2024年8月28日
完全生産限定盤
初登場10位 売上0.8万枚
10ヶ月ぶりのシングル。10月のアルバム『Precious Days』への先行シングルでもあるためか、最初から完全生産限定盤1種のみとなっている。C/Wはアルバム未収録の未発表洋楽カバー2曲と「元気を出して」のリマスターを収録。カバー音源にはカラオケは無いのでOriginal Karaokeは「歌を贈ろう」「元気を出して(2024 New Remaster)」の2曲のみの全6曲仕様。
今作では4曲全てに本人のライナーノーツが掲載されている。
前作も表題1曲しか配信しなかったが今作はしれっと完全スルーしており、配信(DL/ST)には出ていない。
1.歌を贈ろう
ドラマ『素晴らしき哉、先生!』主題歌。主演の生田絵梨花がBackground Vocalsとして参加しており、一部単独パートもある。MVにも出演(というか主演)しており、ブックレットには2人の2ショットも掲載された。
安心安定のいつものミディアムという最早昔からあった過去曲のようなド王道曲。主人公を励ます視点で描かれており、友人を励ます「元気を出して」とどこか重なる部分もある。ライナーでも触れているので実際にそこは意識されており、「元気を出して」の最後に薬師丸ひろ子がコーラス参加したのをなぞるかのように最後のサビのラララ歌唱の部分のみ生田絵梨花の単独歌唱となり、続けて竹内まりやのメインボーカルに戻った後も最後までコーラス参加。生田絵梨花の歌唱には少々堅物感があってミュージカル歌唱癖が出てしまった感じも少しある。もう少し力を抜いて伸びやかにラララしてもよかったんじゃないかとはちょっと思った。
★★★★☆
2.The Last in Love
Nicolette Larson(1978)、J.D.Souther(1979)のカバー。J.D.SoutherとEaglesのGlenn Flyの共作でNicolette Larsonのデビューアルバムに提供し、翌年にJ.D.Southerが自分でも歌ったという楽曲。山下達郎のラジオ番組「サンデー・ソングブック」のコーナー「まりやの課外活動」でカバーしていた音源の1つで2015年12月レコーディングと明記されている。9年前じゃねーか…。センチメンタル・シティ・ロマンス+佐橋佳幸による演奏。「まりやの課外活動」音源は『Turntable』DISC-3『Premium Covers』で多数の楽曲を初音源化していたが、まだまだ未発売音源があるのでこの機会に出したという事だろう。
センチメンタル・シティ・ロマンスの中野督夫は2018年にくも膜下出血で倒れ、『Turntable』発売時(2019年)は存命だったが、2021年に亡くなった。竹内まりやにとっては2015年12月レコーディングのこの音源が中野督夫との最後のセッションになったとされている。またJ.D.Southerも今作発売後9月に78歳で亡くなっていた事が公表されている。
他の『Premium Covers』同様古い洋楽スタンダードといった感じだが、聞き覚えが無く、まああのアルバムもこんな感じだったよね…くらいしか…。
★★★☆☆
3.New Kid in Town
Eagles(1976)のカバー。代表作アルバム『Hotel California』の先行シングルとして発売された曲で日本ではあまりヒットした形跡がなく誰もが知るレベルではないと思われるが世界的には人気が高い。先のJ.D.SoutherはEaglesのメンバーではないが共作も多く手掛けておりこの曲もクレジットはJohn Souther,Don Henley,Glenn Frey(オリジナルだとJohn David Souther名義だが今作ではDavidがカットされて2曲ともJohn Southerで表記されている)。なお今年リリースされたベスト盤『To The Limit:The Essential Collection』ではDon Henleyが関与した曲は全曲Don Henleyを1番目に表記させていたが、やはり忖度的な表記だったようで今作では元の名前の並びになっている。『Turntable』には「Tequila Sunrise」を収録していたが、同じ日にレコーディングした音源とされている。
こっちは原曲を聞いたことがあったが、Eaglesを聞いたのもここ数年の事なので馴染みのスタンダードレベルまでは至っておらず、これも世代の洋楽リスナー向けではある。
★★★☆☆
4.元気を出して(2024 New Remaster)
薬師丸ひろ子(1984)へ提供、1987年シングル『夢の続き』B面としてセルフカバーが初収録され、同年のアルバム『REQUEST』に収録、1988年にシングル表題曲としてシングルカットされた。リマスターも何度もされており、1994年のベスト盤『Impressions』、シングル『幸せのものさし/うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)』C/Wには’08 New Remaster、同年のベスト盤『Expressions』にも収録された。2017年の『REQUEST』30th Anniversary Editionが最新リマスターだったので7年ぶり最新リマスターとなる。
リマスターが何度目かというよりも、『夢の続き』B面、単独表題曲、『幸せのものさし/うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)』C/W(’08 New Remaster)に続く4度目のシングル収録、アルバム収録は『REQUEST』『Impressions』『Expressions』の3作で『REQUEST』だけでも1987年オリジナル、1992年再発リマスター、2017年30th Anniversary Editionリマスターの3マスタリング存在する。『REQUEST』を1作とカウントした場合はアルバムよりシングルになった回数が多いという稀有な存在に…。なおOriginal Karaokeは最初のB面でのシングルカットには無く、単独シングルカット時もカセット版のみ収録で長らくCDになっていなかったが、『Bon Appetit!』初回盤カラオケCDで初CD化されてからは、’08 New Remasterの時にシングルに収録、『Expressions』初回盤カラオケCD、『REQUEST(30th Anniversary Edition)』ボーナストラックでも収録されているのでカラオケ発売も通算5度目でこれまた全く珍しくはない。
一応直近ではアサヒ生ビールのCMソングというタイアップになっておりこれが収録理由で、前述のように表題曲と重なる部分もあるので何気に流れは合う。9年前2015年のカバー2曲と最新表題曲の声の違いはほとんど分からないが、2024、2015年の後に1987年当時の歌声が次に来るとさすがに若さは感じるな。
とはいえあちこちで聞いてきた曲なので今更2024リマスターと言われても全く分からないので手持ちの音源を並べてみた。1994年(1999年再発盤)『Impressions』ではまだまだ波形が小さく、『Expressions』でドカ上がりしている。実際に体感的には『Expressions』収録曲は全て『Expressions』が最大音圧で今となっては時代に合わせてやや過剰に攻めすぎた感はある。1st~8th『Quiet Life』までのオリジナルアルバムは2014年~2022年にかけて順次リマスターされているがいずれも『Expressions』よりは少し抑えた印象だった。これは実際波形でもそんな変化になっている。しかし2017年30th Anniversary Editionと今作の違いとなるとこれは…う~ん…(謎)。
★★★★☆
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