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No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 心 はなれて | 小田和正 | オフコース | インストゥルメンタル | |
2 | 愛の中へ | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 22ndシングル(同発) 最高23位 売上7.0万枚 |
3 | 君におくる歌 | 鈴木康博、 | 鈴木康博 | オフコース | 23rdシングルC/W(カット) |
4 | ひととして | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | |
5 | メインストリートをつっ走れ | 鈴木康博、大間仁世 | 鈴木康博 | オフコース | 24thシングル『YES-YES-YES』C/W(カット) |
6 | 僕のいいたいこと | 小田和正、大間仁世、 松尾一彦 |
松尾一彦 | オフコース | |
7 | 哀しいくらい | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | |
8 | 言葉にできない | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 23rdシングル(カット) 最高37位 売上3.6万枚 |
9 | 心 はなれて | 小田和正 | 小田和正 | オフコース |
ストリングス編曲:鈴木康博(6)、小田和正(8,9)
リリースデータ
1981年12月1日(LP) 1981年12月1日(CT) 1983年11月21日(初CD化) 1985年9月28日 1991年6月7日 1992年6月24日(音蔵シリーズ) 1998年2月25日(Q盤シリーズ) 2002年2月8日(リマスター) 2005年3月24日(紙ジャケリマスター) 2009年1月21日(SHM-CD) 2019年9月25日(MQA/UHQCDリマスター) |
最高1位 最高1位 - - - - - - - - 初登場245位 |
売上41.4万枚 売上23.3万枚 - - - - - - - - 売上0.024万枚 |
Produced by OFF COURSE | EMI ユニバーサル |
メンバー
Keyboards | 小田和正 |
Guitars | 鈴木康博 |
Electric Bass | 清水仁 |
Guitars&Harmonica | 松尾一彦 |
Drums&Percussion | 大間"ジロー"仁世 |
オフコース9thアルバム。ベスト盤『SELECTION 1978-81』から3ヶ月、オリジナルアルバムとしては1年1ヵ月ぶり。前作以降シングルカットを除く新作シングルは「I LOVE YOU」のみだったが、ベスト盤に収録されたため今作には未収録。先行でのシングル発売が無いまま今作発売となり、シングル「愛の中へ」が同時発売。82年2月に「言葉にできない」がシングルカットされ、C/Wには同じく「君におくる歌」がカットされた。さらにその次のシングル『YES-YES-YES』C/Wとして「メインストリートをつっ走れ」がカットされた。3作連続1位、ベスト盤『SELECTION 1978-81』に続くアルバムでの2番ヒットとなり、オリジナルアルバムとしては最大のヒット作となった。
CD化以降、EMIによるLP時代の作品のCD化復刻シリーズである音蔵やQ盤シリーズ等で再発されてきたが、02年のExMF Seriesと題されてのリマスター再発では、アナログからどのように処理を行ったのかの長い解説文をブックレットに掲載している。05年には紙ジャケリマスター、09年リマスターではSHM-CD仕様で再発されている。2015年にハイレゾ用にリマスターされたのが最新音源で2019年にはEMI時代のアルバムがこの2015年ハイレゾマスターを使用(192kHz/24bitマスターを176.4kHz/24bitに変換)したMQA/UHQCD仕様で再発。この際は前作『We are』に続く順位を記録した。入手したのは02年盤。
前作『We are』と合わせると"We are over"となり解散を示唆していた事が判明するといった仕掛けが施されている(当時は前作を越えていくという意味合いで説明していた模様)。実際には解散はしなかったが既に鈴木康博はメンバーに脱退を表明しており、ファンのために時機を見ていた状態だったらしく、小田和正はショックを受けて鈴木を失うのであれば解散しかないと当時は考えていたらしいので、正式に5人になった頃にはもうバンドとしては実はギリギリの状態で、それがいよいよ終わりに向かいかけていたのがこの頃だったようだ。一方で人気は絶頂期であり、実質シングルなしでリリースされた今作はオリジナルアルバムでの最大のヒット作となった。「言葉にできない」はツアー最終地にして日本武道館での10日間連続公演最終日に小田和正が涙で歌えなくなるといった場面が未だに振り返られる機会も多く、当時から知名度が高かった。さらに小田和正のソロでのセルフカバー版も90年代末期にCMタイアップがついたり、定番曲として歌われ続けているため、ソロの『Looking Back』2作で行ったオフコースのセルフカバーの中では最も有名な曲となった。現在はオフコースの曲というより小田和正のスタンダードソングとして親しまれている。
そんな「言葉にできない」のオリジナルが収録されたアルバムという事になるが…前作までのどんどん上っていく感じが無くなり、どこかもの哀しい。元よりそんなに明るい雰囲気は無かったが、今作は鈴木康博が既に気持ちが離れていっているかのように曲数が激減しているし、作詞は共作だが「君におくる歌」はラブソングの体裁を取りながらも脱退へ至る心境のような内容が含まれているし、「メインストリートをつっ走れ」はもっとストレートなこれでいいのかという心境が歌われている。鈴木康博がある意味で外に向かって気持ちが走っている中で、小田和正はショックだったのかどこか哀しさを漂わせたものが多い。鈴木曲が減って小田曲が増えたわけではないので、実質8曲(1曲インストなので)と曲数も少なめだが、終わりへ向かっていく美学というか、去りゆく美しさというかそういった哀しみと美しさが同居する感傷が漂うアルバムだなと思う。
印象度★★★★☆
2018.11.19更新