムの音がデモみたいにモロ機械的なパスパス音なのが妙に目立つな…。もうGIZAじゃないんだからそんなところはGIZAっぽくしなくてもいいのに
★★★☆☆

TATTOO(feat. 中森明菜)/香取慎吾

2024年11月20日
27日の配信アルバム『Circus Funk』からの先行配信2曲目。中森明菜(1988)の御本人参加によるカバー。アレンジと演奏はSOIL&“PIMP”SESSIONS。リアルタイムでの印象って90年代後半~00年代序盤にかけての『CDTV』の下位にランクインしてきている80年代の過去の人っていうイメージしかなかったし、程なくして休止状態となって、いつ復帰か?今度こそ復帰か?今年の紅白で復帰か?(なんか1回本当に復帰したことあったような…)“ここ10数年ずーっと復帰待望され続けている過去の人”イメージなんだよなぁ…。

1位を連発していた人気絶頂期後半のヒット曲…だが中森明菜はほとんど曲も知らず聞いても分からなかった。原曲よりも濃厚な雰囲気で派手になったカバーでジャズとかファンクとかの色が濃厚。それよりも原曲と異なる完全におばあちゃん声の低音ボイスになっている中森明菜にビックリ。御年59歳で体調不良で長期休業状態が続いているのを思えば全盛期並にバリバリ声が出るはずもないが、それでも思った以上に声が老け込み過ぎてて驚いた。香取慎吾のキーに合わせているのでこうなったというところもあるのかもしれない。
★★★☆☆

Chururi(feat.松たか子)/ゆず

2024年11月27日
先行配信を除くと前作に該当する配信シングルで『図鑑』にも収録されていた「Chururi」の松たか子をゲストボーカルに迎えた別バージョン。元々タイアップ先の日産サクラのCMに松たか子が出演しており、タイアップの縁でゆずもカメオ出演し、ゆずと松たか子の3人歌唱バージョンがCMでは使用されていた。当初は本当にCM限定でリリースするつもりが無かったので使用されているサビ部分しかレコーディングもしていなかったが、このたび松たか子に正式なコラボ(フルサイズ歌唱)をオファーして北川悠仁のプライベートスタジオでフルサイズでレコーディングして歌い分けも新たに構築したとされる。

曲自体の印象は同じだが(アレンジは同じだし)、松たか子とのコラボはバッチリハマっていていい感じ。
★★★☆☆

ビターバカンス/Mrs. GREEN APPLE

2024年11月29日
3ヵ月ぶりの新曲。5ヶ月連続配信もあったのでこれで2024年7曲目となった。このままアルバムを出したとしてもとっくに既出曲最多コースになってしまいそうだが…。

辛かったら休めばいい(超訳)という寄り添い系応援ソング。超多忙を極める大森元貴がこれを出してくるというのも凄いが、多忙な日々の中での言い聞かせ&自分は大丈夫だよ適度に休めているよというメッセージも込められているのだろうか。『The White Lounge in CINEMA-Original Soundtrack-』でもピアノの活躍が目立ったが、今作は最初からピアノロック的なピアノが目立ちまくるアレンジになっており、藤澤涼架がメチャメチャ活躍してそう。基本的に大森の才能が1人大爆発したワンマンバンドで、インタビューでも語っていたようにアレンジもバンドで練るのではなく大森が1人手掛けてきてメンバーは指示通りに演奏するだけというのが基本体制となっているようで、ソロパートを考えただけで編曲をバンド名義に変えてしまうくらい大森氏がソロ志向ではなくバンド仲間を必要として大事にしている印象であった。それゆえか特定のメンバー演奏楽器が特段目立つ曲ってほとんどなかったように思うんだけど、今回のようにピアノ目立つなと思うくらい目立つのはちょっと新しいのでは。
★★★☆☆

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