自己ベスト-2

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 こころ 小田和正 小田和正 小田和正 25thシングル 最高1位 売上11.4万枚
2 ひとりで生きてゆければ 小田和正 小田和正 小田和正 15thシングル『遠い海辺』C/W(セルフカバー)
C/W収録時に変更していた歌詞を元に戻して再録音
オフコース 8thシングル
3 生まれ来る子供たちのために 小田和正 小田和正 小田和正 23rdシングルC/W(セルフカバー)
オフコース 18thシングル
4 愛の中へ 小田和正 小田和正 小田和正 2ndセルフカバーアルバム『LOOKING BACK 2』収録曲
オフコース 22ndシングル
5 たそがれ 小田和正 小田和正 小田和正 22ndシングルC/W(セルフカバー)
オフコース 29thシングル
6 君住む街へ 小田和正 小田和正 小田和正 2ndセルフカバーアルバム『LOOKING BACK 2』収録曲
オフコース 34thシングル
7 恋は大騒ぎ 小田和正 小田和正 小田和正 5thシングル 最高5位 売上9.6万枚
8 いつか どこかで 小田和正 小田和正 小田和正 8thシングル(アルバム同発) 最高5位 売上36.0万枚
シンセストリングスを生に差し替え
9 そのままの 君が好き 小田和正 小田和正 小田和正 9thシングル 最高14位 売上15.8万枚
10 こんな日だったね 小田和正 小田和正 小田和正 18thシングル 最高23位 売上2.8万枚
11 the flag 小田和正 小田和正 小田和正 6thアルバム『個人主義』収録曲
12 たしかなこと 小田和正 小田和正 小田和正 23rdシングル 最高8位 売上6.2万枚
13 まっ白 小田和正 小田和正 小田和正 22ndシングル 最高4位 売上8.4万枚
14 大好きな君に 小田和正 小田和正 小田和正 7thアルバム『そうかな 相対性の彼方』収録曲
15 ダイジョウブ 小田和正 小田和正 小田和正 24thシングル 最高6位 売上7.7万枚

リリースデータ

2007年11月28日 初登場1位 売上62.2万枚 Produced by 小田和正 Little Tokyo(BMG JAPAN)

小田和正4thベストアルバム。02年の『自己ベスト』の続編。ジャケットデザインも踏襲している。『自己ベスト』との被りは無く、『自己ベスト』に収録されなかった8曲(2,4,6〜11)、『自己ベスト』以降に発表された7曲(1,3,5,12〜15)で構成されている。オフコースのセルフカバーに関しては『LOOKING BACK』2作に未収録になっていた「ひとりで生きてゆければ」、シリーズ以降にC/Wで発表していた「生まれ来る子供たちのために」「たそがれ」の3曲がアルバム初収録となった。ただし「ひとりで生きてゆければ」は変更していた歌詞を元に戻している。『そうかな』以降にリリースされていた「こころ」「ダイジョウブ」がアルバム初収録

この時点でアルバム未収録のオフコースセルフカバーは「I LOVE YOU」「哀しいくらい」「ワインの匂い」の3曲となったが、「I LOVE YOU」のみ2016年のベスト盤『あの日 あの時』に収録された。「哀しいくらい」「ワインの匂い」は未収録のままとなる。またこれを最後にC/Wでのオフコースのセルフカバー発表は途絶えた。今作以降のシングルではC/Wは無い(カラオケのみ)、別バージョン、全曲A面のいずれかとなっている。

シングル「こころ」はフジテレビ月9ドラマ『ファースト・キス』主題歌となり、91年の『Oh!Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に』以来2度目となるシングル1位を獲得。当時のシングル1位最年長記録を20年ぶりに更新して話題となった(現在は3番目。09年に秋元順子が上回り、19年に桑田佳祐が上回った)。『自己ベスト』には遠く及ばなかったものの『LOOKING BACK』2作や『そうかな 相対性の彼方』を多少上回り、『自己ベスト』『Oh! Yeah!』『sometime somewhere』に続く自身4番目の売上となった。

これまでのベスト盤3作同様に今回もシングルヒットを受けて企画されたと思われ、『自己ベスト』同様にそのヒットシングルを1曲目に配置して2曲目以降はオフコースオリジナル発表基準でほぼ時系列に収録する構成やジャケットデザイン等も完全に踏襲。さすがに『自己ベスト』以降だけでは作品数が少なすぎるため半数を『自己ベスト』に収録されなかった曲で構成したため、どうしても2番煎じ感は漂うし、知名度にしても大きく劣ってしまっているのは否めない。「こころ」にしても確かにいつもよりは売れたが割と競合がいないタイミングで運良く獲得した1位で曲がヒットしたというよりも還暦目前での最年長1位という記録面が騒がれたような状態であった。さすがにたまにシングルヒットが出るたびにベストというパターンもマンネリだったように思う。

それでも『自己ベスト』に続いて手に取るベストアルバムとしては被りが無く、続編としてそれなりに良くできた1作ではあると思う。なんだかんだ『自己ベスト』に収録されなかった90年代の曲やオフコースセルフカバーよりも00年代以降の「the flag」以降、「たしかなこと」〜「ダイジョウブ」「こころ」辺りの曲の方が今作の中では個人的には好きな曲が多い。さすがに『自己ベスト』に収録された有名曲が一緒に並んでも00年以降がダントツとまではいかないものの、今作の中においては終盤(と1曲目)の方が好印象。割と『個人主義』〜『そうかな』辺りまでの時期が個人的には小田和正ソロのピークだったように思う(これより後はさすがに落ち着きすぎてて印象がやや落ちる)。

また今作における大きな変化としてオフコース時代後半からミックスエンジニアとして参加し続けていたBill Schneeが退いたというのがある。一部の曲ではBill Schneeではなく三上義英と表記されているが、三上義英になっているのが1,2,8,15の4曲。直近2シングルと今作で変更が行われた2曲である。また次回作以降は完全に三上義英単独に変わるので、恐らくシングル「ダイジョウブ」から三上義英へミックスエンジニアが完全に交代したものと思われる。三上義英は以前から録音のエンジニアとしてBillと共にクレジットされていた人物だが、この変更以降は録音も三上義英の単独に変わってBillの関与は無くなった。

小田和正にとってミックスエンジニアの重要性は高いらしく、スタッフクレジットは大概、自身のプロデュース表記、ミックスエンジニア、マスタリングエンジニアを3トップで文字大きめ、独立して掲載する事が多い。録音エンジニアは他のスタッフ表記と同じで埋もれた扱いなので、ミックスという作業がそれだけ重要なポジションだったと思われ、その担当者を変えた事は地味に大きな事だったのではないだろうか。

自己ベスト-2  

印象度★★★★☆

2019.3.24更新

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