伝えたいことがあるんだ
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 緑の街 | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 17thシングル 最高30位 売上4.8万枚 |
2 | Little Tokyo | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 3rdシングル 最高3位 売上22.0万枚 演奏一部編集、ボーカル再録音 |
3 | 君にMerry Xmas | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 4thシングル 最高6位 売上16.0万枚 95年再発盤(演奏差し替え) 100位圏外 95年盤音源(演奏差し替え) |
4 | 恋は大騒ぎ | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 5thシングル 最高5位 売上9.6万枚 演奏差し替え、ボーカル再録音 |
5 | Oh! Yeah! | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 6thシングル 最高1位 売上258.8万枚 |
6 | ラブ・ストーリーは突然に | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 6thシングル両A面曲 |
7 | あなたを見つめて | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 7thシングル 最高6位 売上20.9万枚 演奏差し替え |
8 | いつか どこかで | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 8thシングル(アルバム同発) 最高5位 売上36.0万枚 |
9 | そのままの 君が好き | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 9thシングル 最高14位 売上15.8万枚 5thアルバム『MY HOME TOWN』収録Ver. |
10 | 風の坂道 | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 10thシングル 最高9位 売上9.1万枚 |
11 | 真夏の恋 | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 12thシングル 最高10位 売上16.9万枚 ボーカル再録音 |
12 | so long my love | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 13thシングル 最高10位 売上8.8万枚 |
13 | 君との思い出 | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 14thシングル 最高23位 売上7.9万枚 |
14 | 遠い海辺 | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 15thシングル 最高24位 売上2.7万枚 |
15 | 伝えたいことがあるんだ | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 16thシングル 最高8位 売上28.0万枚 |
リリースデータ
1997年11月21日 | 初登場7位 | 売上22.4万枚 | Produced by 小田和正 | ファンハウス |
小田和正2ndベストアルバム。セルフカバーアルバム『LOOKING BACK』から1年9ヵ月ぶり。Little Tokyoレーベル発足以降、つまりオフコースが解散して完全にソロになった89年以降の3rdシングルからこの時点での最新シングルまでを収録。最新作「緑の街」を1曲目に配置した以外は2〜15までリリース順となっている。オフコースのセルフカバーだった11thシングル「緑の街」のみ未収録となっている。打ち込みを生演奏に差し替える、ボーカルを録り直す、一部を編集するといったリテイクが随所で施されているが特に明言はされていない。初回盤にはライターによる全体解説、1曲ごとの解説も掲載されており、再録音に触れている楽曲もあるが全て言及されているわけではない。「君にMerry Xmas」、「真夏の恋」、「so long my love」、「遠い海辺」、「伝えたいことがあるんだ」、「緑の街」がアルバム初収録。
シングル「伝えたいことがあるんだ」は中居正広、常盤貴子が主演したTBSドラマ『最後の恋』主題歌となり、曲調からして「ラブ・ストーリーは突然に」の再来を狙ったかのようであり、メディアでも「ラブ・ストーリーは突然に」以来の大ヒットを煽るようなプロモーションが展開した。だがドラマ自体が最終回でようやく20%に届く程度の中規模のヒットに留まり、主題歌である今作も久々に目立った売上は記録したものの、最高位は8位で97年当時の基準で大ヒットまでには至らなかった。今作自体は前ベスト同様にシングルが大ヒットしたためという理由で企画されたものの、アルバムでの7位は自身最低順位、売上も60万枚に迫る大ヒットだった前年の『LOOKING BACK』には遠く及ばず、次回作となる00年のオリジナルアルバム『個人主義』も下回るベスト盤としては不振な売上となった。『MY HOME TOWN』こそ上回るも、自身ワースト4位、オフコース解散後(Little Tokyoレーベル発足以降)ではワースト2位となる。
「伝えたいことがあるんだ」が久々のヒットを煽り、確かにいつもよりはヒットしたもののドラマ自体は当時の人気者を起用した若者狙いタイアップでどうにも伸ばしきれず、ミリオン連発の時代に大御所小田和正さすがについていけず…といった印象は中学1年生当時何となく記憶している。今作がイマイチヒットしなかったのも「伝えたいことがあるんだ」のビミョーなヒット具合から来る関心の上がりきらなさ、ヒットへの便乗が前回と違って白けたのが響いたものと思われるが『LOOKING BACK』がヒットした割に古くからのファンには賛否両論だったのと対照的に、今作はファンからの評判が極めて高いベストアルバムとなっているようだ。
というのも今作はオフコースのセルフカバーだった11thシングル「緑の街」だけわざわざ外して完全なソロ作品のみで構成した唯一のベスト盤となっているためだ。『自己ベスト』以降のベスト盤は『LOOKING BACK』シリーズ2作からのオフコースのセルフカバー音源が大量収録されているが、今作は純粋にオフコース解散後完全にソロになってからのシングルが分かりやすく時系列に収録されているので、89〜97年のソロで生み出してきたシングルヒットの軌跡が辿れる。これは確かに他のベスト盤にはない魅力だ。アルバム未収録になっていた曲や、特に後半はオリジナルアルバムを出さなくなっていたので初収録が多いのもポイント。
細かくやり直しが施されているのはコアなファンにとっては発見する楽しみもあると思われるが、どうやら小田和正というのはこの点を特に言及せずにこっそりやり直すタイプらしい。山下達郎や大瀧詠一辺りの人たちは自らライナーを掲載してどこをやり直したか細かく言及してくれるので分かりやすく、個人的にはそっちの方がありがたかったりするけど…。
しかしこうしてソロでのシングルだけ並べると…そんなにヒット曲が多いというわけでもない。全くヒットしていないわけではないんだけどどうにも馴染みのある曲は「ラブ・ストーリーは突然に」「伝えたいことがあるんだ」の2曲だけだった。圧巻のベストアルバムといった感じではなく、『自己ベスト』以降のベスト盤の一般ウケがすこぶるいいこと、しかしファンにとっては逆の傾向があるという事も何となく分かるような気がする。たぶん90年代の小田さんらしいのってまさにこのベスト盤なんだけど、00年以降のリスナーが知ってる名曲が多いのってオフコースも含んだ『自己ベスト』以降のベスト盤なんだよな。
印象度★★★★☆
2019.2.20更新