early summer 2022

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 風を待って 小田和正 小田和正 小田和正 1st配信シングル
2 坂道を上って 小田和正 小田和正 小田和正 30thシングル4A面3曲目
3 小さな風景 小田和正 小田和正 小田和正 30thシングル4A面4曲目
4 この道を 小田和正 小田和正 小田和正 30thシングル4A面1曲目 最高4位 売上8.8万枚
5 so far so good 小田和正 小田和正 小田和正 3rd配信シングル
6 ナカマ 小田和正 小田和正 小田和正  
7 こんど、君と 小田和正 小田和正 小田和正 2nd配信シングル
8 この日のこと 小田和正 小田和正 小田和正 未発売曲(『クリスマスの約束』テーマ曲として2001年に制作)
9 会いに行く 小田和正 小田和正 小田和正 30thシングル4A面2曲目

リリースデータ

2022年6月15日 初登場3位 売上11.8万枚 Produced by 小田和正 Little Tokyo(Ariola JAPAN)

小田和正10thアルバム。ベスト盤『あの日 あの時』から6年2ヶ月、オリジナルアルバムとしては『小田日和』から8年ぶり。前作以降『あの日 あの時』に新曲2曲が収録されたのみでしばらく新曲リリースが無かったが、18年5月に4A面シングル『この道を/会いに行く/坂道を上って/小さな風景』を発売。今作はこれ以来4年ぶりのCDでもある。2019〜2020年は新曲発表は無く、2021年から2022年にかけては配信で3曲リリース。今作にはこれら7曲全てが収録された。また2001年『クリスマスの約束』番組開始時にテーマ曲として制作されたもののこれまで未発売だった「この日のこと」が初収録となった。このため純粋な新曲は「ナカマ」1曲のみとなる。通常盤1種のみの発売。

前作制作時に自身の年齢を考えてあと何枚出せるか、最後から2番目という気持ちで頑張っていきたい、とアルバムに向けて決意を語った事から"最後から2番目の(オリジナル)アルバム"と宣伝されていたため、今作が最後のアルバムになるはずだが、今作に向けては特に最後のアルバムとするコメントは出ていない。前作はあくまでその当時そういう心構えで制作したというだけで、今作が最後という意識は特にないものと思われる。なお1週間後に発売された山下達郎は現役続行のコメントを添え、2週間後に発売された吉田拓郎は明確にラストアルバムを銘打っていた。

今作は10曲に満たない曲数な上に、2018年の4A面シングルと2021年の配信2作、2022年の配信1作をまとめただけで新曲が1曲しかない。これまで音源化していなかった「この日のこと」まで引っ張り出しても9曲というのは曲作りよりもツアーの準備をしているような状況で(自粛で声が出なくなったとも言っていたし)、すぐレコーディングできるようなストック曲も無かったのだろうか。

タイトルにしても曲調にしても過去にあったような曲が並んでいて、最早新しい要素は無いがミディアム前後(アップテンポまではもう行かない)の楽曲が並んでいて安心安定のクオリティ。聞き終えての満足度はそれなりに高い。9曲37分程度で終わってしまう短さだが逆にダレずにもう1周できてしまうようなさらっとした味わいが心地いい。一方でオリジナルアルバムというよりはやはり前作以降のシングル集でしかない感じはあり、元々シンプルだったとはいえ、線画イラストだけのジャケット、ブックレットも背景真っ白で歌詞とクレジットがシンプルに印字されただけ(一応表紙と裏表紙の裏側は真っ赤で目次は灰色っぽい)と極度にシンプルさを突き詰めている上に、タイトルも2022年6月15日発売なのでそのまま。実際には2018年から制作してきた曲が入っている上に季節もバラバラなのでタイトルと楽曲にほとんど関係はない。ここまで来るとさすがに小田和正本人の中でもオリジナルアルバムを作ったという意識があまりなく、久々のツアー前に『あの日 あの時』以降の新曲をまとめておくことを要請されて了承しただけなんじゃないかという勢いではある。

前作で示唆していた最後のアルバムというのはまだ先にあると思いたい。

B09YXYNVT5 

印象度★★★★☆

2022.7.23更新

戻る