BEST OF BEST〜20th Anniversary〜

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Boom Boom Boom 秋元康 和泉常寛 新川博 1stシングル 最高32位 売上1.7万枚
2 週末だけは少年 麻生圭子 野田晴稔 山中紀昌 2ndシングル 最高99位 売上0.3万枚
3 歌えなかったラヴ・ソング 真名杏樹 都志見隆 松本晃彦 3rdシングル 最高2位 売上57.5万枚
4 OVER THE TROUBLE 唐珍化 中崎英也 松本晃彦 9thシングル 最高14位 売上26.4万枚
5 愛までもうすぐだから 織田裕二・
真名杏樹
織田裕二・
井上慎二郎
松本晃彦 11thシングル 最高10位 売上18.7万枚
6 Love Somebody 織田裕二 with
マキシ・プリースト
GARDEN 松本晃彦 織田裕二 with マキシ・プリースト名義 13thシングル 最高9位 売上47.8万枚
03年マキシ化再発盤 最高92位 売上0.6万枚
17thシングル(CINEMA Version) 最高26位 売上6.7万枚
24thシングル(CINEMA VersionU) 最高10位 売上5.6万枚
30thシングル(完全盤) 最高36位 売上0.7万枚
7 Shake it UP 前田たかひろ 井上慎一郎(※) 小松秀行 16thシングル 最高22位 売上9.3万枚
8 SECRET RENDEZ-VOUS Thomas 住友紀人 住友紀人 10thアルバム『SECRET RENDEZ-VOUS』収録曲
9 空のむこうまで GARDEN GARDEN GARDEN 20thシングル 最高21位 売上4.0万枚
10 そんなもんだろう ASKA ASKA 松本晃彦 22ndシングル 最高11位 売上3.2万枚
11 We can be Heroes U-SKE U-SKE U-SKE 23rdシングル 最高30位 売上1.3万枚
12 Last Christmas George Michael George Michael Butch Walker Yuji Oda with Butch 名義 25thシングル 最高6位 売上11.3万枚
Wham!のカバー
13 Wake Me Up GO! GO! George Michael George Michael Butch Walker 25thシングル両A面曲 Wham!のカバー
14 Hug,Hug シライシ紗トリ シライシ紗トリ シライシ紗トリ 26thシングル 最高26位 売上1.0万枚
15 All my treasures 溝下創・広保宣 溝下創 シライシ紗トリ 27thシングル 最高40位 売上1.0万枚
16 君の瞳に恋してる Bob Crewe and Bob Gaudio   UZ名義 29thシングル 最高25位 売上1.0万枚
Frankie Valliのカバー(「Can't Take My Eyes Off You」)

※井上慎二郎と思われるが慎一郎に誤植されている

リリースデータ

2008年10月15日 初登場19位 売上0.8万枚 PRODUCED BY 織田裕二 ユニバーサル

織田裕二4thベストアルバム。初期のベスト盤『SINGLES』は4曲+カラオケ2曲、『SONGS』は6曲入り(公式サイト非掲載)と共にミニアルバムで、フルのベスト盤としては95年の『織田裕二 THE BEST』、98年の『THE BEST TRACKS』、01年の『Hot & Sweet-Sour Soup- BEST of LOVE SONG』に続く4作目。デビュー20周年記念のベストアルバムとされているが、デビューは俳優・歌手共に87年であり、21周年を迎えるタイミングだった。また05、06年は歌手活動が無かったが07年にはデビュー20周年を掲げての4年ぶりのオリジナルアルバム『ありがとう』を発売していた。初回盤は「週末だけは少年」「SECRET RENDEZ-VOUS」「Wake Me Up GO! GO!」「All my treasures」を除く存在する収録曲のMV12曲を収録したDVD付。

