Editorial

リリースデータ

メンバー

Official髭男dism3rdアルバム。前作から1年10ヶ月ぶり。前作以降のシングル2作、EPから3曲、5月に配信されていた「Cry Baby」を収録。「アポトーシス」はリード曲として1週間前に先行配信された。『HELLO EP』からは廃盤になっている自主制作アルバム収録曲をリメイクした「夏模様の猫」のみ未収録となった。オンラインライブ「Official髭男dism FC Tour Vol.2 - The Blooming Universe ONLINE -」と「Editorial」「アポトーシス」のPiano ver.を収録したBlu-ray付、DVD付とCDのみの3種発売。前作同様にBlu-ray付、DVD付は特に初回限定盤とは書かれていない。

ブレイクした前作から引き続き、ストリーミングを中心に高い人気を得ていたものの、ストリーミング全体の盛り上がりもあって以前ほど目立って上位に居座り続ける事は無くなっていた。また前作時よりもさらに著しくCD売上が伸びなくなり、CDメイン時代から長く活動していてCD購入文化がファンに根付いているようなベテラン人気ミュージシャンでも数万程度しかアルバムが売れないような状況下となっていたこともあり、今作も50万枚に迫った前作から大幅に売上を落とし、発売3ヶ月でようやく20万に到達、それでも前作の半分程度に留まった。

メンバーインタビューでも語られているようにある程度の成功を得た事でさらにそれを維持するための売れ線を意識しすぎるのではなく、やりたいことを優先という考えで制作が進行したようだ。このためばかりでもないだろうけど、前作時に突き抜けていた「Pretender」を筆頭に「イエスタデイ」「宿命」を越えるような更なる1曲というのはどうも無いが、それでもシングル、リード曲、タイアップ曲は横一線に期待通りか期待以上の曲が出続けているといったような印象。このためアルバム全体でも飛び抜けて強い曲は無いが安定してどの曲もポップで聞きやすく、多様な凝りっぷりで評論家受けも良く、飽きさせない確かな良作といったところ。凝り過ぎて意味不明になるのではなく、あくまでポップな感触で聞きやすく、プロリスナーもライトリスナーも概ね好みそうなバランスの良さもある。またメンバー3人も1曲ずつ作詞作曲に参加するなど新たな可能性も見せていてグループの可能性はまだまだ広がっているんだと思う。

個人的にも期待通りで聞きやすい1作で良いアルバムだなとは思うけど、バンドの枠組みを越えすぎたような多彩すぎるサウンドにどうにも馴染めない部分もある。いいとは思うんだけど自分の中では定着はしないのでその時聞いて終わりで繰り返しは聞く事は無い(基本的にそういう作品の方が多いといえば多いんだけど)。愚直にギターベースドラムキーボードをかき鳴らすロックバンドは最早時代遅れで、バンドも電子音を駆使して打ち込みを多用する制作集団化するのがトレンドではあるんだろうけど、なんかこう…落ち着かないんだよな…。落ち着かないというかこういう電子系を聞いた後に愚直にギターベースドラムキーボードをかき鳴らすバンドサウンドを聞いた時の安心感がとてつもない。特に1曲目の「Editorial」は1人多重コーラスみたいな編成の曲だがどういうわけかロボトミーボイス加工されていていきなりトラックが壊れているのかと思った。とてもいい声をしているのに何故普通に多重コーラスを聞かせてくれないのか。

そんな事もあってか、どうしても聞きたい優先度が低くなり、今作に関してはCDレンタルは出来たんだけどサブスク送りで済ませてしまった(とはいえAmazon Musicで配信されている今作はULTRA HD（ハイレゾ相当）で歌詞表示機能も全曲完備されていたので、クレジットが見れない以外はCDより好条件だったりした…本当にこれでいいのか？)。

Blu-ray付　　DVD付　　CDのみ　

印象度★★★★☆

2021.10.31更新

※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCD(ブックレット)を手に取っておらず作詞作曲編曲表記はwikipedia参照です。

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