しおり
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Looking to the sky | 新山詩織 | 藤本貴則、新山詩織 | 笹路正徳 | |
2 | ゆれるユレル | 新山詩織 | RYOTARO、新山詩織 | 笹路正徳 | 1stシングル 最高57位 売上0.2万枚 |
3 | 今 ここにいる | 新山詩織 | h-wonder | 笹路正徳 | 4thシングル 最高45位 売上0.2万枚 |
4 | 「大丈夫」だって | 新山詩織 | ookumakunio、新山詩織 | 笹路正徳 | |
5 | たんぽぽ | 新山詩織 | 新山詩織 | 笹路正徳 | |
6 | Everybody say yeah | 新山詩織 | 田中明仁 | 笹路正徳 | |
7 | 午前3時 | 新山詩織 | 新山詩織 | 笹路正徳 | |
8 | ひとりごと | 新山詩織 | 吉木絵里子 | 笹路正徳 | 3rdシングル 最高39位 売上0.3万枚 |
9 | 17歳の夏 | 新山詩織 | 小澤正澄 | 笹路正徳 | |
10 | だからさ | 新山詩織 | 新山詩織 | 笹路正徳 | 0thシングル(公式サイト登録者に無料送付) バンドでのリメイクバージョン |
11 | Don't Cry | 新山詩織 | 新山詩織 | 笹路正徳 | 2ndシングル 最高38位 売上0.2万枚 |
※シングル200位以内データ
リリースデータ
2014年3月26日 | 初登場39位 | 売上0.5万枚 | Sound Produced by 笹路正徳 | Being |
新山詩織1stアルバム。13年4月デビュー。その前の12年12月に公式サイトでデビューを告知すると同時に「0thシングル」と称して「だからさ〜acoutic
version〜」を登録者全員に無料で名前入り直筆サイン入りシングルCDとして送付するというキャンペーンが行われた。今作ではこの曲はバンドアレンジでリメイクして収録している。レーベルはビーイングだが、音源制作は外部の人材が担当しており、笹路正徳とその馴染みのバンドメンバーが全面的に参加している。ディレクターこそビーイング所属の西村斗紀子が担当しているもののミックスやマスタリングなどエンジニアもほとんど外部の人材となっている。また作詞は本人の単独クレジットだがLyrics Adviserとして橘豊、中山加奈子がクレジットされている。よって将来移籍の際にケンカ別れしたりすると作詞クレジットがマキったり、アドバイザー役に対して会社側が軽い扱いをしているとサスケる可能性があ。初回盤はシングル曲のPVを収録したDVD付。また魔法のiらんどに掲載中のコラボ小説「卒業、春」を封入した卒業コラボ盤も存在する。
10代の悩みを全面的に打ち出した内容…というとYUIなどを思い浮かべがちだが、夢をかなえたいという強い想いが全面に出ていたYUIと異なり、新山詩織の場合は将来とか夢に対する言及はほとんど無い。自身の存在意義や自分を変えたいといった"現在"の自分自身に対するもどかしさや苛立ち(実際には「ゆれるユレル」などは中学時代の心境を歌っていると語られており、"過去"も含む)などが前面に出ているように思う。なので同じような悩みを抱えている10代にはとても共感できる内容だと思うし、たぶん同世代の頃に聞いていれば何かしら共感するところはあったんじゃないかと過去の自分を必死に思い返し遠い目になりながらなんとなくそう思った。ただ明るい曲はほとんど無いので、一部では能年に似ているとされているルックスにのみ魅かれて聞いてみても期待されそうなアイドル性はほとんど無い。10代に限らず集団の中でふいに孤独を感じた事など1度も無いとか自身の存在意義なんて考えねーよとかそもそもウジウジ悩むのは性に合わないなんていう人にはあまり届きそうにない。
一方でこの手の作風の宿命として人はいつまでもこのままでいられないのでこれから成長して考え方も変化して開放的になっていくと思われるがその過程で何か穏やかすぎる境地に落ち着いちゃったり、イメージが変わりすぎてしまうなどといった今後の難しさも恐らく彼女より一回り以上年上のリスナーなら容易に誰もが感じるんじゃないだろうか。
またmiwaとか家入レオなんかも聞いているリスナーは今作に対しては「妙にベテランっぽい」とか「妙に重い」、「妙にどっしりしている」といった感触を抱くのではないかと思う。今作は作風が暗めであるとか本人の声が低くて太めである事を抜きにしてもとにかくサウンド面で新人とは思えない妙な落ち着きと貫録がある。これは笹路正徳によるサウンドプロデュースの影響で演奏陣が全員新山が生まれる遥か前からプロとしてのキャリアを重ねてきた大ベテランだからだろう。演奏ミュージシャンを極力使用せずにアレンジャー自らギターやベースを録る以外は打ち込みとか、酷い場合はエンジニアもアレンジャーが兼任するとかいった人件費削減型の流行の音とは真逆の制作スタイルだ。たぶん10年経っても20年経ってもサウンドが色あせないのはこういった生音バンドサウンドで、個人的には理想的なスタイルではあるんだけど、打ち込みで済ませたライトなポップスを聞きなれた感覚で行くとこれがとっつきにくさに繋がるんじゃないかという気もする。
などつらつら書きつつ、サウンドは安定感があるとしてメロディー面で強く魅かれるところがあるわけではなかったし、やはり1番の魅力は歌詞も含めた作風にあるタイプのミュージシャンだと思う。たまたま0thシングルの存在を知り、直筆サイン入りをもらえたという縁でなんとかここまで聞いてきたが、個人的にはちょっともう対象圏外だったなという印象。
印象度★★★☆☆