今作リリース前の08年夏クールの月9ドラマ『太陽と海の教室』に主演し、主題歌はUZ名義でカバーシングル「君の瞳に恋してる」で担当。MVではハッキリ正面から顔を映さない(背後上の角度から歌いながらギターを弾く織田裕二を織田裕二だと分かるようには映していた)など、ほぼ正体を明かした上での新名義での活動だったがこれっきりとなってしまい、歌手活動自体が今作とその後のツアーを持って停止した

新作のリリースは今作を持って停止したが、12年には主演映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』でシリーズ完結に合わせて映画ごとにバージョンを変えていた主題歌「Love Somebody」の全12バージョンを網羅した『Love Somebody完全盤』を発売。これが歌手としての最終作となっており、以降のCD発売は無い。30周年を迎えた2017年は映画ドラマの出演作すら無かった(翌2018年は月9ドラマ『SUITS』に主演したが主題歌はB'zだった)。

 

00年代初頭のCDが売れている頃までは男女問わず俳優の歌手デビューが流行っており、主演で主題歌というパターンでヒットを飛ばすことが多かった。その大半が俳優1本に固めて歌手活動からは数年で撤退するのもまたパターンだった。自作のシンガーソングライターとしても俳優としても認知され奇跡的に両立させている福山雅治のような例外もあったが、織田裕二の場合は主演主題歌という90年代までの王道を00年代以降も継続、気がつけばみんな撤退していたのでほぼ唯一に近い存在となっていたように思う。

正直そんなにヒット曲は多くない。個人的にも最大ヒットの「歌えなかったラヴ・ソング」は世代じゃないので全く知らなかった。たぶん『踊る大捜査線』主題歌として有名な「Love Somebody」は最も広く認知されていると思うけど、以降も主演作を見ていればそういえば聞き覚えが…という程度。20年で30枚近いシングルを出していながら、随分と絞り込んだベスト盤らしいベスト盤になっているのは重量級のオールタイムベストブームになるよりも前の時期の発売だった事も関係していると思うけど、以前のベスト盤との重複も考慮したのかもしれない。

かなり絞り込んだように見える選曲だが、よく見ると選曲基準はかなり単純明快でCMタイアップ程度の曲は全て外され、世界陸上のテーマ曲も最も新しい「All my treasures」1曲だけ主演したドラマ・映画の主題歌を集中的に選んでいるようで、今作は主演作の主題歌集にほぼ等しい内容となっている。俳優としてのイメージの方が強いので確かにこの選曲であれば俳優としての織田裕二の主演作をチェックしていれば必然的にほぼ全部聞き覚えがあって懐かしい曲という事になるので、ヒット曲集というより俳優織田裕二の20年の歴史に付随する作品として聞くことができる。そういう意味ではここまで主演主題歌を続けてきた織田裕二にしか出来ないようなベスト盤といえる。今作発売時点で既に後に続く者もおらず、主演主題歌を続けて20年というのは今後もオンリーワンなんじゃないかと思う。

楽曲自体は初期は80's的な時代を感じるものの、基本的には聞きやすくてポップなものが多い。織田裕二の歌声もそんなに声が高いわけでもないが、役者ロック系のようなカッコつけたような感じでもない優しい歌声なので親しみやすい。なんというのか実際の性格は知らないけど、"凄くいい人そう"な声というのは魅力だと思う。ただ「SECRET RENDEZ-VOUS」を始めとして「We can be Heroes」やWham!のカバー2曲、「君の瞳に恋してる」のカバーなど後半になると英語詞の楽曲を頻繁にやりたがる割には英語の発音がそんなに良いようには聞こえない。というか英語になるとなんか日本語で歌うよりも変にカッコつけた感じになってしまって正直英語で歌う織田裕二はあまり魅力には思えなかった。特に末期の月9主演主題歌が2連続で洋楽カバーというのは一体…。オリジナル曲を用意するよりも最初から有名な洋楽カバーを主題歌としてやる事でリバイバル的な再ヒットを狙っていたようなところもあったのだろうか。

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印象度★★★★☆

2019.4.15更新

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