LOOKING BACK 2

No タイトル 作詞 作曲 編曲 オフコース原曲 備考
1 風の街('01) 小田和正 小田和正 小田和正 - 20thシングル 最高22位 売上3.2万枚
2 夏の別れ('88) 小田和正 小田和正 小田和正 36thシングル(カット) 20thシングルC/W
3 she's so wonderful('88) 小田和正 小田和正 小田和正 35thシングル(カット)  
4 愛の中へ('81) 小田和正 小田和正 小田和正 22ndシングル(アルバム同発)  
5 言葉にできない('82) 小田和正 小田和正 小田和正 23rdシングル(カット) ライブ音源にストリングスを足したもの
6 さよなら('79) 小田和正 小田和正 小田和正 17thシングル  
7 あなたのすべて('78) 小田和正 小田和正 小田和正 14thシングル 18thシングル『こんな日だったね』C/W
8 こころは気紛れ('77) 小田和正 小田和正 小田和正 10thシングル(カット)  
9 愛のうた('75) 小田和正 小田和正 小田和正 3rdアルバム『ワインの匂い』収録曲 16thシングル『伝えたいことがあるんだ』C/W 一部差し替え
10 もう歌は作れない('74) 小田和正 小田和正 小田和正 5thシングル 19thシングル『woh woh』C/W
11 君住む街へ('88) 小田和正 小田和正 小田和正 34thシングル  

リリースデータ

2001年5月16日 初登場1位 売上60.7万枚 Produced by 小田和正 ファンハウス

小田和正2ndセルフカバーアルバム。オリジナルアルバム『個人主義』から1年1ヶ月ぶり、オフコース時代の楽曲をソロでセルフカバーした96年の『LOOKING BACK』の第2弾。前作の構成を踏襲しており、1曲目には唯一のオリジナル曲にして最新シングル「風の街」を収録、以降C/Wとして発表していたセルフカバー4曲と新録音のセルフカバー6曲を収録。今回も新しい曲から古い曲へ遡るような曲順になっているが、ラストの「君住む街へ」のみ例外となっている。「愛の中へ」と「言葉にできない」も表記されている年が前後しているが、実際には「愛の中へ」はアルバム『over』と同時発売で、「言葉にできない」はアルバム『over』収録曲で年明け(82年)にシングルカットされたため、初出は共に『over』で同じである

前作以降15thシングル『遠い海辺』C/Wとして発表されていた「ひとりで生きてゆければ」のみ未収録。今作までのC/Wで発表してきたオフコースセルフカバー曲で唯一『LOOKING BACK』シリーズ未収録で取り残されてしまったが、後に『自己ベスト-2』に収録された。ただし変更した歌詞をオリジナルに戻して歌い直されている。また今作以降もC/Wでのオフコースセルフカバーは続いたが、『LOOKING BACK』シリーズの形でまとめることは無くなった。以降は『自己ベスト』2作、『あの日 あの時』といったベスト盤に『LOOKING BACK』2作の音源も含めて収録されるようになった。

『LOOKING BACK』以来となる3作ぶりの1位を獲得、1年前のオリジナルアルバム『個人主義』のほぼ2倍となる60万枚突破を果たし、今回も通常時より遥かに高い売上を記録した。一気にCD売上が激減していった01年発売ながら96年の『LOOKING BACK』も約1万枚上回っている

オフコースセルフカバーの一般人気の高さ(と古株ファンとの意識の隔たり)が伺える売上と反響を見せた今作だが前作と概ね構成は同じ。今の感覚で歌い直されているが、5年経過して少し意識が変わったのか、「she's so wonderful」の英語詞を一部日本語に変えた程度で、省略はあるが新規の歌詞追加や書き換えは無くなった。またシンプルに研ぎ澄まされたアレンジが増えて、バンドサウンドまで行かないアコースティック調のアレンジが増えて全体におとなしい雰囲気。

最大のヒット曲「さよなら」のセルフカバーにだけはかなり違和感があり、特にサビの歌い方の変わりっぷりとさよなら3連呼の後にああ〜♪のコーラスが来ないだけでこんなにイメージ変わるのかと。「さよなら」は小田のヒット曲だと鈴木康博が告げて、小田がオフコースのヒット曲だと返したという当時の逸話があるが、当時の小田が正解だったように思う。「さよなら」は確かにオフコースのヒット曲だった。近年のライブで「さよなら」を歌う際はオフコース準拠のアレンジで演奏されているらしいのでますます今作のバージョンが不評になっていったような印象もある。何故か『自己ベスト』『あの日 あの時』にも今作のバージョンで収録してそのたびになんか違!?とリスナーを戸惑わせるという…。

一方で「言葉にできない」なんかは当時からかなり長い事明治生命のCMソングとして使用されていたこともあり、こっちの方が馴染み深かったりする。最早代表曲の1つくらいになっていて、恐らく一連のオフコースセルフカバーの中でも小田和正の曲だと認知されているのは圧倒的にこの曲じゃないかと思う。

ややシンプルすぎるところに物足りなさもあるが、アレンジ勝負ではない歌そのものソロでやるという点を考えればソロでのセルフカバーとしては前作よりも今作の方がありなのかもしれないとも思う。また4人時代の80年代後半の曲は特有の打ち込み多用によりアレンジの時代性が強かったこともあり、今作の方がしっくり聞ける。

今作を最後に完全にオリジナルとセルフカバーを混ぜる形でベスト盤に統合されてしまう事になるが、セルフカバーシリーズとしては独立して進めてほしかったところはある。ここまでこのシリーズだけやたら売れ行きが良かったので、安易に3,4と出していけばどんどん現役感が無くなっていく…というのもあってどうなのかというのもあったのかな。

LOOKING BACK2  

印象度★★★★☆

2019.3.4更新

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